北九州市議会 > 2018-03-02 >
03月02日-04号

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  1. 北九州市議会 2018-03-02
    03月02日-04号


    取得元: 北九州市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-08-02
    平成30年 2月 定例会(第1回)議 事 日 程 (第4号)                          平成30年3月2日(金曜日)午前10時開議(開 議)第1 議案第1号 平成30年度北九州市一般会計予算第2 議案第2号 平成30年度北九州市国民健康保険特別会計予算第3 議案第3号 平成30年度北九州市食肉センター特別会計予算第4 議案第4号 平成30年度北九州市卸売市場特別会計予算第5 議案第5号 平成30年度北九州市渡船特別会計予算第6 議案第6号 平成30年度北九州市土地区画整理特別会計予算第7 議案第7号 平成30年度北九州市土地区画整理事業清算特別会計予算第8 議案第8号 平成30年度北九州市港湾整備特別会計予算第9 議案第9号 平成30年度北九州市公債償還特別会計予算第10 議案第10号 平成30年度北九州市住宅新築資金等貸付特別会計予算第11 議案第11号 平成30年度北九州市土地取得特別会計予算第12 議案第12号 平成30年度北九州市駐車場特別会計予算第13 議案第13号 平成30年度北九州市母子父子寡婦福祉資金特別会計予算第14 議案第14号 平成30年度北九州市産業用地整備特別会計予算第15 議案第15号 平成30年度北九州市漁業集落排水特別会計予算第16 議案第16号 平成30年度北九州市介護保険特別会計予算第17 議案第17号 平成30年度北九州市空港関連用地整備特別会計予算第18 議案第18号 平成30年度北九州市学術研究都市土地区画整理特別会計予算第19 議案第19号 平成30年度北九州市臨海部産業用地貸付特別会計予算第20 議案第20号 平成30年度北九州市後期高齢者医療特別会計予算第21 議案第21号 平成30年度北九州市市民太陽光発電所特別会計予算第22 議案第22号 平成30年度北九州市上水道事業会計予算第23 議案第23号 平成30年度北九州市工業用水道事業会計予算第24 議案第24号 平成30年度北九州市交通事業会計予算第25 議案第25号 平成30年度北九州市病院事業会計予算第26 議案第26号 平成30年度北九州市下水道事業会計予算第27 議案第27号 平成30年度北九州市公営競技事業会計予算第28 議案第28号 北九州市地方独立行政法人評価委員会条例の一部改正について第29 議案第29号 北九州市職員定数条例の一部改正について第30 議案第30号 北九州市職員退職手当支給条例の一部改正について第31 議案第31号 北九州市職員の特殊勤務手当に関する条例の一部改正について第32 議案第32号 北九州市手数料条例の一部改正について第33 議案第33号 北九州市市税条例の一部改正について第34 議案第34号 北九州市芸術文化施設条例の一部改正について第35 議案第35号 北九州市交通安全対策事業推進基金条例について第36 議案第36号 北九州市介護サービス等の事業の人員、設備及び運営の基準等に関する条         例の一部改正について第37 議案第37号 北九州市社会福祉施設の設置及び管理に関する条例の一部改正について第38 議案第38号 北九州市障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営の基準等に関す         る条例の一部改正について第39 議案第39号 北九州市国民健康保険条例の一部改正について第40 議案第40号 北九州市後期高齢者医療に関する条例の一部改正について第41 議案第41号 北九州市衛生施設の設置及び管理に関する条例の一部改正について第42 議案第42号 北九州市難病の患者に対する医療等に関する法律の規定に基づく過料に関         する条例について第43 議案第43号 北九州市旅館業法施行条例の一部改正について第44 議案第44号 北九州市特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業の運営の基準に関す         る条例の一部改正について第45 議案第45号 北九州市廃棄物の減量及び適正処理に関する条例の一部改正について第46 議案第46号 地域経済牽引事業の促進による地域の成長発展の基盤強化に関する法律第         9条第1項の規定に基づく準則を定める条例について第47 議案第47号 北九州市土地改良事業に係る賦課金及び特別徴収金に関する条例について第48 議案第48号 北九州市産業観光施設の設置及び管理に関する条例の一部改正について第49 議案第49号 北九州市公営競技局企業職員の給与の種類及び基準を定める条例について第50 議案第50号 北九州市都市公園、霊園、駐車場等の設置及び管理に関する条例の一部改         正について第51 議案第51号 北九州市地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例の一部改正         について第52 議案第52号 北九州市特別工業地区建築条例の一部改正について第53 議案第53号 北九州市特別用途地区内におけるスポーツ及びレクリエーションに係る建         築物の制限の緩和に関する条例の一部改正について第54 議案第54号 北九州市消防団員等公務災害補償条例の一部改正について第55 議案第55号 地方独立行政法人北九州市立病院機構評価委員会条例について第56 議案第56号 若松競艇場ナイター照明電源設備更新電気工事請負契約締結について第57 議案第57号 砂津長浜線道路改良工事(27-1)請負契約の一部変更について第58 議案第58号 土地改良事業の施行について第59 議案第59号 鹿児島本線八幡・黒崎間城山西線藤田架道橋改築工事委託協定の一部変更         について第60 議案第60号 黒崎城石黒崎1号線道路改築事業に伴う鹿児島本線黒崎駅構内自由通路新         設工事委託協定の一部変更について第61 議案第61号 基本財産の額の増加に係る福岡北九州高速道路公社の定款の変更に関する         同意について第62 議案第62号 市有地の処分について第63 議案第63号 市有地の処分について第64 議案第64号 市有地の処分について第65 議案第65号 地方独立行政法人北九州市立病院機構の定款について第66 議案第66号 包括外部監査契約締結について第67 議案第67号 平成29年度北九州市一般会計補正予算(第5号)第68 議案第68号 平成29年度北九州市国民健康保険特別会計補正予算(第1号)第69 議案第69号 平成29年度北九州市卸売市場特別会計補正予算(第1号)第70 議案第70号 平成29年度北九州市競輪、競艇特別会計補正予算(第3号)第71 議案第71号 平成29年度北九州市土地区画整理特別会計補正予算(第3号)第72 議案第72号 平成29年度北九州市港湾整備特別会計補正予算(第2号)第73 議案第73号 平成29年度北九州市土地取得特別会計補正予算(第1号)第74 議案第74号 平成29年度北九州市学術研究都市土地区画整理特別会計補正予算(第1         号)第75 議案第75号 平成29年度北九州市臨海部産業用地貸付特別会計補正予算(第1号)第76 議案第76号 平成29年度北九州市下水道事業会計補正予算(第1号)(散 会)会議に付した事件日程第1 議案第1号から日程第76 議案第76号まで出席議員 (57人)       1番 上 野 照 弘  2番 吉 田 幸 正   3番 佐 藤   茂  4番 田 仲 常 郎   5番 渡 辺   均  6番 奥 村 祥 子   7番 戸 町 武 弘  8番 香 月 耕 治   9番 片 山   尹  10番 中 島 慎 一   11番 佐々木 健 五  12番 井 上 秀 作   13番 日 野 雄 二  14番 村 上 幸 一   15番 鷹 木 研一郎  16番 西 田   一   17番 宮 﨑 吉 輝  18番 田 中   元   19番 吉 村 太 志  20番 佐 藤 栄 作   21番 三 原 朝 利  22番 金 子 秀 一   23番 冨士川 厚 子  24番 渡 辺 修 一   25番 中 島 隆 治  26番 渡 辺   徹   27番 本 田 忠 弘  28番 岡 本 義 之   29番 成 重 正 丈  30番 山 本 眞智子   31番 木 下 幸 子  32番 村 上 直 樹   33番 松 岡 裕一郎  34番 木 畑 広 宣   35番 世 良 俊 明  36番 森   浩 明   37番 森 本 由 美  38番 浜 口 恒 博   39番 白 石 一 裕  40番 大久保 無 我   41番 奥 村 直 樹  42番 中 村 義 雄   43番 河 田 圭一郎  44番 福 島   司   45番 三 宅 まゆみ  46番 大 石 正 信   47番 田 中 光 明  48番 荒 川   徹   49番 石 田 康 高  50番 柳 井   誠   51番 出 口 成 信  52番 山 内 涼 成   53番 高 橋   都  54番 藤 沢 加 代   55番 藤 元 聡 美  56番 讃 井 早智子   57番 村 上 さとこ欠席議員 (0人)説明のために出席した者の職氏名 市長      北 橋 健 治  副市長     梅 本 和 秀 副市長     松 元 照 仁  副市長     今 永   博 会計室長    石 井 佳 子  危機管理監   原 口 紳 一 技術監理局長  石 松 毅 彦  企画調整局長  西 田 幸 生 総務局長    小 林 一 彦  財政局長    田 中 雄 章 市民文化 スポーツ局長  田 島 裕 美  保健福祉局長  阿 髙 和 憲 子ども家庭局長 江 副 春 之  環境局長    近 藤   晃 産業経済局長  加茂野 秀 一  建設局長    横 矢 順 二 建築都市局長  柴 田 卓 典  港湾空港局長  木 本   仁 消防局長    土 田 久 好  上下水道局長  有 田 仁 志 交通局長    吉 田 茂 人  病院局長    古 川 義 彦                  行政委員会 教育長     垣 迫 裕 俊  事務局長    大 下 徳 裕職務のために出席した事務局職員の職氏名 事務局長    窪 田 秀 樹  次長      松 本 久 寿 議事課長    中 畑 和 則           ほか関係職員                  午前10時00分開議 △日程第1 議案第1号から、日程第76 議案第76号まで ○議長(井上秀作君) ただいまから、本日の会議を開きます。 日程第1 議案第1号から、日程第76 議案第76号までの76件を一括して議題といたします。 一般質疑を行います。44番 福島議員。 ◆44番(福島司君) おはようございます。早速一般質疑に入らせていただきます。ハートフル北九州議員団を代表して行います。 まず、GO!GO!北九州市躍進へ向けた市長の思いについてお伺いします。 北九州市制55周年、北橋市長にとって3期目最後となる平成30年度予算案は、豊かな未来に向け、GO!GO!北九州市躍進予算をキャッチフレーズに、1、にぎわいを創出し、新しいひとの流れをつくる、2、魅力あるしごとを創出し、活力あるまちをつくる、3、安心して子どもを生み育てることのできるまちをつくる、4、誰もが安心して暮らせるまちをつくるを重点的に取り組むべき4つの柱として掲げています。そして、市制55周年を本市への新たな人の流れをつくる契機とし、豊かな未来を目指し、力強く躍進しますと述べられています。 一方で、一般財源が限られ自主財源がぜい弱な中、人口減少・高齢社会を迎える将来を見据えたまちづくりを進めていくためにも、医療・福祉関係費の財源確保等も含め、持続可能で安定的な財政の確立と維持が求められており、日常の市民生活にかかわる公共施設マネジメントによる公共施設の廃止、集約化、再配置とあわせ、公の施設に係る受益と負担のあり方の中で、今後使用料、利用料の見直しを進めていくことに市民の理解を求めています。私は、本市の未来に希望と夢が持ててこそ、当面の痛みや負担にも市民の理解と合意が得られるものと考えます。 そこで、本市の豊かな未来に向け、北橋市長の描く本市の躍進した姿についてお聞かせください。 次に、持続可能な開発目標、SDGsの推進について伺います。 持続可能な開発目標、SDGsは、2015年9月の国連総会で全ての加盟国、地域の全会一致で採択された我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダの中核をなす開発目標で、17の目標と169のターゲットが示されています。そして、2017年7月に、目標、ターゲットの進捗をはかるための232の指標が採択されました。SDGsの基本理念は、誰ひとり取り残さないことと我々の世界を変革することです。そして、持続可能な開発を実現するには、経済、社会、環境の3つを統合させて解決される必要性を示しています。 日本政府は2016年5月20日に、内閣に持続可能な開発目標(SDGs)推進本部を立ち上げ、12月には持続可能で強じん、そして、誰ひとり取り残さない、経済、社会、環境の統合的向上が実現された未来への先駆者を目指すというビジョンを掲げ、8つの優先分野のもとで、約140の国内及び国外の具体的な施策を指標とともにSDGsの実施指針として決定しました。 内閣府が実施したSDGsの認知度に関する自治体アンケート調査では、調査時点でSDGsの存在自体を知らない自治体が約54%、今後推進していく予定がないと答えた自治体が約65%という状況です。今後、自治体におけるSDGsの取り組みは、国の方針を受けて急速にふえていくことと思います。 そういう中で、世界の環境首都を目指し、国の環境未来都市、環境モデル都市に選ばれている本市でのSDGsの推進は、人口減少・高齢社会を迎える時代にあって、経済、社会、環境のみならず、本市の未来のまちづくりの目標を示すものとして大変重要であり、他の自治体の先駆けとしての役割を果たし得るものと期待するものです。平成30年度予算では、新規事業として企画調整局からSDGs未来都市推進事業、環境局からOECD(経済協力開発機構)「SDGsモデル都市プロジェクト推進事業が提案されています。 そこで、4点お伺いします。 第1に、SDGsの推進に当たっての基本的な認識についてお聞かせください。 第2に、SDGsが求めている経済、社会、環境の3つを統合させて解決する仕組みを構築していく上で、本市ではどのような体制で取り組んでいくのか、見解を伺います。 第3に、企画調整局のSDGs未来都市推進事業の目的と内容についてお聞かせください。 第4に、環境局のOECD「SDGsモデル都市プロジェクト推進事業の目的と事業内容についてお聞かせください。 次に、総務局の新規事業である働き方改革先進都市事業についてお伺いします。 今、働き方改革という言葉が労働界、産業界、法曹界、マスコミ等、各界で飛び交い、国会においても働き方改革関連法に関して議論されています。働き方改革といっても、労働界が求める働き方改革、産業界が求める働き方改革では対立する部分が多くあります。 もともと働き方改革が社会問題となってきたのは、長時間労働による過労死、過労自殺、賃金格差などが背景としてあります。私は、働き方改革を進めていく上で、労働者が健康で安心して働き続けられる労働環境を整備することが前提であり、それは産業界の発展にとっても大切なことだと考えます。男女、年齢を問わず、あらゆる職種、職域で多様な働き方を推進するにしても、基本は労働環境を整え、労働者が自由に意思決定、選択できるものでなければなりません。そういう中で、新規事業として働き方改革先進都市事業が提案され、企業における潜在労働力活用などの新しい働き方の創出や未就業女性向け就業支援女子生徒向け理工系職業体験プログラムの実施等、将来にわたっての多様な働き方の実現を推進するとしています。 そこで、お伺いします。 第1に、働き方改革先進都市とは、何を目指すことによって先進都市と考えているのか、見解を伺います。 第2に、企業における潜在労働力活用などの新しい働き方の創出とはどういうものか、わかりやすく説明願います。 第3に、多様な働き方についての基本的な見解を伺います。 次に、教育行政について伺います。 教職員の多忙化、長時間労働については、以前から本市議会でも取り上げられてきましたが、特に電通における女性社員の過労死問題を契機に、長時間労働の実態が社会問題となる中で、教職員の勤務実態についても全国的に大きく取り上げられてきました。文部科学省は本年2月9日付で、各都道府県教育委員会と各指定都市教育委員会に、学校における働き方改革に関する緊急対策の策定並びに学校における業務改善及び勤務時間管理等に係る取り組みの徹底についてという通知を出しています。文部科学省、本市教育委員会においてもその対策の必要性を認識し、取り組みを進めていることは認識していますが、十分とは言いがたい現状があります。 本来、通常の業務は勤務時間内に終えるように業務計画を立て、それに必要な要員は確実に確保するのが原則と考えます。超過勤務は、突発的な事情によりやむを得ず命令するものであり、超過勤務が日常的に行われることは正常ではありません。とりわけ教育現場では教職員の負担を軽減し、健康でゆとりを持って子供たちと向き合う時間を確保することが大変重要であり、教職員の労働環境の改善は急務と言えます。そのためには、少人数学級の推進、病休、産休等の代替教員の確保、専科教員の配置、本年度から採用している部活指導員の拡充、業務改善など、積極的に取り組むことが求められています。 そこで、4点伺います。 第1に、学校現場において新年度4月から欠員状態があってはならないと考えますが、見解と見通しをお伺いします。 第2に、病休、産休、育休代替教員の確保について見解を伺います。 第3に、専科教員、部活動指導員等の配置拡大についての見解と、来年度の計画について伺います。 第4に、教職員の働き方改革の視点も踏まえ、業務改善プログラムモデル校の成果と課題、来年度の取り組みについて見解を伺います。 次に、門司港レトロの活性化とまちづくりについてお伺いします。 私は、平成27年12月定例会一般質問においてこの課題を取り上げさせていただき、門司港レトロ観光まちづくりプランの進捗状況と今後の見通しについて、和布刈地区の観光振興、まちづくりについての検討状況、門司港レトロ周辺の駐車場の設置場所と、空き情報を知らせる案内板等の設置について伺いました。 市長からは、観光まちづくりプランの進捗状況と今後の見通しとして、特に和布刈地区や西海岸地区の魅力向上、商店街地区への回遊性の向上、町なか居住の推進などに取り組んでいきたい、また、文化芸術も重要な観点と捉え、門司港レトロの磨き上げとして、アートや文化を生かしたまちづくりをより一層推進したい、今後も観光とまちづくりが一体となった新たなにぎわいを創出していきたいとの答弁をいただきました。 また、和布刈地区の観光振興については、門司港レトロ観光まちづくりプランの中でも主要な政策の一つに位置づけ、瀬戸内海国立公園の一部に指定され、土地の利用規制や建物の用途、建築規模などの制限があるが、関門海峡の歴史や眺望を生かした公園として再整備することや、民間活力を生かした飲食、物販施設など観光施設の整備などについて取り組む。門司港レトロ事業を進めていく上で、観光地としての更なる魅力アップや観光客の増加、宿泊客の増加を推進するためには、和布刈地区全体の魅力向上が不可欠であり、今後も英知を絞り、官民一体となって積極的に取り組んでいくとの答弁をいただきました。 そこで、改めて4点お伺いいたします。 第1に、最終年度を迎えた門司港レトロ観光まちづくりプランの到達点と課題について見解を伺います。 第2に、和布刈神社と本市との和解成立に伴い、今後海岸線の整備等が進むものと考えますが、門司港レトロの活性化に向けて、市長答弁にあるように和布刈地区全体の魅力向上が不可欠だと考えます。今後の和布刈地区の整備についての見解を伺います。 第3に、門司港レトロの活性化、観光のまちづくりに向けては、門司港レトロ中心地区、和布刈地区、清滝地区の回遊性を向上させ、面的な広がりを持つことが大切です。そこで、JR門司港駅を基点とした周遊電気バスを走らせることを提案しますが、見解を伺います。 第4に、観光振興を図る上で、地元住民のおもてなしの意識の向上も必要と考えます。そこで、門司港レトロのよさを知ってもらうため、地元住民向けの門司港レトロツアー等を企画する考えはないか、見解を伺います。 最後に、公共施設マネジメント、門司港地域、大里地域のモデルプロジェクトについて伺います。 公共施設のマネジメントについては、平成28年2月に実行計画が出され、門司港地域、大里地域のモデルプロジェクトも実行計画に基づいて進められています。門司港地域の再配置計画では、複合公共施設の集約先の検討、選定を本年度末までに、複合公共施設の整備を平成30年度から、そして、集約化に向けた利用者調整を平成31年度末までに行うこととなっています。また、大里地域の再配置計画では、競輪場跡地の公園利用と住宅の計画、整備を本年度から、広場としての暫定利用を来年度から、施設集約、再配置の実施を平成30年代後期からとなっています。 そこで、2点伺います。 第1に、門司港地域モデルプロジェクトの進捗状況について、集約され整備される複合公共施設の場所、整備スケジュール、整備内容についてお伺いします。 第2に、大里地域のモデルプロジェクトについて、施設整備までの競輪場跡地の公園、広場の利用、住宅の計画、整備の今後のスケジュールについてお伺いします。 以上で私の第1質疑を終わります。 ○議長(井上秀作君) 市長。 ◎市長(北橋健治君) おはようございます。福島議員の御質問にお答えいたします。 まず、GO!GO!北九州市躍進に向けた市長の思いについて御質問がございました。 市長に就任しました際、市民、そして、議会と議論を重ねまして、まちづくりの基本方針として元気発進!北九州プランを平成20年12月に策定をいたしました。そこでのキャッチコピーは、人と文化を育み、世界につながる、環境と技術のまちをまちづくりの基本目標に定めたところであります。その実現のため、これまで環境モデル都市や環境未来都市構想など、国のビジョン、政策も活用しながら取り組みを進め、OECDによるグリーン成長都市への選定やG7エネルギー大臣会合の開催など、環境先進都市として国際的な評価につながるように努めてまいりました。 また、少子・高齢化は日本全体の直面する大きなテーマでございますが、その中で子育て支援について、中学校の完全給食や子どもひまわり学習塾、小児救急医療の充実や子育てふれあい交流プラザなど、子育て環境の充実に力を注いでまいりました。現在、NPO法人の次世代育成環境ランキングでは6年連続政令市1位となっておりますが、更に努力を続けていきたいと考えております。 加えまして、町に新たなにぎわい、また、人の流れをつくり出すために漫画ミュージアムを開設し、また、林芙美子文学賞を創設し、市民参加型合唱祭、コーラスの開催など文化芸術の充実やB-1グランプリ、北九州マラソン、TGC北九州、ポップカルチャーフェスティバルなど、こうした楽しく人が集まるような大規模なイベントの実施によりまして、新たなにぎわいが生まれてきつつあると考えております。 また、安全・安心なまちづくりが市政評価におきまして3年連続1位になるなど、市民にも落ちついた都市環境を実感していただけるようになったと思います。ここ数年は地方創生の総合戦略に基づきまして、この少子・高齢化、人口減という課題に対処し、当面社会動態をプラスに転じるということを目標に掲げて地方創生に取り組んでおります。取り組みを進める中で、外国人観光客の数、また、空港の利用者数が過去最多となり、小倉都心部商業地の地価が上昇に転じるなど、成果があらわれつつあります。全国紙で本市が住みたい町として、総合、シニアの2部門のランキング全国1位を獲得するなど、住みよい町として本市がマスコミで取り上げられることが多くなってまいりました。 今後の取り組みでありますが、日本全体を見渡してみて、非常に可能性の大きなプログラム、まず、洋上風力発電関連産業の総合拠点化であります。それから、介護ロボットを活用した先進的介護の実証を通じて、ロボット産業の集積を目指すことであります。そして、24時間利用可能な北九州空港を更に伸ばす、この将来ビジョンの着実な推進などであります。こうした本市の将来を切り開く戦略的なプロジェクトを更に加速していく重要性を感じております。 また、大規模な国際会議やスポーツ大会などの誘致に加えまして、文化・芸術を生かした都市の魅力づくりにも積極的に取り組んでいきたいと考えております。2020年の東京オリンピック・パラリンピックは、世界の人々が改めて日本の魅力、文化、そうしたことに気づき、そしてまた、評価を高める絶好のチャンスであります。このウエーブにいかに北九州もうまく乗れるか、それによって新しい人の流れをつくり出していくことが大きな目標だと思います。 その意味でSDGsの課題でありますが、国連加盟国全ての国と地域が共通の目標を確認したということは画期的なことであります。この持続可能な開発17の目標、このSDGsの達成に取り組んで、本市を国際的にもブランド力を更に引き上げる、そしてまた、市民にとっても活力にあふれるまちづくりと、そのように生かしていければと考えております。これまでの成果に加え、これら新たなプロジェクトを進めることで、まちづくりの目標として掲げた姿を市民に実感してもらえるように努力を続けます。 一方で、多様化する行政ニーズに応え、重点政策を進めるために、安定的な財源の確保は不可欠であります。その観点から、行財政改革についてはこれまでも鋭意努めておりますが、今後とも不断の努力、取り組みが求められると考えております。簡素で効率的かつ効果的な行財政運営を図り、真に必要な公共施設を安全に保有し続けていくために、公共施設マネジメントに取りかかっております。市民や議会としっかりと意見を交わしながら丁寧に進めていきたいと考えております。 今後とも地方創生総合戦略などを着実に推進し、元気発進!北九州プランの実現を図り、誰もがこの町に住んでよかった、これからも住み続けたい、そう思えるまちづくりに全力で頑張っていきたいと考えております。 次に、SDGsの取り組みにつきまして、OECD、経済協力開発機構のモデル都市プロジェクト推進事業について御質問がございました。 このプロジェクトは、SDGsについて先進的に取り組んでいるとOECDが認めた世界の10程度のモデル都市を対象にして事業が推進されるものであります。事業の推進に当たりましては、それぞれのモデル都市の環境や子育て、人権など各分野別の計画や主要な政策、また、CO2の排出量や再生可能エネルギー導入量などの基礎的なデータの把握、更には関係者からのヒアリング、現地調査などが1年半にわたって実施され、SDGsに関する強みや特色を客観的に分析、評価を行い、モデル都市間の政策対話や国連会議での発表などを通じて、世界のあらゆる都市にSDGsに関する先進的なモデル都市の取り組みを波及させることを目的にいたしております。 評価に当たりましては、現在国レベルでの目標として、SDGsの17のゴール、169のターゲット、更に、232の指標が設定されておりますが、このプロジェクトの推進に当たり、新たにOECDが都市レベルの指標を設定し、各モデル都市のSDGsに関する強みなどを分析、評価するというものであります。 期待される成果でありますが、今回北九州市がプロジェクトへ参加することによって、一般的に日本の弱みとされているゴールの7、エネルギーの分野、ゴールの17、グローバルパートナーシップ、この取り組みも本市の都市レベルでの強みとして世界で適切に評価されることとなります。例えば、本市の洋上風力発電、フィリピンにおける廃棄物発電の導入の取り組みなど、OECDの都市レベルの指標で的確に政策評価いただくことで、本市の先進性を内外に発信する絶好の機会となるものと考えております。 更に、このプロジェクトの成果として取りまとめられるOECDのレポートにつきましては、小・中学生から高齢の皆様にもわかりやすく親しみやすいパンフレットなどとして編集し、ESD、持続可能な開発のための教育、その活動の一助となるように活用していきたいと考えております。 ことしの4月にもパリにおきまして、モデル都市の参加によるキックオフミーティングが予定されております。北九州市の取り組みをしっかりアピールできるよう準備を進め、世界のSDGsモデル都市として国内外に積極的に発信していきたいと考えております。 次に、和布刈地区の魅力向上について御質問がございました。 和布刈地区を含む関門エリア全体の魅力づくりについては、平成28年度から国の地方創生推進交付金を活用し、現在下関市と共同で関門連携の取り組みを精力的に進めております。具体的には、両市の産学官、そして、市民団体、金融機関などから成る関門地域連携推進協議会を立ち上げ、プロジェクトの一つとして、めかり山荘跡地を含めた和布刈地区全体をターゲットとした国立公園のブランド化をテーマに掲げております。これは、環境省が昨年度から実施しております国立公園満喫プロジェクトに関連するもので、インバウンドの受け入れ環境やビューポイントの整備、民間施設の誘致などに取り組むことで、国立公園の魅力アップを図り、観光客の増加を目指すものであります。 市としては、現在こうした国の動きを受けまして、瀬戸内海国立公園の一角を占める関門、和布刈地区の魅力アップを図るため、まず、民間活力による商業、レジャー施設などの誘致、ビューポイントや遊歩道などのアクティビティーの充実、和布刈パーキングエリアや人道トンネルなどを活用した新たな魅力づくりといった視点で、和布刈地区における観光拠点としての計画づくりに着手しております。関係機関などと協議を進めているところであります。 今後の取り組みでありますが、議員御指摘のとおり、ことし1月、和布刈神社との和解が合意に至ったことを契機に、和布刈地区の魅力づくりの新たなスタートとして、海岸線の遊歩道整備に取り組んでいく予定であります。今後の門司港レトロ地区の観光振興を図る上で、和布刈地区の地域資源を活用した魅力アップは大きな柱の一つであります。地元の関係者などからも御提案を受けているところであります。こうしたことも含めまして、市としては今後民間投資の促進を図りながら、国や関係機関とも連携し、和布刈地区全体の魅力向上のため、一層の努力をしてまいりたいと考えております。 残余の質問は、関係局長からお答えさせていただきます。 ○議長(井上秀作君) 企画調整局長。 ◎企画調整局長(西田幸生君) まず、SDGsの推進につきまして、3点を一括してお答えいたします。基本的な認識、体制、企画調整局の新規事業の目的と内容でございます。 議員御指摘のとおり、SDGs、持続可能な開発目標は、2030年の達成を目指し、国連加盟国が全会一致で採択した世界共通の約束事であり、都市においては今後世界標準となるまちづくり、企業においてはグローバルなビジネス展開につながるものであります。 本市としては、本市の強みである環境の取り組みや市民力などを活用し、SDGsの達成に向けた取り組みを推進することで、本市のブランドの向上や活力にあふれるまちづくりに生かしていきたいと考えております。 本年2月、本市は市長を本部長とする北九州市SDGs未来都市庁内推進本部を設置し、SDGs達成に向けた全庁的な体制づくりを行ったところであります。今後は、経済、社会、環境の3側面を統合する取り組みを推進するため、環境未来都市と同様、組織横断的に取り組んでまいりたいと考えております。 SDGsの達成に向けましては、産官学民などあらゆる役割主体が得意分野を生かしつつ、連携、協働することが不可欠であることから、多くの市民にSDGsについて関心を持ち、参画してもらえるよう、これまで以上にPRやイベント等の普及啓発に取り組むこととし、来年度予算案にSDGs未来都市推進事業を計上しておるところでございます。 国では、SDGs達成に向けたすぐれた取り組みを提案する都市をSDGs未来都市として選定するため、全国の自治体に対して公募を始めたところであります。まずは、このSDGs未来都市に選定されることを目指しまして、庁内推進本部を中心にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。 続きまして、公共施設マネジメントにつきまして2点お答えいたします。 まず、門司港地域モデルプロジェクトの進捗状況であります。 門司港地域のモデルプロジェクト再配置計画については、中心市街地を取り巻くように点在する老朽化した公共施設を駅周辺に集約し、利便性の向上及び市民サービスの効率化を図るとともに、地域の活性化を目指すものでありまして、公共施設マネジメント実行計画では、整備する複合公共施設の場所として2つの候補地を掲げております。 この複合公共施設の整備内容といたしましては、区役所、ホール、図書館、会議室、商業などの機能を一つの建物に集約し、効率的な運営を可能とすることで、全体として現状よりコンパクトな規模としながら、利用しやすさも確保することとしております。 平成27年5月に計画の方向性を公表後、これまで門司区内で意見交換会を40回開催し、累計で970名の方に説明し、市民意見の把握に努めてまいりました。また、都市計画や公共施設管理などの有識者や施設の利用者団体の代表から成る懇話会を3回開催するなど、知識や経験に基づく専門的な意見を聞きながら、概略の施設整備計画づくりに取り組んでまいりました。 現在、2つの候補地につきまして、市の財政負担、アクセス利便性、地域の活性化などの観点や、市民との意見交換会や懇話会での意見など、総合的に比較検討しているところであります。その中で、民間所有の候補地については、地権者と敷地範囲や支障物件移設の可否など条件面での協議を重ねるとともに、商業機能の導入の可否や公共交通などのアクセス強化についても関係者と鋭意協議、調整を行っておるところであります。 整備スケジュールにつきましては、実行計画では来年度から具体的な調査設計に入り、平成33年度末ごろの完成を想定しておりますが、このように関係者とのさまざまな協議や調整に当初の見込みより時間を要している状況であります。まずは来年度の早い時期に集約先を選定し、市民に計画のたたき台とスケジュールの見通しをお示ししたいと考えております。このプロジェクトは市民生活に密接し、市民の期待も大きいことから、地域の核となる魅力的な施設となるよう、できるだけ早く計画を固め、事業推進に努めてまいりたいと考えております。 次に、大里地域のモデルプロジェクトの進捗状況であります。 大里地域のモデルプロジェクト再配置計画については、門司競輪場の跡地を有効活用し、公園、広場の拡張と複合公共施設の整備に加えまして、居住ゾーンの開発を行う基本計画を昨年11月に取りまとめたところであります。周辺のスポーツ施設を集約する複合公共施設については、対象施設の更新時期が到来する平成30年代後期以降の整備を想定していることから、まずは公園、広場の拡張と居住ゾーンの開発に取り組みたいと考えております。 公園、広場につきましては、子供たちが楽しく安全に遊べる遊具や、ジョギングなども利用できる園路を備え、気軽にスポーツやレクリエーションが楽しめ、イベントにも活用できる芝生広場を整備する計画であります。スケジュールにつきましては、平成30年度から基本設計を開始し、順次工事に着手する予定としており、工事の進捗に伴って、その一部を開放したいと考えております。また、複合公共施設の整備に着手するまでの間、その予定地につきましては暫定的に広場として活用する予定であります。このように、市民の公園、広場に対するニーズにも応えてまいりたいと考えております。 民間による新たな居住空間の創出を図る居住ゾーンにつきましては、多様なニーズへの対応や事業性の観点からマンション、戸建て住宅を中心に、一部地域や社会のニーズに合ったサービス機能の導入も図る複合開発によりまして、良好な町並みを形成したいと考えております。定住人口の増加対策が急務であることから、売却手続を平成30年度に実施する予定であり、コンペ方式により民間事業者を選定することで良好な開発を図りたいと考えております。 門司区のプロジェクトは、公共施設マネジメントの先導的な事例となることから、今後とも懇話会での議論や市民、議会の意見を踏まえながら、町の活性化に資するよう進めてまいりたいと考えております。以上でございます。 ○議長(井上秀作君) 総務局長。 ◎総務局長(小林一彦君) 働き方改革先進都市事業について3点御質問いただきました。一括して御答弁申し上げます。 働き方改革は、少子・高齢化に伴います生産年齢人口の減少を見据え、生産性の向上や働く人のそれぞれの事情に応じた多様な働き方を選択できる社会の実現を目指すものでございます。 まず、お尋ねの多様な働き方についての基本的な見解でございますが、多様な働き方とは、年齢や性別にかかわりなく全ての人が正規、非正規だけでなく、短時間勤務やテレワーク、フリーランスといった雇用形態や働く時間、場所など、働く人の事情や制約に応じて柔軟な選択ができることであり、その前提として、議員の御指摘にもございましたように、働く人が健康で安心して働き続けられる環境は大変重要であると考えてございます。 本市としても、女性や高齢者、若者など誰もが望む形で力を発揮できる、働きやすい環境をオール北九州でつくることが地方創生の観点からも重要と考えております。そのため、昨年8月には北九州イクボス同盟を設立しまして、商工会議所など関係団体と連携しながら、働く人の仕事と家庭生活の両立、生産性の向上や多様な働き方の推進に取り組んでいるところでございます。 働き方改革先進都市の目指すものでございますが、本市が目指す働き方改革では、育児や介護、病気の治療などで時間に制約のある人や高齢者などが、個々の事情に応じた働き方ができる、また、企業も市の有効求人倍率が1.70と過去最高が続く中、時間に制約のある人でも、意欲や能力を発揮できる環境を整えて人材の獲得につなげていただく。そして、人口が減少していく中で若い世代の育成にも取り組んでいく。このように多様な働き方が選択できる環境づくりや将来に向けた人材育成の取り組みを進め、働き方改革の先進都市を目指していきたいと考えてございます。 潜在能力の活用など、新しい働き方の創出についてですが、例えば子育て中の女性が、子供が幼稚園に行っている間の4時間だけ、又は高齢者が早朝に2時間だけ働くといった仕事をつくる、あるいは特定の資格や経験を必要としない業務を集約し、新たな仕事をつくるといったことを想定してございます。このようなノウハウを企業に知っていただき、求人を出していただくことによりまして、これまでは諦めていた潜在的な求職者にも就労の可能性がふえ、企業にとっても採用の選択肢が広がることにつながると考えております。 働き方改革につきましては、現在国会でも議論がなされているところでございますが、市としても将来を見据えてできることから着手しようと、今回の働き方改革先進都市事業を提案させていただいたものでございます。今後も試行錯誤しながら、働き方改革について本市としての取り組みを進めてまいります。以上でございます。 ○議長(井上秀作君) 教育長。 ◎教育長(垣迫裕俊君) 教育行政に関する幾つかの御質問にお答えいたします。 まず、新年度4月の欠員問題、そして、病休、産休、育休の代替教員の確保についてであります。 まず、教員の配置の状況でありますが、本年度の5月1日現在におきまして、小・中学校の教員定数は4,919名でありますけども、それに対して未配置が17名でございました。これにつきましては、教員の一定の資質、能力の確保という観点に重きを置いて採用を行ってきたこともあり、退職者に見合った十分な採用が困難であったこと、あるいは児童生徒数は減少傾向ではありますが、特別支援学級の増加などに伴う学級数の増加により教員定数が増加していること、それから、講師経験者が多く採用されている一方で、新規の講師希望者が少ないために、講師希望者の全体数が減少していることなどが要因と考えております。 欠員状態の解消は喫緊の課題と捉えておりまして、これまで定数内の教員と学校の課題に対応するための学校支援講師、旧の市費講師という名称でありましたが、これを並行して配置をしてまいりましたが、今後は定数内の教員を優先的に配置していきたいと考えております。 新年度におきましては、新規採用者数と再任用者数の増員数の合計が今年度末の退職者数を上回っており、正規教員の数自体は今年度よりふえる見込みであります。一方で、県内全体の正規採用がふえていることもあり、今年度講師として任用している講師の多くが採用試験に合格しております。そのため、講師経験者が減少する上に新卒者も多く採用されているために、新たに講師の登録を希望する者が5年前に比べると6割程度に減少しているなど、こういった状況もございます。 また、産休、育休の代替でありますが、ここ数年約200名の正規採用を行っているわけですが、このうち7割弱が女性であるということもありまして、今年度育児休業を取得した教員は約200名であります。5年前に比べると約2倍になっているという状況であります。こういったことも年々代替講師の配置が困難になっている背景と考えられます。 病気休暇の代替でありますが、期間が短かったり急な対応ということになりますので、人材がいても引き受けてもらえないといった実態もあり、結果として配置できないという状況があることも事実であります。 現時点では、来年度の教員定数が未確定である上に、講師の更新等についても意向を確認中でありますために、確定的な数字は申し上げられませんが、学校などを通じた退職者への働きかけ、あるいは大学を通じた学生への働きかけによる講師人材の掘り起こし等を引き続き行うなど、新年度に欠員が生じないよう全力で取り組んでまいりたいと思います。 また、来年度の採用試験の採用者数につきましては、大幅な増員について検討してまいりたいと思います。 次に、専科教員、部活指導員等の配置拡大でございます。 まず、専科教員につきましては、専科指導ということで積極的に推進しておりまして、実施の要綱を見直したり、あるいは再任用の短時間の教員を原則小学校高学年の専科指導に充てるなど、各小学校での専科指導に取り組みやすくなるように取り組んでおります。 専科の実施学校数でありますが、平成26年度は23校でありましたが、年々ふえまして、今年度は全小学校の約半数、65校まで拡充しております。また、今年度は専科指導の加配教員だけでなく、教務主任、再任用教員あるいは他の加配教員、学校支援講師などさまざまな教員が専科指導として約100名携わっておりまして、これは3年前に比べると約4倍となっております。 なお、専科指導の加配教員につきましては、来年度の小学校における英語教育のために新たに5名増員できております。 部活動指導員でありますが、昨年5月に15名配置したところでありますが、結果として振り返ってみますと、顧問教員の祝日、土日の在校時間が3割から5割削減されるという効果もあっておりますので、来年度は4名増の19人に拡充したいと考えております。これに加えまして、地域のスポーツ関連NPOへの部活動の指導を一部委託するという事業モデルを予定しております。 最後に、教職員の働き方改革の観点からの業務改善プログラムの成果と課題等でございます。 これまで教員の負担軽減に向けまして、校務支援システムの導入や人員の配置などに取り組んでまいりましたが、昨今の働き方改革の動きも踏まえて、具体的に業務改善を取り組むために、昨年3月に学校における業務改善プログラムを策定いたしました。今年度は周知期間でありますが、文科省の事業を活用したモデル事業として小学校2校、中学校2校、特別支援学校1校の計5校で取り組んでおります。 モデル事業では、まず、在校時間の長い教頭と学校事務職員との作業分担を見直し、また、学校事務職員の主な執務場所を事務室から職員室に移しております。更に、学校内の雰囲気づくりが重要という観点から、管理職や学校事務職員を対象とした研修も実施しております。更に、各モデル校におきましては、時間割りの見直し、あるいは校務分掌や行事内容の見直し、授業指導案の簡略化など、学校の状況に応じた取り組みを進めております。 結果として、在校時間につきましては、管理職では削減が見られましたけども、教諭については学校の状況により増減がございました。まだまだこれからという認識でありますけども、教頭からは学校経営に注力できるようになった、早く帰れるようになった、教員からは負担が減ったという声を聞くことができております。 来年度は、モデル校での一層の業務改善に取り組むとともに、教員を支援するという観点から幾つか事業を予定しておりまして、例えば資料印刷などを行うスクールサポートスタッフを40名新設します。小学校での英語教育充実のための日本人指導助手を1名から15名に増員します。それから、特別支援教育学習支援員の増員を19名から37名、それから、特別支援教育介助員を21名から26名、更にはスクールソーシャルワーカーやスクールカウンセラーの活動の拡充、こういったことを考えていきたいと思っております。 今後とも教職員の働き方改革につながるよう、学校における業務改善に全力で取り組んでまいりたいと思います。以上でございます。 ○議長(井上秀作君) 産業経済局長。 ◎産業経済局長(加茂野秀一君) 門司港レトロに関する残り3点の御質問にお答えします。 まず、レトロ観光まちづくりプランに関する御質問です。 このプランにおける進捗状況ですが、24事業が完了し、52事業が着手済みであり、全体の実施率としては94%となっております。その結果、プランの目標として掲げた観光消費額109億円に対して174億円と、65億円上回る成果となっております。 このように、目標としてきた到達点については一定の成果を上げておりますが、観光客の約7割が3時間未満の滞在であること、近年増加傾向にある外国人観光客の受け入れ環境の整備など、引き続き取り組むべき課題がございます。今後は、門司港レトロ地区の更なる磨き上げといたしまして、関門海峡ミュージアムの展示のリニューアル、主要な公共施設等へのライトアップ、地域でつくるコト消費の開拓などを更に進めていく予定としております。 本市としましては、レトロ地区に関係するさまざまな施策との連携や社会情勢を踏まえつつ、レトロ地区のみならず市全体の観光振興に寄与することができるよう、地元関係者などの意見を聞きながら、プランの改訂のあり方について検討してまいりたいと考えております。 次に、周遊電気バスについての御質問にお答えします。 観光振興に当たりましては、より多くの方々が観光地を回遊し、その魅力を満喫して消費することが重要であり、回遊性を支える二次交通の充実は必要であると考えております。そこで、門司港レトロ中心地区と和布刈地区の回遊性向上のため、平成21年度から観光列車潮風号を運行しており、年間約10万人が利用しているところでございます。 一方、下関も含めたエリアの回遊性向上を図るため、観光列車、サンデンバス、関門汽船を乗り継いで海峡を周遊できる関門海峡クローバーきっぷを発売しており、販売状況は好調で、毎年利用者数は増加しております。更に、平成28年度からは本市及び下関市の宿泊者限定で関門エリアを周遊し、夜間景観を楽しむことができるバスを運行しており、民間運営の可能性を検証しているところでございます。 議員御提案のJR門司港駅を基点とした周遊電気バスの運行につきましては、環境に優しい魅力的な乗り物として、門司港レトロ地区内の回遊性向上につながるものであると認識しております。しかしながら、運行に当たりましては、採算性の確保などの課題もあることから、まずは既存の観光列車や周遊バスなどの利用状況を見ながら、観光客の滞在の長時間化につなげてまいりたいと考えております。 最後に、地元住民向けのレトロツアー企画についてお答えいたします。 近年、観光旅行は国内外を問わず、物見遊山的な観光から体験型、交流型の要素を取り入れた観光に注目が集まっており、その中でも多くの観光地が、その地域に存在する地域の文化や資源を積極的に歩いて、じっくりと町を楽しむことができる町歩きツアーを実施しております。 門司港レトロ地区におきましても、地元のまちづくり団体が主催のエリアの魅力を紹介する町歩きツアーが定期的に開催されております。このツアーでは、地元にかかわりの深い市民が案内人として門司港レトロの基礎を学ぶコース、関門海峡の日本遺産を学ぶコース、門司港の料亭文化と路地裏を学ぶコースなどを用意して、さまざまな視点から門司港の魅力を紹介しております。 今後は、門司港固有の隠れた魅力資源を活用して、観光客だけでなく地元住民にもそのよさを体験できる町歩きが開催されるよう、関係者と検討してまいりたいと考えております。以上でございます。 ○議長(井上秀作君) 44番 福島議員。 ◆44番(福島司君) 御答弁ありがとうございました。時間がありませんので、絞ってお伺いさせていただきたいと思います。 まず、教育行政からお伺いします。 先ほどの答弁にもありましたし、昨日我が会派の世良代表の代表質疑でも答弁いただいていますが、教員の確保について、来年度教員採用を大幅にふやす予定と考えていると見解が出されました。その中で、具体的にどの程度ふやしたいというか、ふやすというか、わかりましたら教えてください。 ○議長(井上秀作君) 教育長。 ◎教育長(垣迫裕俊君) いろいろ今検討しているところではありますが、ここ数年は毎年200人前後という形で推移しておりますが、できれば来年度の採用試験におきましては300人以上採用できればと思っております。以上でございます。 ○議長(井上秀作君) 44番 福島議員。 ◆44番(福島司君) ありがとうございます。今回具体的に、まずは来年度4月からの欠員がないようにと、それと代替教員あるいは専科教員等のいずれにしても教職員の負担軽減、働き方改革も含めて、基本的にはやはりマンパワーが一番大切と、そういう意味では教育委員会としてもこの間、いろんな課題に対して人もふやし努力されているということは十分理解もし、感謝をしています。 また、今の御答弁にありますように、来年度は300人以上を目指すと、そういう意味ではぜひ、当然採用する側としては教職員の質の問題もあろうかと思います。しかし、まずはそういった欠員が出ないように、そしてまた、教員を採用した中で現場で育てる、そういう視点も持っていただいて、ぜひこの教職員の多忙化解消、あるいは働き方改革、こうしたものをぜひ、文科省も出していますけども、やっぱり時間を早く、当然財政的な問題もあると思いますが、ぜひこれからもスピード感を持って対応していただければとお願いいたします。 それから、門司港レトロの関係については、特に和布刈地区については市長から答弁いただきました。今後力を入れて、当然いろんな投資もされると。ただ、これからということで、具体的なものがなかなか、それと局長からも答弁がありました。私はやっぱり、きょう答弁出ませんでしたけども、清滝地区、ここもセットでやっぱり広げていくことも門司港レトロ全体の発展に、活性化につながるんではないかということで思っていますので、ぜひその視点は持っていただければと思います。 時間がないんで、あと働き方改革先進都市、局長から答弁いただきました。私もやっぱり働き方改革は本市にとっても重要課題と考えています。特に、少子・高齢化が進む中で、労働力の確保という観点からもやっぱり女性あるいは高齢者、障害者あるいは外国人など、誰もが多様な働き方を保障される社会環境をつくることは大切と考えています。しかし、同時にさっき答弁もありましたが、働く人たちが健康で安心して働き続けられる、やっぱりこの労働環境をつくることが大切と。これまでも私自身もいわゆる公契約条例の制定も求めてきました。私の願いは、働き方改革いろんな捉え方あると思いますが、働く人にとっても産業界、企業にとっても働くなら北九州市、企業立地なら北九州市、そう思える、そうした町に、そのための働き方改革にしていただきたいと思います。ぜひそういうことで今後進めていただければと思います。 あとSDGsの関係についても、私はこれから少子・高齢、人口減少社会を迎える北九州市にとっての目標になり得るものと考えています。そしてまた、この間北九州市はこのSDGsの例えば水の問題、環境の問題、先進都市だと思っています。そういう意味では、海外に対する先ほど市長が答弁あった取り組みも含めて、やはり市民に向かって当然啓発されていくということですが、SDGsの目的は、ただ行政だけが進めるんではなくて、企業、NPO、市民含めた、そうした利害関係者全体がそれぞれの課題を見つけ、目標に向かって進むと、そういう意味では本当に私自身はこのSDGsが今後の未来にとっての大きな指標であると思います。 そういう意味では、これをぜひ積極的に本市として、各自治体の先駆けとして取り組んでいただくことをお願いして、時間も参りましたので、終わらせていただきます。
    ○議長(井上秀作君) 進行いたします。16番 西田議員。 ◆16番(西田一君) 皆さんおはようございます。自由民主党・無所属の会の西田一でございます。会派を代表して一般質疑を行わせていただきます。 まず初めに、官民データ活用推進基本計画についてお尋ねいたします。 急速な少子・高齢化に対応するために、国において一昨年、官民データ活用推進基本法、以下基本法といいます、が制定されました。ここで、この法律の趣旨について少し御説明申し上げます。 官民データの官とは行政のことです。そして、民とは民間のことです。例えば、北九州市、つまり行政は、人口減少という大きな課題を抱えているとはいえ、政令市、つまり大都市です。行政権限は多岐にわたり、それぞれの部署は膨大なデータを保有しています。一方、民間企業においても、それぞれの業種が分野別に、やはり膨大なデータを保有しています。個人情報に細心の注意を払った上で、これら官と民のデータをオープンにして活用し、市民生活の安心・安全又は利便性を向上させ、更にはビジネスチャンスにつなげようというのがこの基本法の趣旨です。 1つ例を挙げます。救命の際に用いる自動体外式除細動器、いわゆるAEDです。行政は、行政が設置したAEDの設置箇所について、当然のことながらマッピングをすることができます。つまり、AEDに関するデータをオープンにするというオープンデータです。一方、民間の施設でも、例えばAEDを設置している病院や福祉施設など設置情報、つまりデータをオープンにしてもらえば、同じようにマッピングが可能になります。行政のマップと民間のマップを重ね合わせることができれば、現在地から最も近くにあるAEDの設置箇所が把握できます。 更に、全てのAEDをあらゆるものをインターネットでつなぐIoTの状態にしておけば、マップ上のAEDをタップすると、そのAEDから音を出させることもできます。すると、今から施設内のAEDを誰かがとりに来るということを施設内部の方に知らせることができ、実際に使用するまでの時間を短縮することもできます。このように官と民のデータをオープンにして活用すれば、市民の安全性や利便性を向上させることができます。 北九州市議会においても昨年12月議会において、議員提出による官民データ活用推進基本条例を制定しました。条例の中身についてここでは詳しく申しませんが、少子・高齢化が進む本市において、官民データを活用して課題解決に取り組んでいく意思を明確にさせていただいています。今後、北九州市は、我々議会がつくったこの条例に基づき、官民データ活用推進計画を策定することになります。執行部の皆様には、ぜひとも議員提出の条例であることを重く受けとめていただいて、市民の代表である議会の声を最大限に反映していただきたいと思います。 そこで、お尋ねします。 まず、どのようにして課題を抽出して、解決のための計画を立てるのか伺います。 次に、国が推奨するオープンデータセットに関して、どのように加工させて北九州市独自の利便性を向上させるのか、お尋ねします。 次に、行財政改革の観点から、データ活用によるペーパーレス化をどのように進めるのか伺います。 次に、連携中枢都市圏の自治体間でのオープンデータ活用について、どのように進めるのか伺います。 済みません。ちょっと風邪を引いてお聞き苦しいと思いますが、申しわけございません。 次に、学級担任の身分についてお尋ねいたします。 質疑に当たって、まず、昨年の9月議会の決算特別委員会において、私が教育委員会に対して指摘した内容を御紹介します。市の正規教員ではなく、いわゆる非正規の講師の身分で担任を受け持っている教員が存在しますが、これは政府が政策の最重要課題として推し進める、同一労働同一賃金の原則と相入れないのではないかということでした。安倍政権、今回の国会でも大変苦労しておりますが、やはり変わらずこの同一労働同一賃金を大きな柱にして国会に臨んでいると思っております。 実際、教員の年齢が上がるほど、給与面での正規教員と非正規である講師との格差は開いていきます。30歳の平均だと、正規教員が年間約510万円、講師が年間約440万円、40歳の平均だと、正規教員が年間約665万円、講師が年間約485万円、学級担任は、御承知のとおり授業以外にもクラス運営の庶務、個別の進路指導、生徒指導、保護者の対応など、その負担や責任は相当大きいと考えます。 報道等でも、教員の負担がたびたび取り沙汰されており、将来的には、なり手不足の懸念さえ生じてきます。例えば、平成29年度の本市職員の上級採用試験の受験倍率は、一般行政職員の場合9.2倍ですが、教員になると全体で3.4倍となっております。一方で、北九州市だけでなく全国的に少子化という課題も抱えます。きょう現在、未就学児童の出生数を見ると、本市の少子化は確定しています。今、正規教員を必要以上に採用すると、近い将来、正規教員が余ってしまいます。財政状況が非常に厳しい本市にとって、これは憂慮すべき事態です。 また、講師の身分で担任を受け持つことは、将来的に正規採用を目指している人にとって、実践経験を積むという意味で意義深いという側面もあるということをつけ加えさせていただきます。このような状況ですので、正規教員の採用人数については、極めて慎重になっている教育委員会の苦悩に一定の理解をさせていただき、質疑をさせていただいております。 そこで、お尋ねします。 まず、そもそもなぜ非正規である講師が担任を受け持つようになっているのか教えてください。 次に、改めて我々自民党としては、同一労働同一賃金という、政府の重要な政策課題を踏まえた上で、給与面で待遇の異なる教員が同一労働を行っているという現状に対する教育委員会の見解を伺います。 次に、仮に現況を改善するのであれば、長期間にわたって講師として担任をしてきた教員に一定の配慮をすべきと考えますが、見解を伺います。 次に、保育士のキャリアアップ研修についてお尋ねします。 近年、子供や子育て家庭を取り巻く環境は目まぐるしく変化しています。このため保育施設に求められる役割も多様化、複雑化しております。このような状況の中で、子育て現場の最前線で奮闘してくれている保育士の皆さんには、地域における子育て支援を初めとする幅広い専門性を生かした役割が一層求められています。 また、保育現場においては施設長、主任保育士などがいらっしゃいますが、ほかにもそれぞれの現場、例えば担任の先生であるとか、そういったところにおけるリーダー的職員の育成も重要であります。そのために、初任のときから中堅までの職員は、職務内容に応じた専門性を向上させることが重要になっており、各保育施設においては、職員のキャリアパスを見据えた役職の整備が求められます。 そのような中、国においてはニッポン一億総活躍プランを踏まえ、平成29年度より、指定された研修を修了して技能、経験を積んだ職員に対する処遇改善のための月額4万円などの加算制度が創設され、保育現場におけるリーダー的職員等に対する研修内容や研修の実施方法について、保育士等キャリアアップ研修ガイドラインが打ち出されました。 都道府県は、このガイドラインの基準を満たした研修を適切に実施できるものと認める場合に、研修実施機関の指定を行うこととされており、福岡県では福岡県保育士等キャリアアップ研修実施機関指定等要綱を定め、現在保育に関する専門知識や実務経験を有する委員で構成する福岡県保育士等キャリアアップ研修テキスト検討委員会において、研修実施機関の指定等についての検討が行われていると聞いています。また、平成30年4月改定の保育所保育指針においても、各保育施設に対し体系的な研修計画作成が求められています。 北九州市においては、この保育士等に係る処遇改善のための加算制度が創設されたことや保育所保育指針の改定を踏まえ、従来から実施している社会福祉研修所における研修を充実させることで、保育士の研修参加がスムーズに行えるような体制の構築に取り組み、研修実施機関として福岡県の指定を受けるべく、現在申請を行っていると伺っております。 そこで、研修対象者が多数に上る現状等に鑑み、福岡県に対して政令指定都市への研修実施に係る権限移譲を求めるべきと考えますが、見解を伺います。 また、これまでの本市の長年にわたる質の高い研修は、保育士等キャリアアップ研修ガイドラインに沿っているものと考えられ、過去の研修についても認められるべきものであると考えますが、あわせて見解を伺います。 次に、住むなら北九州定住・移住推進事業についてお尋ねします。 残念ながら、北九州市においては急激な人口減少が大きな課題となっています。直近の国勢調査によると、平成27年の人口は96万1,286人で、前回調査に比べて1万5,560人の減少となっており、全国の自治体で人口減少数は最多となっています。人口減少に歯どめをかけるべく、本市は平成27年度から本格的に定住・移住促進事業に乗り出しました。平成30年度予算案においても、各局にさまざまな定住・移住に関する事業が盛り込まれています。 その中に、建築都市局所管の事業として、住むなら北九州定住・移住推進事業があります。その事業において、町なかに移住すれば家賃に補助金を出すという事業があります。つまり、市外から市内の町なかに移住すれば家賃の補助をするというのです。北九州市に移住・定住してくれる方には十人十色の背景や理由があるでしょう。高齢になった親御さんのお世話をするため、あるいは都会での生活に限界を感じたため、またあるいは、物価が安く子育てしやすいため。 例えばこんな理由はどうでしょうか。北九州市はほどよく都会、例えば私の地元では豊かな田園地帯が広がり、農家の皆さんが地元産の農産物を一生懸命つくってくれています。しかし、後継者不足などで生産量は思うように伸びません。都会から若い世帯が本市に移住してくれて、そこに点在する空き家に住んでくれて、なおかつ農業に従事してくれる。このような場合、農業の後継者不足、空き家問題、地域の活性化などが一度に解決される要素がそろっています。しかし、本市のこの制度の場合、この若い世帯に家賃の補助金は出ないのです。 そこで、お尋ねします。 まず、この事業で言うところの町なかとはどのような地域を言うのでしょうか。 次に、先ほど例示したような人口減少、高齢化に伴う地域の担い手不足、空き家の増加などに悩む、そういう地域にもこのような補助を出すべきだと考えますが、見解を伺います。 最後、北九州マラソンのランナーの仮装についてお尋ねいたします。 先般2月18日の日曜日、ことしは市制55周年の記念大会でもある北九州マラソン2018が開催されました。今回は特に天候にも恵まれ、北九州市内外から1万2,000人を超えるたくさんのランナーが、我がふるさと北九州のすばらしい景観を楽しみつつ、あるいは自分の限界と戦いながら、それぞれの思いを胸にゴールを目指しました。 私もフルマラソンに参加させていただきました。ちなみに自己ベストを達成することができました。私が走る最大の目的は、私個人レベルで意識して健康寿命を延ばすことで、高齢化という課題を解決することができることを市民に対して身をもってPRすることです。毎回のことですが、大会を支えてくださるボランティアの皆様、沿道から熱い声援を送ってくださる皆様、大会運営を支援してくださるスポンサーの皆様を初め、大会の関係の皆様に心から感謝申し上げます。ありがとうございます。皆様のサポートがこの大会の全国的な評価を高めてくれています。本当にありがとうございます。 実は、あまたのランナーの中に、間違いなく大会を盛り上げてくれているありがたい一部のランナーがいらっしゃいます。それは、さまざまなキャラクターに仮装しているランナーの皆様です。彼らは、間違いなく沿道やテレビで応援してくださっている多くの市民を喜ばせてくれています。私が走っていても、私のすぐそばに例えばミッキーマウス頑張れなど、沿道からはアニメのキャラクターなどに仮装したランナーに対して熱い声援が飛んでいます。 今回、私の友人は宇宙戦艦ヤマトに登場する沖田艦長に仮装して出走し、完走しました。その友人の彼は、仲間数人と松本零士先生のキャラクターに仮装して参加してくれました。宇宙戦艦ヤマトからは古代進、沖田艦長、アナライザー、銀河鉄道999からは星野鉄郎、メーテル、車掌、そして、キャプテンハーロック、どれも私にとって懐かしの愛すべきキャラクターで、スタート前にたまたま彼らが集合写真を撮っているところを見て、うれしくなりました。 彼らは、大仕掛けでかさばるような仮装ではなく、周囲のランナーに迷惑をかけているとは思えません。まして、参加費1万円を払った上で、あえて普通のランナーの服装よりも走りにくい格好をして、大会を盛り上げてくれているわけです。実際に走ってみて、これはさすがにどうなのかなと思えるような、周囲に迷惑をかけるような仮装ランナーは、ほとんどいなかったと思います。にもかかわらず、今回の大会要項には仮装に関してかなり厳しい注意書きが随所にありました。 そこで、お尋ねします。 まず、これまでに比べて、今回の大会では仮装ランナーに対して相当踏み込んだ厳しい注意などがありましたが、過去にどのような不都合があったのか教えてください。 次に、彼らのような仮装ランナーは、間違いなく大会に花を添えて、市民を楽しませてくれていると思いますが、見解を伺います。 以上で私の第1質疑を終わります。ありがとうございました。 ○議長(井上秀作君) 市長。 ◎市長(北橋健治君) 西田議員の御質問にお答えいたします。 まず、官民データの活用であります。 課題をどのように抽出し、計画を立てるかということであります。 官民データ活用の推進は新たなビジネス、イノベーションの創出、行政サービスの改革のために、行政機関、民間事業者などが保有するデータを、情報通信技術によって最大限に活用していく取り組みであります。国では、官民データ活用推進基本法が制定され、昨年5月に施策の総合的かつ効果的な推進を図るため、世界最先端IT国家創造宣言と統合する形で基本計画が閣議決定されております。重要な政策として位置づけられているわけであります。 本市では、官民データ活用推進基本条例において推進計画の策定とともに、民間も含めた推進体制の整備などを行うことにしております。これを受けて、速やかに推進体制を整備するため、2月1日、市長が本部長を務めるIT推進本部会議を開催しました。この会議で副市長を部会長に、関係局長で構成する官民データ活用推進部会を設置しております。全庁一丸となって推進計画の策定を進め、計画を実行していくよう指示したところであります。 課題の抽出に当たりましては、法や基本計画が対象とする分野が多岐にわたっていることから、分野ごとに現状の課題を洗い出し、本市でのデータ利活用に関する将来像をつくり上げた上で、現状とのギャップを把握していくことが必要であります。このため、庁内の現状把握に加えまして、先進事例や民間ニーズの把握も重要であります。具体的には、保有データや各種行政手続の棚卸しなど全庁的な調査の実施であります。また、民間有識者や地場企業などの計画策定への参画であります。こうしたことにより幅広く情報を収集し、課題の抽出につなげていきたいと考えております。 抽出した課題を速やかに解決していくため、推進計画は国も推奨しております、スモールスタートで取り組んでまいります。まずは、本市の特性や実情に合わせ、実現可能性の高い施策に絞り込み、計画の実施と並行して継続的に必要な施策を追加、充実させてまいります。いずれにしても、個別施策ごとに達成指標を明確にし、定期的に達成状況を評価しながら、行政課題の解決を目指し、実効性の高い推進計画にしてまいりたいと考えております。 次に、国の推奨しておりますオープンデータセットの加工、市独自の利便性の向上策、連携中枢都市圏での活用について御質問がございました。 オープンデータとは行政機関、民間企業などが保有するデータを、誰もがインターネットなどを通じて容易に入手できるよう、機械判読に適した形式で二次利用可能なルールで公開されたデータであります。本市では、平成27年からオープンデータの公開を始め、現在219のデータセットを公開しております。 国が推奨するオープンデータセットは、オープンデータの公開とその利活用を促進するため、昨年12月国が公表したものであります。国の推奨データセットは現時点で14ありますが、本市ではそのうち、指定緊急避難場所一覧や公共施設一覧など5つのデータセットについて、既にオープンデータとして公開しているところです。現時点で未対応のデータセットについても、データ所管部署と連携しながら、オープンデータとして公開できるよう取り組んでまいります。 一方で、オープンデータを単に公開するだけでは、直接市民の利便性向上にはつながりません。そこで、民間企業などがオープンデータをより利活用しやすい環境の調査、研究、検証や国が推奨するデータセットを活用した地域課題の解決手法などを官民でともに考えていくイベント、いわゆるアイデアソンの実施であります。このように関係機関とも連携して、本市独自のサービス提供につながるよう取り組んでまいります。 他都市の連携であります。オープンデータに関する都市間連携については、平成28年、福岡市、久留米市との3市で共通したデータ形式でのオープンデータの公開や、福岡市と公開サイトの共同利用を開始するなど、他都市と連携した取り組みを開始しております。また、福岡県、福岡市、久留米市などとともに九州オープンデータ推進会議を立ち上げ、共同利用団体の拡大など積極的な活動を行っております。 自治体間でデータ形式を共通にして公開することなどができますと、一層民間企業のビジネスチャンスの拡大や住民の利便性向上が期待できます。このことから、こうした取り組みを連携中枢都市圏の各自治体にも呼びかけたいと考えております。また、オープンデータとしての活用に加え、行政内部データの情報共有などについてもあわせて検討してまいります。 次に、保育士のキャリアアップ研修について御質問がございました。 本市では、全国に先駆け保育士などを対象とした専門の研修所であります社会福祉研修所を設置し、階層別研修や専門研修など多分野にわたる研修を体系的に実施し、保育士などの資質や能力の向上を図っております。また、保育士などが研修を受講するに当たって、本市独自に研修代替職員を雇用する際の費用を補助するなど、研修を受けやすい環境づくりに取り組んでおります。 一方、保育の質の向上を担う保育士などの処遇に関し、今年度より技能、経験を積んだ職員に対する処遇改善のための加算が創設され、今後当該加算の要件に研修の受講が課されることとなり、その研修内容や実施方法などについて、厚生労働省から保育士等キャリアアップ研修ガイドラインが示されました。このガイドラインでは、保育士などキャリアアップ研修の実施主体は、都道府県又は都道府県知事が指定した研修実施機関と定められており、都道府県はガイドラインの基準を満たした研修を適切に実施できるものと認める場合に、研修実施機関の指定を行うこととされております。 本市において既に実施している研修は、このガイドラインに定める基準をおおむね満たしていると考えております。本年1月、福岡県に対しこの指定に係る申請を行いました。申請に当たりましては、ガイドラインに沿った研修時間数の設定や受講定員の拡大、また、保健衛生・安全対策研修などの新設を行った上で、ガイドラインに定める8分野全ての指定申請を行っております。 また、過去の研修については、社会福祉研修所において名簿や研修内容等の受講記録をしっかりと管理しております。ガイドラインに沿った乳児保育、障害児保育など4分野の平成20年度から今年度実施分までの研修について、県に対しキャリアアップ研修として認められるよう、あわせて申請を行っているところです。 なお、県から本市への研修実施に係る権限移譲については、国のガイドラインに定めがないことからできないと言われておりますが、研修実施機関として指定されれば、処遇改善に係る要件を満たすための研修が主体的に実施できるものと考えます。引き続き、本市の保育士等の研修機会の充実を図り、研修を受けやすい環境づくりに努めてまいります。 残余の質問は、関係局長からお答えさせていただきます。 ○議長(井上秀作君) 総務局長。 ◎総務局長(小林一彦君) 官民データ活用推進基本計画についての質問のうち、ペーパーレス化をどのように進めるのかという御質問にお答え申し上げます。 官民データの活用範囲は多岐にわたりますが、ペーパーレス化につながる顕著な事例といたしましては、手続のオンライン化、いわゆる電子申請が上げられます。本市の電子申請は平成28年度で138の手続で利用されておりまして、代表的な手続としましては、図書館の図書貸出予約、スポーツ施設利用申請、市職員採用試験などがございます。 しかしながら、正確には棚卸しをしてみないとわかりませんが、電子申請に未対応の手続がまだまだ多数あると考えてございます。官民データの観点からも一層の利用促進が必要であります。 一方で、行政手続の中には本人確認が必要であったり、窓口での詳細説明が必要であったりと、対面での対応が適している手続もございます。導入拡大に当たりましては、こうした各手続の特性を十分に踏まえまして、適切に進めてまいりたいと考えてございます。 電子申請の導入に限らず、ペーパーレス化は行財政改革の観点から、徹底した業務プロセスの見直しを実施した結果として実現できるものと考えてございます。今後は、こういった課題を整理しつつ、電子申請にとどまらず、広くペーパーレス化について行財政改革の取り組みと一体となった推進計画となるよう、関係部署と連携して施策を検討してまいりたいと考えてございます。以上でございます。 ○議長(井上秀作君) 教育長。 ◎教育長(垣迫裕俊君) 学校におきまして講師が学級担任を受け持っていること、そして、そういう講師への配慮という点での御質問でございます。お答えいたします。 改めまして、講師とは任用期間に定めがあり、臨時的に任用されている非正規教員でありまして、本市においても多くの講師が学級担任を受け持っていることは確かでございます。非正規教員、いわゆる講師が多くなった背景でありますが、福岡県におきましては、平成19年に策定されました福岡県行政改革大綱におきまして、平成19年度から平成23年度までの5年間で職員数を約2,500人、4.7%削減するとしておりまして、そのうち教育委員会で約1,550人、4.8%削減すると、こういった経緯がございます。 本市におきましても、県の行政改革期間に当たります平成19年度から平成23年度までの5年間は、退職者数が採用者数を大きく上回っていると、採用者数は逆に大きく退職者数よりも下回っていると、こういった状況でございまして、本年度からの権限移譲前に、県による採用調整の影響を受けたことがまず要因として考えております。 一方で、この数年間は採用試験の倍率の低下から、教員の一定の質を確保するという観点から、大量採用に慎重にならざるを得なかったことも事実であります。これらの経緯により正規教員の採用が抑えられた結果、多くの講師が任用され、担任を持たざるを得ない状況となっております。 講師は、教務主任や学年主任などに充てられないといった、正規教員とは校務分掌における違いはあるわけでありますが、ただ担任を持つ場合は、ほぼ正規教員と同じ校務を行っております。しかしながら、講師は正規教員とは異なる任用形態であるということから、給与体系が異なっているわけであります。 講師の中には、臨時的任用という働き方を希望する優秀な講師も一定数はいるわけでありますが、学級担任ということを考えますと、やはり正規教員を充てることが望ましいと考えております。その上で、来年度実施の教員採用試験における採用予定者数につきましては、今年度より大幅に増員することを検討しております。 講師への一定の配慮という点でありますが、まず、研修につきましては法定の初任者研修などを除きまして、正規教員と同様に授業づくりや生徒指導などの研修を受けられるようにしておりまして、講師指導員による巡回指導などの取り組みも充実させてきてまいりましたが、更なる充実を図ってまいりたいと思います。 また、正規教員を希望し、本市の教員採用試験を受験する講師につきましては、本市で講師としての一定の経験があれば、教職経験者特別選考での受験が可能であります。その場合に、1次試験の一部を免除しております。この一定の経験でありますが、これまでは過去10年間のうち講師経験3年間以上という条件でありましたが、それを過去5年間のうち講師経験1年間以上に緩和、こういう制度見直しを行っているところであります。 また、採用試験では授業実践力の重視という観点から、模擬授業や実技試験などを実施しておりまして、これまでの講師経験を十分に生かしていただきたいと考えております。今後、講師の処遇面で更にどのような改善ができるかについては、他都市の状況等も見ながら研究してまいりたいと思います。以上でございます。 ○議長(井上秀作君) 建築都市局長。 ◎建築都市局長(柴田卓典君) 住むなら北九州定住・移住推進事業について2点御質問いただきました。まとめてお答えさせていただきます。 本市では平成27年10月に、北九州市まち・ひと・しごと創生総合戦略を策定し、女性と若者の定着などにより社会動態をプラスにしていき、地方創生の成功モデル都市を目指すため、オール北九州で地方創生の推進を図っているところです。 一方、急速な人口減少、超高齢化の状況においても持続可能な都市経営を確保するため、平成28年9月に都市のコンパクト化を図る立地適正化計画を策定したところです。その中で、都市機能誘導区域及び居住誘導区域を定め、都市全体の観点からまちづくりにかかわる分野が連携して施策を総合的に展開することとしております。居住誘導区域においては、インセンティブを講じながら時間をかけて緩やかに居住を誘導し、人口減少の中にあっても一定のエリアにおいて人口密度を維持することにより、生活サービスやコミュニティーを持続的に確保していくこととしています。 そこで、今年度創設した住むなら北九州定住・移住推進事業では、市外からの転入者を居住誘導区域内に誘導するため、対象とする町なかについては、居住誘導区域を含む地域と定めているところです。 一方で、地域の特色に応じたコミュニティーの維持向上や、空き家などの既存ストックの有効活用も重要な課題と認識しております。そこで、市内全域を対象に、平成26年度から空き家バンク制度により、市内外の方へ空き家の情報提供を行っております。更に、平成30年度予算に計上しております住まいの安全安心・流通促進事業については、既存住宅を購入又は賃借してリフォーム工事を行う場合に、費用の一部を補助する制度を創設する予定です。 今後とも本市の町なかへの緩やかな居住の誘導を図るとともに、関係部局と連携し、地域活力の維持向上などに取り組んでまいりたいと考えています。以上でございます。 ○議長(井上秀作君) 市民文化スポーツ局長。 ◎市民文化スポーツ局長(田島裕美君) 北九州マラソンのランナーの仮装について2点お尋ねがありましたので、あわせてお答えいたします。 北九州マラソンは競技性の高いエリートレースとは違いまして、市民マラソンであるところから、より速いタイムを狙うばかりではありませんで、沿道の景色や給食サービスあるいは仮装を楽しむなど、ランナーの目的はさまざまでございます。仮装ランナーと沿道応援者との触れ合いが大会の盛り上げに一役買ってはおります。 しかしながら、一方でマントをたなびかせたり、自分自身の体から大きくはみ出させた装飾を施したりと、ほかのランナーの迷惑になるような仮装の例も過去報告されておりました。幸い、これまでランナーの仮装が原因となった大きな事故などは発生しておりませんが、警察や医療機関などからは、過度な仮装に対しましては容易に本人確認ができないこと、また、万一のときに顔色の判断や速やかな救命活動を妨げるおそれがあるといった、安全面を危惧する指摘があっておりました。 そこで、5回目となる今回の大会を、より安全・安心で、全ての人にとって気持ちのよい大会にするために、テロ防止の観点から本人確認を妨げない服装、また、万一のときの救急救命活動に支障を来さない服装、ほかのランナーや観衆に迷惑をかけたり不快にさせたりしない服装、こういった点を徹底する呼びかけを参加者に対して行ったところでございます。その結果、多くのランナーの御協力のもとに、これまで以上に安全、快適に大会を開催することができたものと考えております。 我々といたしましては、市民マラソンである以上、多くのランナーの方に自分なりの目的や楽しみを持って御参加していただきたいと思っております。仮装についても御自身の安全を脅かしたり、周りの方々に迷惑をかけたりしない範囲では、大いに楽しんでもらいたいと考えております。 今回のランナーの服装に対する取り組み結果はしっかりと検証いたしまして、他都市の事例も参考にしながら、今後ともランナーや応援の皆様に御満足いただける大会となるように努めてまいりたいと考えております。以上でございます。 ○議長(井上秀作君) 16番 西田議員。 ◆16番(西田一君) まず、学級担任の身分についてから第2質問させていただきたいと思います。 今回、ほかの議員の方からも教員の働き方、身分について質問がありまして、教育長からかなり踏み込んだ積極的な御答弁をいただいていると思います。先ほどの答弁の中でも、優秀な講師はいらっしゃいますが、学級担任については正規教員を充てることが望ましい、その際採用予定者の大幅な増員について検討しているという非常に前向きな答弁をいただきました。ありがとうございます。 やはり我々政権与党に属する自民党としては、働き方改革、同一労働同一賃金というのは政府が一丁目一番地で進めている政策でございますので、ぜひ整合性をつけていただきたいなと思います。したがって、来年度実施の教員採用試験では、採用者を大幅にふやして正規教員の割合を高めていただくことを強く要望させていただきます。 また、講師の先生に対しての研修や採用試験の見直しなど、大変御配慮いただいていることも御答弁いただきました。ぜひ講師の給与体系を初め処遇面の改善についても引き続き御検討いただきたいなと、これもあわせて要望させていただきます。 そこで、先ほどなぜ講師が担任を務めているかということで、福岡県の行革大綱の影響である、要は県による採用調整であるという御答弁をいただきました。県費職員から権限移譲を受けまして、教員についても市費ということになっております。そういう意味では財政的な柔軟性もあるのかなと思っております。先ほど来、教育長から非常に積極的な前向きな御答弁をいただいています。ぜひ財政局長、これだけ御答弁いただいていますんで、余り厳しいことを言わないように、ひとつちょっと御見解をいただけたらと思います。 ○議長(井上秀作君) 財政局長。 ◎財政局長(田中雄章君) 特に教員の処遇、それから、人員、そういった面に関しましても、日常的に当然ながら教育委員会とは議論を行っているわけであります。この議会で各党、各会派の先生方からいろんな御指摘をいただいているのも、私もしっかりと当然ながら伺っております。 その中で、特に今議論になっておりますこの人員の関係につきましては、さまざまな御指摘がある中で日々議論しているわけですけれども、子供たちの教育環境をどう整えていくか、これは非常に重要な課題でありますので、今教育長がいろいろお答えをされているわけでありますが、当然ながらそれは市の教育委員会としてのお答えでありまして、予算編成を担当している立場からもしっかり調製させていただきたいと思いますし、引き続きよく教育委員会と議論をしてお話を伺いながら、予算編成に取り組んでまいりたいと考えております。以上でございます。 ○議長(井上秀作君) 16番 西田議員。 ◆16番(西田一君) 教育長、財政局長からも前向きな御答弁いただきましたので、ぜひ積極的に議論をしていただきたいと思います。よろしくお願いします。 次に、保育所、保育士のキャリアアップ研修については、市長じきじきの御答弁をいただきました。県が進めるキャリアアップ研修に対して、市で今やっていることがおおむね条件を満たしているということで、まずは研修所を認めてくださいという申請をしているということで、一日も早くその答えがいい答えが来るのをまずは待っております。 ここで1つ質問させていただきたいと思います。先ほどちょっと私聞き漏らしたのかもしれませんが、中堅職員の方々とかはその保育研修所で、福祉研修所でかなりの研修を積まれてきていると思います。過去にさかのぼって、ぜひ皆さんが受けられた研修を認めていただきたいと。そうすると、また無駄も省くことになりますし、中堅の職員の皆さんが職場からいなくなるという、そういったしわ寄せもなくなるのかなと思っております。 過去にさかのぼって認められる感触みたいな、そういうのは局長どうお考えでしょうか。 ○議長(井上秀作君) 子ども家庭局長。 ◎子ども家庭局長(江副春之君) 先ほど市長から御答弁申し上げたとおり、平成20年度から今年度分までの研修について認めていただくように、今、県に申請をしっかりと行っているところでございます。当然、単に申請しただけではなくて、県ともいろいろと協議をしながら、今回国が示したガイドラインに沿う研修であると認められるように協議を行いながら、今回申請を行っております。まだ正式にオーケーという返事をいただいておりませんので、今大丈夫ですということは言えないんですけども、そういうふうにしっかりと協議を行いながら申請を行っているということで、御理解いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 ○議長(井上秀作君) 16番 西田議員。 ◆16番(西田一君) ぜひ福岡県に対しては粘り強い交渉をしていただきたいと思います。北九州は政令市ですので、国のガイドラインに沿ってはいないということではありますが、やはり最終的には研修の権限そのものも本市のほうにいただきたいなと思っておりますので、これは国会議員の先生方にもまたお願いしないといけないことなのかなと思います。 それから、住むなら北九州定住・移住推進事業について、先ほど局長から御答弁いただきました。ちょっと疑問が生じたので、これは聞かせてください。特に若い世代に市外からまず移住してもらうことが優先事項なのか、それとも居住誘導区域に従って町なかに住んでもらうことが優先事項なのか、そこをまず聞かせてください。 ○議長(井上秀作君) 建築都市局長。 ◎建築都市局長(柴田卓典君) まず、北九州市に移住してもらうこと、これが優先事項と考えております。 ○議長(井上秀作君) 16番 西田議員。 ◆16番(西田一君) 先ほども私、第1質疑の中で申し上げましたが、移住をお考えになる方というのはさまざまな背景があると思います。やはり私の地元、田舎のほうですが、都会でサラリーマン生活をやめて親御さんのもとに帰ってきて、親御さんのお世話をしながら、親御さんがやってきた田んぼや畑を始めるというケースがまあまああります。そういった本当に意義ある移住・定住をしてくださる方々に、いやあなたには補助金出しませんよということじゃなくて、そういった方にはこういうメニューもありますよというのをぜひ示せるように政策を打っていただきたいんですが、見解を伺います。 ○議長(井上秀作君) 建築都市局長。 ◎建築都市局長(柴田卓典君) 居住誘導区域外、基本的には市街化調整区域の場合が多いんですけれども、そちらのほうに移住される場合はどうしても空き家を買うとか、御実家を改修したりというところになると思います。そういった分は全市を対象としました住まいの安全安心・流通促進事業という改修費に対する補助を用意しておりまして、そちらのほうをまず御紹介させていただきまして、家賃補助の部分について必要かどうかというのは、またそういった部分をお話ししながら考えていきたいと考えております。 ○議長(井上秀作君) 16番 西田議員。 ◆16番(西田一君) 人口減少社会においてコンパクトシティーというのは理解できなくもないです。ただ、私はやっぱりそういった地域の方々から御支援いただいて、ここに来させていただいておりますので、ぜひ町なかに対する居住の誘導ということに決して偏ることがないように、周辺地域に住まれるんだったらこういう施策もありますよというのを同時にPRしていただきたいと思います。ライフスタイルに偏りがないように、望んだ暮らしができるような、そういうPRをしていただきたいと思います。 それと、北九州マラソンについて、北九州マラソンというよりも仮装の皆さんに寛大な対応をということでございます。 実は、松本零士さんのキャラクターに仮装した方々が集合写真撮っているわけですよね。私もそれを見せてもらったら、その写真の片隅に、何と松本零士さん本人からサインをいただいているわけですよ。我々はこういうふうに仮装して走りましたと、それを松本零士さんに見せたら、松本零士さんが喜んでサインしてくれたと。つまり、これ松本零士さんの公認の仮装ということになりますので、確かに沖田艦長、つけひげしたら顔が見えなくなりますけど、顔が真っ青で、それでも仮装して走っているという人も余りいないと思います。彼らは、普通の格好で走ればもっと速いわけなんで、そういうところも御理解いただきまして、少なくとも来年のマラソンのチラシなんかに、余り細かくあれもだめこれもだめと書かないでいただきたいんですよ。常識的な範囲でやってくださいねぐらいにとどめておいていただきたいなと思います。 それと、最後です。官民データの推進基本計画について、市長から大変踏み込んだ積極的な御答弁をいただきました。ありがとうございます。課題の抽出に関してはアイデアソンでやっていくと、スモールスタートで、アイデアソンでやっていくといったような御答弁だったかと思いますが、それはそれでいいと思います。 国の基本法をつくるときに、例えば総務省の内部でその担当の課長さんがオープンデータでこういうことできるといいよねというのをその部署の若手に、要するにこういうデータを使ってこういうことできるといいよねというのを上げさせたらしいんです。そしたら、250から300ぐらいのアイデアが返ってきたと。これまさにアイデアソンだと思うんですが、ぜひ各局長さん、各部署の特に若い職員に対して、ふだん何げなく使っているデータがオープンにして加工すると、こういうふうに利便性が上がりますというのを常に考えていただくように、日常的に若い職員の皆さんにアイデアソンをしていただきたいなと思います。データの活用事例を積極的に挙げていただきたいと思います。 そこで、1つこういったデータの使い方もあるんじゃないかというのを上げさせていただきますと、先ほども保育所の質問させていただきましたが、やはりお母さん方が保活ですね、お子さんの保育所を探して入所させるまでの活動、保活をするに当たっては非常に心、体すり減る思いでやられていると思います。待機児童が少ない北九州市においても、やっぱりお母さん方、本当すり減る思いでやられていると思います。 そこで、オープンデータの利用ということになるわけです。国の推奨するオープンデータセットの中に子育て施設というのも入っております。例えば認可保育所の所在地をマッピングして、この保育園に行きたいなと思ってそこをタップとかクリックすると、そこの保育園の情報がばっと出てくると。例えば、何歳児は1人あいていますよとか、何歳児は何人あいていますよとか、そういった子供の募集の状況もつぶさに見てとれると。なおかつお母さんは電子申請をするわけです。入所希望の電子申請をしたら、入所順位を決める点数もそれでわかると。その点数を各保育所に当てはめると、近くの保育所でどこが一番入りやすいかというのがわかると。あそこの保育所だったら2カ月先、2カ月待てば自分の子供がどうも入れそうだと、そうすると、じゃあその2カ月の間は認可外を探して時間を待ちましょうというようなこともできるわけです。そういったことを考えるわけですが、子ども家庭局長、どういう御見解をお持ちでしょうか。 ○議長(井上秀作君) 子ども家庭局長。 ◎子ども家庭局長(江副春之君) 今、現状でも保育所に関しましては、いろいろ保育所ごとの年齢別の入所児童数であるとか、あるいは施設の場所、それから、献立に関する情報であるとか、レシピに関する情報をホームページに公開いたしましたけども、ホームページ上でさまざまな情報は公開をさせていただいております。 また、今回新たに、今ちょうどまさに新年度の入所の受け付けというか、決定をしている時期ですけども、1月末で一旦締め切った後に変更申請、2月変更、いろんな状況がその後に、申し込んだ後に状況が変わる方々から変更申請を受け付ける期間として、2月に設けているわけですけども、そこでそれぞれの保育所の4月1日時点の空き情報がわかるように、年齢別の空き情報がわかるようなデータもホームページでは公開を、これは日々変わりますので、一定期間だけですけども、公開をさせていただいて、それを参考に変更申請をできるような形もとらせていただきました。 今、議員から非常に参考になるようないろいろなお話をいただきまして、我々も今後官民データ活用推進の中で、特に総務局を中心に全庁的なデータの棚卸しであるとか、あるいはオープンデータ化についてどういう形でやっていくのかというような議論を、先ほどの推進本部の中でやっていくことになっておりますので、今議員から御提案いただいたようなことも含めて、さまざまな今後どういった形でオープンデータ化していくのが最適なのかというのを、いろいろ課題も中にはあると思いますので、そういった課題も含めて検討させていただきたいと思っております。以上です。 ○議長(井上秀作君) 16番 西田議員。 ◆16番(西田一君) まだまだこれからだということでございますが、先日の官民データのシンポジウムにおきまして、東大からいらっしゃっていただいた、その分野の第一人者である東京大学の越塚教授がおっしゃっていましたけど、今の局長の答弁の中にありました保育所の入所システムについても、そうやって徐々に改善は進めていますよということではあったんですが、その中で教授がおっしゃっていたのは、API、アプリケーションプログラミングインターフェースですね。要は行政が出すデータについては、余り行政でいじくって、後から本腰入れて民間の業者さんが便利にしようと思ったときに、かえっていじりづらいと、加工しにくいということがないように、そこは迅速にオープンデータ化していただいて、あとは民間の業者さんの知恵に任せるというようなことも必要なのかなと思いますので、よろしくお願いします。 それと、ペーパーレス化について小林局長から御答弁いただきました。これも越塚教授がおっしゃっていました、北九州市ほどの行政であれば、やろうと思えば全てペーパーレス化にできるんじゃないか、そうしないといけないということでございましたんで、日々ばく大な紙を行政使っていると思いますが、ここは行革の観点から、迅速にペーパーレス化についても御検討いただきたいなと思います。 最後、連携中枢都市圏におけるオープンデータの活用についても市長から踏み込んだ御答弁をいただきました。せっかく連携中枢都市圏の協約を結んでおりますんで、ここはひとつ他の自治体さんに対してオープンデータをどんどんどんどん上げていただいて、そして、データを共有していただいて、例えば大規模災害のときに避難所がわかるとか、あるいは消防用の水利施設がわかるとか、そういったことも消防同士でふだんから連絡を密にして、いざというときに備えるというようなことも御検討していただきたいなと思います。 とにかくオープンデータの活用については12月に条例をつくらせていただいて、これから計画を立てるということですんで、ぜひこういうこともできたらいいなというような計画、具体的に盛り込んでいただいて、特に現場の職員の皆さんのアイデアソンに期待して、すばらしい計画ができることをお祈りしております。以上で終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○議長(井上秀作君) ここでしばらく休憩いたします。再開は午後1時といたします。                  午前11時57分休憩                  午後1時00分再開 ○議長(井上秀作君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 一般質疑を続行いたします。55番 藤元議員。 ◆55番(藤元聡美君) 議場の皆さんこんにちは。日本共産党の藤元聡美です。会派を代表して一般質疑を行います。 最初に、中学校の制服と就学援助について伺います。 市立中学校生徒の制服は、保護者が入学に当たって準備する品目の中でも比較的高額であり、その販売価格は近年上昇傾向にあります。そのため昨年11月には、公正取引委員会が全国の公立中学校600校の制服に関する実態調査の結果を発表し、制服の価格決定手続の適正化、選定手続の透明化等に努めるよう提言を行いました。 この調査によると、全国の学校の制服一式の最も多い販売価格帯は、男女とも3万円以上3万5,000円未満でした。北九州市の男子制服の平均額は約2万7,000円、女子は約3万5,000円です。更に、入学時の購入品として、いずれも平均額でかばん7,400円、上靴2,500円、体操服夏服5,200円、体操服冬服で8,800円かかり、その合計額は5万9,000円です。更に、入学した1カ月後の5月ころには、夏服一式代金として男子約1万円、女子1万5,000円が必要です。 私は、昨年5月に中学1年、高校1年の子供を抱える母親から、今失業中で、2人分もの夏服代を払えないと相談を受け、解決に奔走しました。就学援助の新入学学用品費は、2017年度入学より前倒し支給され、更に、小学校入学者で4万600円、中学で4万7,400円と増額されましたが、この金額では全く足りないことは明らかです。 そこで、お尋ねいたします。 保護者負担を軽減する上で、就学援助の新入学学用品費を市独自に増額支給するなど、必要な手だてをとるべきと考えますが、答弁を求めます。 本市の中学校制服代は、冬服で1万5,000円台から4万1,000円台と学校によってばらつきがあり、その金額は学校任せになっています。平均より高い学校には、負担を減らすよう指導すべきです。福岡県教育委員会は、制服や体操服など学校指定物品は、保護者の経済的負担の軽減等で指定の効果があると必要性を生徒や保護者に説明できるものにし、指定の必要性を常に見直し、指定の効果が低下したものは指定を取りやめたり推奨にとどめる旨、一昨年11月に教育長が県立の各学校に対し通知を出しました。 本市でも地場産業、販売業者の振興と適正な利益を確保しつつも、保護者の経済的負担軽減の観点から、県と同様の指導を小学、中学、高校に対し行うべきと考えますが、答弁を求めます。 この冬は、数年に一度という強い寒波が襲来しています。この寒さの中、中学校の生徒は、校則でコートを着ることができない学校もあります。女子生徒は、スカートの下に体操服のジャージズボンをはくこともとがめられています。女子生徒たちは、なぜズボン、スラックスが着用できないのかと嘆いています。 今、LGBTへの対応にとどまらず、多様性を認め、個人の自由を尊重する観点から、学校制服で女子がスラックスの選択ができる学校が全国的にもふえてきています。これは、母性保護、機能性の上でも有益だと歓迎されています。しかし、本市では学校によって規定がばらばらで、まだまだ女子のスラックスは広がっていません。わずかに若松中学校、九州国際大学付属高等学校などしかないのが現状です。希望する生徒が自由に着用できるようにすべきです。答弁を求めます。 次に、市民が望む市立霊園のあり方について伺います。 ある市民から、母親が亡くなり、翌年には父親も相次いで亡くなったが、2人分を納骨する墓も費用もなく困っていると相談を受けました。また、生活保護世帯のある方は、妻の納骨費用が工面できず、ずっとそのままです。果たして、北九州市は住みやすく安心して命が全うできる町なのでしょうか。 本市には市立霊園が13カ所あり、その種類は、土地区画のみの使用権を得る一般墓所タイプと納骨堂タイプ、更に、長屋のような共同墓碑タイプがあります。一般墓所の価格は約30万円から180万円で、この上に墓石の建設価格で数十万円以上が必要となり、ここ3年間の応募倍率は1倍を切っています。 その一方、納骨堂タイプは20万円台でほとんど追加費用もかからないためか、応募倍率は約10倍にもなっています。その背景には、市民の所得の減少や、最近のお墓の承継者の問題が反映し、市民ニーズとのミスマッチがあるのではないでしょうか。近年の少子・高齢化や死生観の変化により、いわゆる墓離れや墓じまいの動きが顕著になってきており、他都市においても住民の要望に応えて、承継を必要としない合葬墓や樹木葬などの新たな形態の公営墓地を整備する動きが広がってきています。 福岡市でも昨年から市立霊園における合葬墓等構想委員会が検討を始めています。従来から厚生労働省では、墓地はその公共性、公益性に鑑み、住民に対する基礎的なサービスとして、安定的な運営が必要とされるため、経営主体は市町村等の地方公共団体が原則であると指針を出しています。 そこで、質問です。 本市でも市立霊園の申込者などへアンケートを行い、市営墓地のあり方を検討する委員会などを設置し、アンケート結果を見ながら市民が望む合葬墓等の建設を検討してはいかがでしょうか。答弁を求めます。 本市では、身寄りのない方の遺骨が年間160人前後、無縁仏として保管される事態となっています。全国でも同じように引き取り手のない遺骨がふえ続ける中、横須賀市では、ひとり暮らしで身寄りがなく生活にゆとりのない高齢の市民を対象に、市が生前に葬儀や納骨などの希望を聞き取り、葬儀社等と官民連携で実現する事業を開始しています。登録者の中で既に亡くなった方の希望が実現できたほか、無縁遺骨の削減を果たし、全国各地から視察が相次いでいます。 そこで、質問です。 本市でも市民が安心して人生を全うでき、無縁仏化を食いとめる対策として、横須賀市のようなサポート事業や、市立霊園の生前予約を検討すべきと考えますが、答弁を求めます。 最後に、児童文化科学館について伺います。 八幡東区桃園にある児童文化科学館を東田地区に移転させる案が提案されています。老朽化したこの施設が更新されることは大変喜ばしいことです。昭和30年から長年子供たちに親しまれ、児童文化と天文、科学を愛する熱心な多くのスタッフと市民のボランティア精神によって支えられてきた児童文化科学館の歴史をしっかりと受け継ぎ、発展させることが求められています。そのためには運営関係者、利用市民、子供たちの声をじっくり聞いて計画を進めるべきです。 そこで、質問です。 公共施設マネジメントの基本は、住民の合意形成と要求が基本です。市民が愛着を持って支える施設をつくるためには、住民や利用者、関係者らの意見と要望をしっかり酌み取って、移転場所の選定や施設の機能のあり方について検討すべきですが、いかがでしょうか。お答えください。 現在の児童文化科学館は、学芸員の配置が必要とされる博物館法上の施設とは扱われていません。新科学館は、観光客誘致のアミューズメント施設としてではなく、児童文化の向上、科学教育振興の拠点と位置づけ、専門性を有する学芸員を配置するべきと考えますが、答弁を求めます。 以上で私の第1質疑を終わります。 ○議長(井上秀作君) 市長。 ◎市長(北橋健治君) 藤元議員の御質問にお答えいたします。 市立霊園のあり方についてであります。 まず、合葬墓などの建設をしてはどうかと、こういう御質問がございました。 市立霊園は13カ所であります。一般墓所が約2万2,000区画、納骨堂は約2,000壇、共同墓碑が約1,000基、合計約2万5,000区画あります。現在、使用者から返還された区画を再整備するなどして、毎年2月に定期募集を行っております。平成27年度からは応募のなかった区画について、先着順で申し込みを受け付ける随時募集を開始いたしました。 一般墓所については、平成26年度までは約90区画の募集に対し倍率が2倍以上と不足ぎみであったことから、平成27年度からは130区画前後に募集区画をふやしております。随時募集分を含めて、毎年70から80区画程度の新たな使用があり、一般墓所の需要は満たされているものと考えております。 また、納骨堂については、毎年20壇程度の募集に対し、応募はおおむねその10倍前後であることから、今後も納骨堂の需要は続くと考えております。 御指摘のとおり、近年お墓に対する考え方が多様化し、合葬墓や樹木葬などの新たな埋葬形態に対するニーズが高まっております。市内の民間霊園でも樹木葬などの提供が始まっております。また、合葬墓や樹木葬など合葬式埋葬施設が大都市圏を中心に公営墓地の中に設置されており、福岡市でも検討が進められております。 本市の市立霊園内に合葬式埋葬施設を設けるに当たりましては、既存の市立霊園が斜面地や既成市街地の中にあることから、敷地の拡張が難しく、まとまったスペースもありません。また、市立霊園の新設は適地の選定が非常に難しく、多くの事業費を要するなどの課題があります。そこで、福岡市や合葬式埋葬施設を設けている他の都市の現状と課題、民間霊園での供給動向なども見ながら、アンケート調査の実施も含め、今後の墓地のあり方について、まずは関係部局に研究させたいと考えております。 次に、横須賀市のようなサポート事業、また、生前予約を検討してはどうかという御質問でございます。 本市の高齢者世帯の状況は、平成27年の国勢調査によると高齢者のみの世帯が11万1,705世帯、そのうち単身の世帯が6万915世帯となっており、高齢者の見守り、支援の充実強化は重要課題と考えております。本市では、他の都市に先駆け、官民連携によるいのちをつなぐネットワーク事業を立ち上げ、見つける、つなげる、見守るをキーワードにして、市民が社会的に孤立することなく、支援が必要な人には福祉のサービスなどにつなげることができるよう、地域全体で見守る仕組みづくりに取り組んでいるところであります。 具体的には、平成20年度から各区役所に16名の担当係長を配置し、支援が必要な高齢者を把握し、見守りを行っている民生委員、福祉協力員などをサポートしております。また、ライフラインや宅配事業者、冠婚葬祭、暮らしに関するサービス事業者など市民と接する機会の多い84の民間事業者の協力を得て、日ごろの業務の中で異変に気づいた場合には、区役所へ相談や通報をしていただく体制を構築しております。 議員御提案の横須賀市の取り組みは、葬儀、納骨などに関する心配事を切り口に、市と葬儀社が連携して高齢者を見守り、亡くなった場合に葬儀等を見届ける事業で、平成27年度の事業開始からの登録件数は23件と聞いております。 本市におきましては、いのちをつなぐネットワークによる見守りに加え、葬儀や預貯金、持ち家のことなど、将来の不安に関する相談は区役所窓口や地域包括支援センターでも応じております。例えば、本人の同意の上、疎遠になっている遠方の親戚に市職員が連絡をとる、また、民間の終活サービス業者の情報を提供する、また、ケアマネジャーがエンディングノートを一緒に作成する、このように横須賀市と同様のきめ細やかな対応を行っているところであります。 市立霊園での生前予約については、実施している他の都市の現状と課題も踏まえ、先ほどの合葬式埋葬施設とあわせ研究していきたいと考えます。 高齢化が進展する中、葬儀や納骨も含め、日常生活上のさまざまな相談はふえていくと考えておりますが、本市独自の官民連携のネットワークや地域包括ケアシステムの構築によって、最後まで安心して住み続けられるまちづくりを進めてまいります。 残余の質問は、教育長、関係局長からお答えさせていただきます。 ○議長(井上秀作君) 教育長。 ◎教育長(垣迫裕俊君) 中学校の制服、標準服と就学援助についてのお尋ねにお答えいたします。 まず最初に、就学援助の新入学学用品費の増額をという点であります。 就学援助の制度は、平成17年度の国庫補助制度の見直しに伴いまして、自治体の単独事業となっております。こうした中、本市としましては就学援助制度の必要性を踏まえまして、国庫補助制度廃止後も引き続き従来の支給額や認定基準などを縮減することなく、市の単独事業として運営しております。 支給額につきましては、毎年度国から示されます要保護児童生徒援助費補助金の予算単価をもとに決定しており、単価が引き上げられれば、本市の支給単価も連動して引き上げてきております。新入学学用品費につきましても、平成29年4月に入学の児童生徒から、国の示す単価に合わせて小・中学校ともに従来のおよそ倍額を支給したほか、希望する保護者には入学前に前倒し支給をしたところであります。 就学援助制度というのは、そもそも経済的な理由により、児童生徒の小・中学校での学習が妨げられることのないよう、学用品費などの就学上必要な経費の一部を市が援助するものであって、経費の全てを賄うような制度ではないことを御理解いただきたいと思います。 また、市として新入学学用品費の支給単価を増額するとすれば、大きな財政負担を伴うことにもなります。以上のことから、市独自で支給単価を増額する考えはございません。 次に、制服等の学校指定物品につきまして、福岡県教育委員会の指導と同様な指導という点でございます。 教育委員会としましては、制服や体操服等の学校で使用する物品には、耐久性や仕様の違いがあり、一概に金額だけでは判断できない部分もありますが、基本は保護者に過大な経済的負担をかけないようにすることであると考えております。 福岡県教育委員会の通知でありますが、御紹介いただいたように、一昨年の11月に学校指定物品の適正な取り扱いについてということで、各県立学校長に通知しております。その趣旨は、学校の教育目標等に応じて、学習指導や保護者の経済的負担の軽減等で指定効果があると判断する場合に学校指定とすべきこと、あるいは学校指定物品の指定に当たっては、保護者の経済的負担に十分配慮した上で、指定の効果が低下したものについてはその精選にできるだけ努める、こういった内容だと承知をしております。 そこで、本市教育委員会でありますけども、まず、基本的仕様を満たした標準服の価格については、全校調査を実施し、把握をしておるとともに、入学時に必要な教材や物品等の価格についても所要の額をおおむね把握しております。そして、小・中・高、特別支援学校に対しまして、学校で使用する教材の選定に関する通知を毎年度出しておりまして、その中で保護者に過重な負担がかからないよう留意することを毎回指導しております。 また、兄や姉が使用していたものを使用するよう推奨したり、物品によりましては業者指定せずに各自で購入させたり、全中学校で使われなくなった標準服等の寄附を呼びかけ、貸し出しを行うこと、こういったことで再利用も進めております。これらの取り組みを通じて、保護者の経済的負担の軽減に努めているところであります。 以上のように、本市教育委員会としましては、保護者の経済的負担が過大なものとならないよう、さまざまな取り組みを進めているところであり、県の教育委員会の通知と同様の方向性で取り組んでいると認識しております。したがって、改めて学校で使用する物品の指定に関する新たな通知を出すことは考えておりませんが、これまで同様、保護者負担の軽減について各学校に指導してまいりたいと思います。 最後に、女子のスラックスを希望する生徒は自由に着用できるようにという点であります。 本市の中学校の標準服の選定は、各学校において学校代表、保護者代表などで検討委員会を組織し、複数の販売店から見本を取り寄せた上で、基準に照らしながら行っております。その結果、本市の女子の標準服はいわゆるセーラー服とスカートと、こういう形が多数を占めております。 御指摘のように、動きやすさや防寒という機能性の面、あるいは多様性という観点から、女子がスラックスを着用できるような選択肢をふやすことには意義があると考えております。また、現在ブレザー型の学校で、女子がスカートとスラックスを選択可能としている学校もございます。 選択という観点からは、標準服の自由化ということが1つ考えられますが、平成9年度に市内の中学校1校で標準服の自由化を行った例がありますが、その後見直しの意見が多く上がりまして、平成18年度の新入生から標準服の着用に戻したという経緯がございます。その際のアンケートでは、例えば服を選ぶのが大変であった、あるいは学校で過ごすのにふさわしくない服装をしている子供が多い、地元中学校の生徒かどうかわからず、地域の目が行き届かない、露出の多い服を着る女子生徒が目立ち、中学生としてふさわしくない、こういった意見が寄せられておりまして、集約しますと、半数以上の生徒、保護者、地域の方が標準服の着用を望むという結果で、もとに戻したということであります。 標準服の見直しに関しましては、保護者の負担が過重なものにならないようにすることが基本でありますし、また、現在の標準服には各学校の歴史や伝統があり、保護者や地域の方の願いに配慮し、広く理解を求めることが大切であると考えます。そういうことから、全ての学校が一斉に切りかえるということは難しいと思います。 しかしながら、特に女子の標準服につきましては、大きな価格差がないのであれば、スラックスの選択が可能なブレザー型への導入を各学校の実情に合わせて検討することが望ましいと考えておりまして、今後標準服のあり方について議論していきたいと思います。以上でございます。 ○議長(井上秀作君) 子ども家庭局長。 ◎子ども家庭局長(江副春之君) 児童文化科学館について2点質問いただきましたので、一括して御答弁申し上げます。 児童文化科学館は、施設や設備が老朽化していることを踏まえ、平成28年2月に策定した公共施設マネジメント実行計画では、児童文化科学館はプラネタリウムを併設する市内唯一の施設であり、今後も継続して運営していく必要があり、館のあり方を幅広く検討していくとされております。 こうした中、平成27年度に開催した科学館のあり方検討会議では、学識者を初めPTA協議会、商工会議所、いのちのたび博物館などにも御参加いただき、最大のターゲットは子供であるべき、企業連携も視野に入れる、ICT環境を整え施設内、展示室内での学習や体験を充実させるなどのさまざまな御意見をいただいたところです。 今年度は、他都市の先進事例調査や立地調査に加えまして、市内企業の方々との意見交換を行い、新しい科学館につきましては誰もが科学の興味を持つきっかけづくり、技術系人材の育成など4つのコンセプトのもと、子供を中心とする全世代をターゲットとして整備の方向性を取りまとめたところです。また、立地につきましては東田地区がふさわしいと位置づけたところであります。 今後は、新しい科学館の規模や機能等につきまして、来年度に実施する基本計画づくりの中で、議会や利用者等の御意見を伺うとともに、広く市民の意見を募っていきたいと考えております。 なお、学芸員の配置につきましては、現在児童文化科学館には学芸員は配置しておりませんが、理科教育の発信拠点としての役割を担うため、理科の教員を配置し、企画展や各種クラブ活動、催しなどの企画運営を行っております。新しい科学館における運営体制につきましては、今後検討してまいりたいと考えております。以上です。 ○議長(井上秀作君) 55番 藤元議員。 ◆55番(藤元聡美君) それでは、児童文化科学館についてお尋ねいたします。 2月8日に新科学館のあり方が発表されました。それで移転場所も決定したということなんですが、この移転場所決定に際しまして、市民や利用者の声を聞いて決定なされたのでしょうか。答弁をお願いします。 ○議長(井上秀作君) 子ども家庭局長。 ◎子ども家庭局長(江副春之君) 移転場所につきましては、特に市民とか利用者の御意見は伺っておりません。我々の適地調査の中で、東田地区が交通アクセスであるとか他の施設との連携であるとか、あるいは駐車場の件であるとか、さまざまな要素を総合的に判断をして東田地区と決定をしたものであります。以上です。 ○議長(井上秀作君) 55番 藤元議員。 ◆55番(藤元聡美君) この児童文化科学館ですね。今ここでは小学校、中学校を対象として多彩なクラブ活動が繰り広げられております。発明クラブ、電波、科学、天文学、プラネタリウム、航空など、多いクラブでは人数は30名、回数では年間19回も集まって、外部講師の協力もあり、活発に行われております。この活動が科学館の移転によって終わりになることは絶対に避けなければなりません。 なぜこんなことを言うのかといいますと、八幡市民会館の廃止によりましては、工芸室、染色室が使えなくなりまして、クラブ活動が解散に追い込まれた前例があるからです。特に、子供たちは交通手段が徒歩や自転車が主であります。移転によって通えなくなる子供たちがあってはなりません。よって、児童文化科学館のクラブ活動の参加者、子供たちに対しても、今回の移転計画の説明や要望の聞き取りは丁寧に行われるべきと考えますが、いかがでしょうか。お答えください。 ○議長(井上秀作君) 子ども家庭局長。 ◎子ども家庭局長(江副春之君) 現在、クラブ活動に通っているお子さんたちは、そのほとんどが八幡東区外から通っている状況で、今回東田地区に移転することによって、今のままの構成であればですけども、かなりアクセスは便利になるのではないかと思っております。実際に移転する時点で、そのときのクラブ活動の参加者に対しては、アクセス方法などしっかりと丁寧に説明はさせていただきたいと思っております。以上です。 ○議長(井上秀作君) 55番 藤元議員。 ◆55番(藤元聡美君) 今、東田地区、JRスペースワールド駅ですけども、JR以外ではやや不便な場所にあります。その上で、今度JR九州のダイヤ改正では、スペースワールド駅は快速もとまらなくなります。そして、減便も行われるということであります。そういう意味では、JRへの抗議や要請行動も市としてしていただきたいところですが、また、バス会社に対しても、バス路線の増便の要請など、移転が正式決定した際には最大限の配慮をお願いしたいと思います。 それと、もう一つ学芸員の配置であります。東区にありますいのちのたび博物館では、西日本屈指の数の14名の自然系、歴史系の学芸員が在籍して、スタッフであります教員の資格を持つミュージアムティーチャーとしっかり連携して、学校や地域への教育普及活動に当たっています。そして、博物館のファンクラブとも言うべき数百人を擁する自然史友の会、歴史友の会への活動協力も行っております。このようにすばらしい活動をやっている例が近隣にあります。こういった例に見習うべきではありませんか。お答えください。 ○議長(井上秀作君) 子ども家庭局長。 ◎子ども家庭局長(江副春之君) 学芸員の配置につきまして、先ほども申し上げたとおり、今後運営体制等を検討していく中で考えてまいりたいと思っております。以上です。 ○議長(井上秀作君) 55番 藤元議員。 ◆55番(藤元聡美君) やっと皆さんの要望に応えて新しくなる児童文化科学館であります。市民の皆さんの声をしっかり反映して、みんなに愛され、みんなが支え、成長し続ける子供と文化と科学の拠点になるよう、私も皆さんと力を合わせて努力してまいりますことを表明しまして、発言を終わります。 ○議長(井上秀作君) 進行いたします。54番 藤沢議員。 ◆54番(藤沢加代君) 私は、日本共産党市会議員団を代表して一般質疑を行います。 最初に、低所得者等の住宅確保について2点質問します。 改正住宅セーフティネット法が昨年4月、国会で全会一致で成立し、10月に施行されました。この法律は、民間の賃貸住宅を借りにくくなっている高齢者、障害者等の住宅確保要配慮者に対し、空き家、空き室を活用し、住宅確保を支援するものです。都道府県、政令市、中核市に住宅確保要配慮者の入居を拒まない賃貸住宅の登録制度を新設し、要配慮者の入居を促進するため、改修費補助、家賃債務保証料補助や家賃の低廉化のために、家主に補助金を出します。家賃低廉化については法律の条文には盛り込まれず、予算措置にとどまったため、参議院では7項目の附帯決議が採択されました。 若い人たちにもふえている低所得者の住宅確保には、空き家、空き室の登録制度をつくるだけでは不十分で、家賃を下げる必要があります。要配慮者専用住宅の改修費には、国、自治体、家主が3分の1ずつ負担で、1戸当たり最大100万円の補助を行い、家賃低廉化には国、自治体が2分の1負担で最大月4万円の補助を行います。政府は2020年度末までに17万5,000戸を登録目標にしていますが、2月27日時点の全国登録戸数は416戸、このうち家賃低廉化等の専用住宅は163戸にすぎません。 本市は、この要配慮者専用住宅を要件とする事業のうち、本市の財政負担を伴う補助事業に手を挙げていませんが、改正住宅セーフティネット法に基づき本市住生活基本計画第2期の素案と、高齢者居住安定確保計画第2期の素案を昨年12月に示し、要配慮者への支援を掲げています。現在の本市の家賃補助制度は、特定優良賃貸住宅、高齢者向け優良賃貸住宅、転入世帯の定住・移住推進などのほか、グループホーム利用者や離職者への給付も用意されていますが、低所得者への家賃補助拡大が求められます。 国民健康保険料の滞納問題で、私が相談を受けた73歳の単身男性は、2年前に仕事をやめた後は年金収入のみで、4万7,000円の家賃負担が重くなり、30年住んでいた徳力団地から北方の1Kマンションに移りました。高齢になって住みなれたところから転居しなければならなくなったこの方のような例のほか、家賃の負担に耐えるため生活費を削って暮らしている高齢者も数知れません。 市営住宅にも簡単に入れません。本市市営住宅の困窮者向け今年度10月募集までの応募倍率は、障害者世帯0.9、母子・父子世帯3.0、多子世帯1.1に比較し年長者世帯向けの倍率が4.2倍となっており、特に小倉北区では10.6倍と最も高く、小倉南区でも4.4倍です。高齢者の住宅確保の深刻さの一端がうかがえます。 そこで、第1に低所得者のうち、とりわけ高齢者への家賃補助制度の創設に向けて早急に具体化するよう求めます。 高齢者居住安定確保計画第2期の素案では、低所得高齢者の入居負担軽減のための支援策の検討について、高齢者の住宅困窮状況の把握に努めながら、家賃補助を行うなどの選択肢も含めて、支援のあり方を検討としています。答弁を求めます。 第2に、本市として要配慮者の入居の厳しさについて建築都市局、保健福祉局、子ども家庭局などが連携し、実態調査をするよう求めます。 住宅確保要配慮者とは、高齢者、障害者のほか、子育て世帯、被災者、低額所得者等が含まれます。要配慮者の実情に合い、なおかつ空き家対策にも役立つ実効性ある計画にするために、住宅政策とともに福祉施策の取り組みが不可欠です。答弁を求めます。 次に、城野遺跡の保存整備活用について2点質問します。 大手建設会社が取得した城野医療刑務所跡地は、中央の市道城野駅南口線によって東西に分断されています。西エリアの九州最大規模の方形周溝墓部分は、緑地として市に無償譲渡されることが昨年の予算議会で公表されて、およそ1年がたちました。節分の起源とされる方相氏の可能性のある線形模様が描かれ、高価な中国産の水銀朱が塗り込められた幼児用石棺2基は、取り上げて埋蔵文化財センターで保存されています。 昨年11月5日にムーブで開かれた城野遺跡の現地保存を進める会主催の市民集会では、日本考古学協会の前会長高倉洋彰先生、現副会長近藤英夫先生、お二人が城野遺跡の重要性を訴えられました。弥生時代の北部九州を考える上で、また、東アジアの交流史研究において城野遺跡は欠かせないということです。 東エリアは当初からショッピングセンターの建設計画が明らかにされておりましたが、昨年10月には、大手建設会社からショッピングセンターの建築主に所有権が移転しています。12月から造成工事に取りかかり、本年3月22日から本体工事に入ることが現地に掲示されました。現在、造成工事が進行中で、建築確認申請も提出されましたが、まだ玉づくり工房跡の部分は、そっくり保存されているのです。 そこで、もう一度市長にお尋ねします。 第1に、九州で2例目の玉づくり工房跡の保存は、いよいよ待ったなしです。1,800年前の貴重な遺跡をこのまま私たちの時代で壊してしまっていいとお考えでしょうか。保存のためにまず市の史跡として指定し保存を図るべきではないでしょうか。そのためには所有者の同意が必要です。早急に新しい地権者に同意を求め、文化財保護審議会に諮問すべきです。答弁を求めます。 第2に、西エリアについてです。 緑地の所有権はまだ市のものになっていません。開発事業者の計画が決まらないためだという担当局の説明はいかにも消極的です。石棺2基は取り上げ保存されましたが、発掘された現地は開発されずに残るため、2016年8月に国の重要文化財に指定された重留遺跡の広形銅矛と同様、石棺は国の重要文化財になる可能性があります。広形銅矛が住居跡で埋納状態で発見された例は全国唯一であり、北九州市の考古資料として国の指定となったのは初めてです。この重留遺跡のほか、ガラス玉が200個出土したすぐ近くの重住遺跡、そして、城野遺跡をあわせて国の史跡に指定される可能性が示唆されています。 北九州市には本格的遺跡公園がありません。緑地を生かし遺跡公園としての整備活用を図るよう求め、見解を伺います。 以上で第1質疑を終わります。 ○議長(井上秀作君) 市長。 ◎市長(北橋健治君) 藤沢議員の御質問にお答えいたします。 低所得高齢者への家賃補助制度の検討について御質問にお答えいたします。 本市では、住宅政策の指針となる北九州市住生活基本計画に基づいて、住宅セーフティーネット機能の充実を基本目標の一つに掲げ、誰もが安心して暮らせる住まいのネットワークづくりを進めています。これまで市営住宅を住宅セーフティーネットの中核と位置づけ、その中で特に高齢者に対しては、高齢者世帯等を対象とした住宅困窮者募集の実施、バリアフリー仕様で緊急通報システムなどを備え、日中は生活相談員が常駐する高齢者向け市営住宅ふれあいむらの供給、また、段差の解消や手すりの設置などを行うすこやか仕様の改善工事などを行ってまいりました。あわせて、民間の賃貸住宅におきましては、バリアフリー化や緊急通報設備を備えた高齢者向け優良賃貸住宅の供給を促進し、最大3割の家賃補助などを行い、高齢者の入居支援を行っております。 一方、国において昨年10月、民家の空き家を活用して住宅確保要配慮者の入居を拒まない住宅の登録制度などが創設されました。住宅の改修や入居者負担の軽減などの支援を行うとされております。国の制度によると、登録住宅の家賃補助は、家主等に対して国と自治体で2分の1ずつ負担し、最大月4万円を最大10年間補助するものでありますが、自治体に財政負担が生じること、家賃補助期間が終了した後の対応など整理すべき課題も多いと考えております。 現在、少子・高齢化の進展、社会情勢の変化を踏まえまして、住宅政策を推進するため、住生活基本計画第2期、そして、高齢者居住安定確保計画第2期の策定に取り組んでいるところであります。今後とも高齢者等の居住の安定確保につきましては、住宅セーフティーネットの中核である市営住宅において入居や管理の適正化に努め、他の都市の状況なども踏まえながら、民間賃貸住宅における低所得高齢者への支援のあり方についても検討してまいります。 残余の質問は、関係局長からお答えさせていただきます。 ○議長(井上秀作君) 建築都市局長。 ◎建築都市局長(柴田卓典君) 低所得者などの住宅確保についてのうち、高齢者等の住宅確保要配慮者の入居の厳しさについて、連携して実態調査をするようにという御質問にお答えします。 高齢者や障害者が民間賃貸住宅に入居する際、入居中に支援が必要となったときや、単身者が亡くなったときの対応に不安があり、家主が入居契約をためらうケースが見受けられます。本市では、平成24年度に住宅部局と福祉部局が連携し、不動産関係団体、居住支援団体とともに北九州市居住支援協議会を設置し、高齢者などが円滑に民間賃貸住宅に入居できるよう支援する取り組みを推進しているところです。具体的には、高齢者住まいガイドの発行・配布や、高齢者などが安心して住居を探すことができるように支援する高齢者・障害者住まい探しの協力店の紹介などに取り組んでおります。 平成26年に民間会社が全国の民間賃貸住宅を対象に実施した調査結果によると、高齢者世帯の入居に対して約6割の家主が拒否感を有しているなど、入居制限がなされている状況があります。また、高齢者等の民間賃貸住宅への入居に対する家主の意向については、平成28年度に福岡県が実施した不動産事業者へのアンケートや、昨年12月に本市が実施した住まい探しの協力店へのアンケートでも同様の結果となっております。このように、これまでさまざまな機会や統計調査等を通じて、住宅確保要配慮者の入居に関する状況の把握はできていると考えております。 一方、昨年10月に国が高齢者等の住宅確保要配慮者の入居を拒まない住宅の登録制度を創設したことから、本市においても不動産関係団体等と連携し、制度の普及及び登録の促進を図っております。今後とも高齢者等の居住の安定確保について、居住支援協議会において協議を重ねるとともに、居住支援法人と連携しながら実情の把握にも努め、住宅セーフティーネット機能の充実に取り組んでまいりたいと考えております。以上でございます。 ○議長(井上秀作君) 市民文化スポーツ局長。 ◎市民文化スポーツ局長(田島裕美君) 城野遺跡につきまして、東エリアの玉づくり工房跡の市の史跡指定に向けて地権者に同意を求め、文化財保護審議会で諮問すべきであるという点と、西エリアを遺跡公園として整備活用することというこの2点にあわせてお答えいたします。 城野遺跡の保存に向けて、市では当初文化財保護法の趣旨に沿いまして、国が重要な遺構を保存するための土地を確保し、市が必要な整備を行うという方針のもとに国と交渉に当たりました。しかしながら、合意に至らず、次善の策として方形周溝墓の石棺2基は移築保存、玉づくり工房跡は記録保存を行ったところです。 一方、現地は民間事業者が所有することとなり、市はその事業者に遺跡の重要性を説明し、九州最大規模の方形周溝墓を保存するために、開発行為の緑地部分などに充てるよう依頼しました。それを受けて、民間事業者からは方形周溝墓付近を開発区域全体の緑地部分に充てて、約556平方メートルを市に無償譲渡するという申し出があっております。 御指摘の東エリアの玉づくり工房跡の保存についてですが、玉づくり工房跡は、記録保存により遺構の状況が把握されていること、民間事業者の理解と協力で、貴重な遺構である方形周溝墓が保存されること、こういったことなどから、現在の土地所有者に遺構の保存の要望を行うことは考えておりません。 一方、西エリアでございますが、西エリアの無償譲渡を受ける約556平方メートルの土地は、道路より2メートルほど高く盛り上がっておりまして、道路からの細い進入路の奥に広いスペースがあるという、いわゆる旗ざお地のような形状をしております。このような土地は見通しが悪く、安全上の問題があるために、進入路付近の土地を一部取得して間口を広げた上で、遺跡広場として整備したいと考えております。平成30年度予算には、その必要経費を計上させていただいております。予算の議決をいただければ、土地の所有者と土地の購入にかかわる交渉を進めるとともに、あわせて遺跡の説明板や案内看板、駐車場の設置など周辺整備の内容について検討を行ってまいりたいと思います。 市民が城野遺跡の価値を理解し、見学しやすい遺跡広場の整備に向けまして、専門家や地元住民の皆様の意見を伺いながら進めてまいりたいと考えております。以上でございます。 ○議長(井上秀作君) 54番 藤沢議員。 ◆54番(藤沢加代君) 最初に、市長にお答えいただいた低所得者等の住宅確保について意見を申し上げます。 今回、私の質問は特に高齢者に絞ってお尋ねしたわけですけれども、もっと広い概念で住宅困窮者の住宅確保支援が必要だということを前提に申し上げます。 国の住生活基本計画において、住宅確保要配慮者、この定義ですが、住宅を市場において自力で確保することが難しい低額所得者、高齢者、障害者、ひとり親、多子世帯等の子育て世帯、生活保護受給者、外国人、ホームレス等とされています。住宅確保要配慮者というこの言い方そのもの、定義ですね。これには批判がございます。公営住宅法にある住宅困窮者あるいは住宅確保要支援者と言うべきだという批判です。我が国の住宅政策が一貫して持ち家を基本としており、諸外国に比べ公営住宅の割合が非常に少ないこと、家賃や住宅数も市場任せにしてきたことがその根本にあります。住まいは人権であるの視点が欠けているということです。 政令市で高齢化率は一番高く、市民所得の低い本市において、重い家賃負担で生活苦に陥る低年金の高齢者、きょう私が申し上げた例の方はまだ年金が多いほうです。低賃金のため実家から独立したくてもできない若者、防火の仕組みが万全ではないアパート火災で犠牲になる人など、この事件は北九州市でもまだ記憶に新しいところです。住まいの安定が損なわれている実態は深刻です。しかも、市営住宅もURも統廃合で住宅数を削減しています。公共施設マネジメントによる市営住宅削減の見直しも含め、早急に実態調査と住宅困窮者の支援を急ぐべきだと申し上げて、次の質問に移ります。 城野遺跡についてです。城野遺跡については、これまで繰り返し質問もしてまいりましたが、きょうは市長は城野遺跡についてはお答えいただいていないんですが、過去には市長にもいろいろお答えいただきました。それで、私も同じ質問を何回も繰り返して、市長がお答えになっていない質問をもう一回します。 1,800年間、誰にも荒らされずに守られてきたこの城野遺跡を私たちの時代、すなわち北九州市長、北橋市長の時代に壊していいのかというこの質問です。どうぞお答えください。 ○議長(井上秀作君) 市長。 ◎市長(北橋健治君) これまでの議会での質疑で市役所の考えというのは述べてまいりましたし、きょうも局長から答弁させていただきましたが、できる限り保存に努めると。ただ、諸般の事情もあって、行政といたしましては、この税を投入して広場をつくっていくという考えでありますので、その税を投入するということも含めて、その価値があるということを市民の皆様方にも伝えていくということが大事だと思っております。そういう趣旨で私どももこの遺跡の価値については私どもなりに理解をして、その保存に努力をしてきたということも事実なのであります。 ○議長(井上秀作君) 54番 藤沢議員。 ◆54番(藤沢加代君) 価値は認めているが、保存はしない、移築保存とか、それから、記録保存とかいろいろ保存の仕方についてはあるというのがこれまでの当局のお答えでしたが、記録保存というのは、結局現地を壊してしまうということですから、やはり今市長お答えいただきましたけれども、結局1,800年間守られてきた遺跡、この北九州市民の貴重な歴史的な文化遺産を北橋市長の時代に壊したと言われてもいいと覚悟をして言われているんですよね。お答えはどうでもいいですけれども、そのように私は受けとめましたけど、いかがでしょうか。 ○議長(井上秀作君) 市長。 ◎市長(北橋健治君) 保存するのは、そのまま全部きれいに残すという方法がもちろんありますけれども、石棺2つについても大変重いものです。それを場所を移してその基礎を固めて、そして、それを大事に保存いたします。そしてまた、記録といっても写真を適当に撮るわけではないわけです。やはりその記録をしっかりと後世に残せるように努力をしているわけでございまして、そうした意味では現状において、私どもとしてもできる限りその価値を市民の皆様に広くこれからもお伝えできるように、保存に努力をしているということであります。 ○議長(井上秀作君) 54番 藤沢議員。 ◆54番(藤沢加代君) 調査をすれば記録保存するのは当たり前ですから、これを保存するとは余り威張って言えないと思います。 次に行きます。それで、先ほどの局長のお答えなんですが、まず、東エリア、ここでは新しい地権者に大事な玉づくり工房跡が壊されないように、早急に申し入れよというようなことを申し上げたんですけれども、それはやらないということなんですが、そこで今建設が始まっている玉づくり工房跡、非常に重要な遺構があります。H16という玉づくり工房跡の中でもとりわけ重要なものなんですけれども、もう既に設計図なんかも出ていますから、この玉づくり工房跡の中の非常に重要な箇所、ここが保存できるかどうかということについては確認されたかどうか、お答えください。 ○議長(井上秀作君) 市民文化スポーツ局長。 ◎市民文化スポーツ局長(田島裕美君) 現在、東エリアですけれども、大規模小売店舗立地法に基づきます届け出制度に基づきまして、図面が縦覧中でございます。私どもその縦覧中の図面を詳細に確認したわけでは、照らし合わせるわけではございませんが、大体その図面の建物の配置を考えますと、御指摘のH16、竪穴住居の跡でございますが、建物にかかる可能性があると考えております。以上です。 ○議長(井上秀作君) 54番 藤沢議員。 ◆54番(藤沢加代君) それならば、早急に確認して、せめて一番大事な点だけでも現地保存ができるように、設計の変更などを申し入れるべきだと思うんですが、その点ぜひやってほしいと思いますが、いかがでしょうか。 ○議長(井上秀作君) 市民文化スポーツ局長。 ◎市民文化スポーツ局長(田島裕美君) 先ほどの答弁の中でも申し上げましたけれども、玉づくり工房跡は既に記録保存をきちんとしております。遺構の状況も私どもで把握をできております。更に言えば、方形周溝墓、私どもが一番貴重と考えております方形周溝墓の現地保存のために、東も西も合わせて全体の3.4%の広さという土地が既に確保できるということで、無償譲渡の申し出があっておりますので、今現在の所有者に対してこれ以上設計変更等の申し出を行うことは考えておりません。以上です。 ○議長(井上秀作君) 54番 藤沢議員。 ◆54番(藤沢加代君) この問題の発端は、計画を変更したことにあるんですけれども、2011年6月議会、私の質問に答えて、その当時の教育長は、東側だけではないんですけれども、この遺跡について全域をもとの状態に埋め戻し、重要な遺構については遺構内に砂を詰め、その上に真砂土で埋めるなど万全を期しておりますと、万全を期しておりますと答えております。本当に大事に埋め戻されて、もとどおりに埋め戻されたところを、今本当にショベルカーでどうなるかわからないみたいにされようとしている、こんなふうに壊されていいのかということです。まだ間に合うんですから、ぜひこれをするべきだと思います。 次に進みます。先ほど、来年度予算で方形周溝墓跡の部分については、少し土地を買い足して遺跡広場にするというふうなことだったんですが、これ遺跡広場というふうに広場という名前をつけて遺跡公園ではないんですよね。この整備内容についての検討、先ほどお答えありましたけれども、整備内容、具体的に広場の計画についてはまだできていないと考えていいですね。 じゃあ次に進みます。それでは、次に市長が先ほどから答弁されておりますが、この問題の発端は、先ほども申し上げましたように、計画を現地保存を断念して移転保存、移築保存、記録保存にしたことにあります。市長は、当時まだ教育委員会を側面支援という立場で答弁にもお答えになっているんですが、そのときの市長の答弁は、一帯の遺跡の整備活用については教育委員会の検討状況を見守ってまいります。また、できるものについては教育委員会の取り組みを側面から支援をしてまいりますと答えているんですが、これは2012年3月5日の予算議会、故野依謙介議員の答弁に答えてこのように言われております。 ところが、1カ月もたたないうちに、4月1日には教育委員会からこの埋蔵文化財の管轄が市民文化スポーツ局に移っております。そうしますと、教育長の責任ではなく市長の責任になるし、教育長の時代から予算編成権を持つ市長でありますから、この遺跡を保存できるかどうかは本当に市長の英断にかかっているんです。もう一回お答えください。市長はもうしないということですね。 ○議長(井上秀作君) 市長。 ◎市長(北橋健治君) 城野遺跡の保存に向けまして、市としても努力をしてまいりました。ただ、国と交渉したんですけれども、なかなか私ども期待するような合意には至らなかった、でもその中で私たちにできることは何かということで最善を尽くしてまいりました。これからも努力を続けます。 ○議長(井上秀作君) 進行いたします。22番 金子議員。                (議長退席、副議長着席) ◆22番(金子秀一君) 皆さんこんにちは。公明党会派の金子秀一でございます。お忙しいところ傍聴にお越しいただきまして、本当にありがとうございます。 まずは、市制55周年の本年を心よりお祝い申し上げますとともに、これまで市政を支えていただいた多くの市民の皆様の御尽力に心より感謝を申し上げます。 去る2月7日、第10回北九州市応援団の集いに参加させていただきました。式典では新たな特命大使の任命や、55周年記念のアンバサダーへの草刈正雄さんの就任式が行われ、多くの文化人、著名人の特命大使の方々も参加される盛大な催しでありました。準備に当たられました職員の皆様、本当にお疲れさまでございました。 私がお話をした特命大使の皆様の多くが、北九州市は明るくなった、よくなったとおっしゃっておりました。今改めて市制55周年の本年は市が更に大きく躍進する年であり、なかんずく今議会が次の60年、100年に向けての重要な出発点であると思います。そのように決意している議員の一人といたしまして、質問に移らせていただきます。 初めに、市立総合農事センターについてお伺いをいたします。 市立総合農事センターは昭和48年5月に設立をされ、本年45年を迎えます。昨年は入場者数が35万人を超えており、児童、園児や高齢者施設の遠足や家族連れが訪れ、メタセコイアやケヤキがその入場者をお迎えする地域に愛された施設です。 昨年12月、ワールドミクニ共同事業体に指定管理が決定し、本年4月より同事業体による管理運営が行われます。この指定管理導入により、総合農事センターがより一層の魅力ある施設へ進化することを市民の皆さんも深く期待しております。つきましては、市には指定管理者が事業計画であります提案概要を着実に実施するよう指導していただくとともに、より市民の皆さんに喜んでいただける施設となるよう助言いただくことをお願いいたします。 その上で、市民の皆様からいただきました要望を含め、質問をいたします。 1点目に、総合農事センターには、名所である梅園、さっちゃん牧場などがあり、四季折々の自然を感じることができます。しかし、市民の方々に農事センターのお話を聞くと、農業関係者しか入れないのではないか、また、JA関係の施設なのかなど、若松のグリーンパークと比べ手軽に入れるとの認識が低いように感じます。その理由の一つは農事センターの名称にあると考えます。 そこで、歴史ある正式名称はそのままに、施設の愛称をつけてはどうかと思います。例えば、愛称の公募を行うことで、更に市民への周知にもつながると思いますが、見解をお伺いいたします。 2点目に、私は昨年の3月にこの議会質問におきまして、北九州市内の道の駅の設置について質問をいたしました。質問から1年経過し、今なお多くの方々から道の駅の設置について質問、要望があります。 そうした中、今回の総合農事センターの直売所の運営がJAからワールドミクニ共同事業体に移行されると伺いました。その運営に大変期待しているところでありますが、市民の皆さんに喜んでいただけるような直売所の充実に加え、小倉牛の種つけを行い出荷しているこの場所に、小倉牛を味わえる飲食施設の整備が行われるよう、市から指定管理者へ働きかけてみてはどうかと考えますが、見解をお伺いいたします。 あわせて、ペット連れの方も楽しめるように、ドッグランの設置についても働きかけてみてはどうかと考えますが、御見解を伺います。 3点目に、運営時間の弾力化についてお聞きいたします。 桜の花見の季節や夏の時期に夜間営業を行うなど、現状16時30分までの営業時間を延長し、仕事や学校が終わった後に家族や友人と気軽に通える施設にしてはどうかと考えますが、見解をお伺いします。 4点目に、昨年11月の天皇皇后両陛下による本市への行幸啓は、市民にとって光栄に浴するものとなりました。昭和33年4月16日に昭和天皇陛下・香淳皇后陛下が現在の総合農事センターである当時の福岡県林業試験場小倉分場に行幸啓をされ、イチョウの木を御植樹なされました。このイチョウの木はセンターと地域の皆さんに大切に育てられていましたが、2年前、平成27年8月25日に北九州を襲った台風15号により倒れてしまいました。木が枯れてしまうという事態も考えられましたが、センター職員や横代校区の皆様の献身的な育成に支えられ、現在奇跡的な回復をしています。 翻って見ますと、北九州市民にとって昭和という時代は特別な思い入れの深い時代であると思います。北九州市の誕生から市民の多くの方々が青春時代を過ごし、社会で活躍し、家庭を築いてこられた昭和の時代、北九州市も終戦後、日本の発展をけん引し、公害を克服し、新たな時代を開いてきた時代であったと思います。 そこで、農事センターの展示ホールにおきまして、昭和天皇お手植えのイチョウの木にまつわる同センター職員や地域の方々の奮闘エピソードとともに、本市の昭和の時代を振り返り、御自分たちが生きてきた時代を子や孫に伝えていけるような展示を行ってはどうかと思いますが、見解をお伺いいたします。 次に、みんなde Bousaiまちづくり推進事業についてお伺いいたします。 昨年7月に発生した九州北部豪雨では多くの方々が亡くなられ、今なお行方不明の方もおられます。被災された方々に心よりお見舞いを申し上げます。 こうした大規模災害の減災への対策として、自助、共助の力を向上させることが有効であると多くの識者が言われます。市内においても地域の自主防災対策が各種行われております。住民が防災意識を高めるため、平成26年度から地域防災対策の一環として、みんなde Bousaiまちづくり推進事業が行われております。 そこで、地域防災についてお聞きいたします。 1点目に、みんなde Bousaiまちづくり推進事業は、地域住民が主体となって地区防災会議や訓練を重ね、最終的に地域オリジナルの地区防災計画を策定する事業ということですが、現在の市内全小学校区における実施状況についてお聞きいたします。 また、今後多くの校区で実施してもらうため、各校区が実施しやすいよう、行政によるサポート体制を更に充実させていくべきと考えますが、見解を伺います。 2点目に、地域防災を進める上で、高齢者施設や障害者施設などの社会福祉施設への対応についてお聞きいたします。 地域の自治会からは、社会福祉施設にはより密な連携をとってもらいたいとの声を聞きます。昨年9月の本会議で、我が会派の冨士川議員の災害弱者の避難についての質問におきまして危機管理室より、各施設におきまして日ごろの避難訓練などの際に地域の方々の協力を得て避難経路の確認を行うなど、災害時に備えた準備を行っているところである。市としては、これらの計画の見直しや策定、これが適正に行われるよう、また、地域との連携が図られるよう、今後とも丁寧な対応を行っていきたいと考えているとの答弁がありました。 社会福祉施設と地域との連携について具体的な事例を挙げますと、横代校区では、高齢者施設である社会福祉法人宏隆会舞ヶ丘明静苑は、日ごろより地元の自治連合会と連携をとり、火災や災害の際の避難計画の打ち合わせを行うとともに、地域が行う文化祭に入所者の方々がバスで見学に来られるなどの交流を重ねております。門司区の松ヶ江北校区では、平成27年に地域と社会福祉施設8施設とが、災害時に地域のケアが必要な方々を施設が受け入れる旨の覚書を結んでいます。このような事例を踏まえると、防災の観点より、社会福祉施設と地域の常日ごろからの交流が非常に大切であると考えます。 そこで、施設側に対し、施設の建設計画時からこうした交流を地域と行うように指導等ができないのか、お聞きをいたします。 次に、児童文化科学館についてお伺いいたします。 本年2月8日の保健病院委員会において、児童文化科学館の東田地区への移転が報告されました。更に、報道では東田地区においてプラネタリウムが併設された新しい科学館を建設し、近隣施設とともに観光客や修学旅行生などを誘致することができる施設を目指すとのことでした。児童文化科学館については、多くの先輩議員よりこれまで質問がされており、重複する質問となるかもしれません。加えて、科学館については計画段階でありますが、現在の地域の声をお届けするために質問をいたします。 1点目に、児童文化科学館における各種クラブ活動についてお聞きいたします。 現在、児童文化科学館では6種のクラブ活動が行われています。昨年12月に少年少女発明クラブと科学クラブを見に行ってまいりました。特に発明クラブはその日、3Dプリンターを使ってハンドスピナーを作成しており、私も初めて動いている3Dプリンターを見ることができました。発明協会が主体となって設立された少年少女発明クラブは、昭和58年に設立されました。このような科学館で行われているクラブ活動を通じて、モノづくりの町北九州のDNAが受け継がれていけば、大変すばらしいと考えます。 そこで、新しい科学館でもこうしたクラブ活動は存続されるのか、お聞きいたします。 2点目に、先日、視察で福岡市科学館と東京にあります多摩六都科学館に行ってまいりました。福岡市科学館は、多くの企業ブースとデジタル技術を駆使した最新鋭の展示がなされており、子供連れの家族やカップルなど多くの若い世代が来場しておりました。西東京市の多摩六都科学館では、その地域にある有名時計メーカーでモノづくりに携わっていた方々が、退職後にその技術を生かしたボランティアとして、来場された方々に対面での展示説明を行っています。 また、子供のボランティア制度が充実しており、土日、祝日は科学館への来場者に対し、楽しそうに説明を行っているとのことでした。子供たちの多くは、理科や科学が好きであり、同世代の子供からの説明により、学習意欲を更に触発されるとのことです。更に、ボランティア活動における大人と子供との交流は世代間の交流を生んでおり、社会貢献における地域の人材育成の場になっていると伺いました。 市によると、新しい科学館については、市の強みはモノづくり、市内企業の協力を得ながら、福岡市科学館とはひと味違う展示をしたい。日本のどこにもない科学館をつくりたいとしており、大変力強く感じるとともに、今からが本当に楽しみであります。 そこで、新しい科学館において、市の強みであるモノづくりのDNAを継承していくためにも、多摩六都科学館と同様のボランティア制度を導入してはどうかと考えますが、見解を伺います。 3点目に、昨年12月、多くの市民に惜しまれながらスペースワールドが閉園いたしました。市民の皆様のスペースワールドへの深い愛着を感じるとともに、大学時代にアルバイトをしておりました私にとっても寂しい出来事でありました。 そこで、日本のどこにもない科学館にするためにも、スペースワールドに展示されていた月の石やアポロ14号司令船などの展示物を新しい科学館に展示してはどうかと考えますが、見解をお伺いします。 また、宇宙をテーマにしたテーマパークがあったここ北九州において、日本一、世界一のプラネタリウムを建設し、その名称を考えるに当たっては、スペースワールドもその候補の一つとしてはどうかと考えますが、見解を伺います。 次に、下水道事業についてお伺いいたします。 本年は市政誕生より55周年を迎えましたが、下水道事業については、若松で事業に着手してから100周年を迎えます。下水道の普及により、死の海と言われた洞海湾やどぶ川と言われた紫川の水質改善に寄与してきた歴史があり、現在本市の下水道人口普及率は99.8%にまでなっています。下水道事業は、本市の世界の環境首都実現に資する大切な事業であると考えます。 そこで、3点お伺いいたします。 1点目に、本年1月、下水道用マンホールぶたの全国的な老朽化についての報道がありました。マンホールぶたは全国で1,500万個が設置されており、そのうち全体の2割に該当する300万個が交換時期を迎えているとのことでした。過去には老朽化した上下水道管による道路陥没事故も起こっており、特に下水道は電気、ガスなどのほかの社会インフラとは違い、一度使用を開始すると、とめることが難しいインフラであるため、市民生活を守る観点から、計画的な更新が必要であると考えます。 そこで、本市の下水道用マンホールぶたや下水道管の更新、維持管理の計画についてお聞きいたします。 2点目に、国の連携中枢都市圏構想を受け、平成28年4月18日、北九州市と近隣16市町の市長、町長が一堂に会し、人口減少、少子・高齢化社会においても一定の圏域人口を有し、活力ある社会経済を維持するための圏域づくりを進めるため、連携中枢都市圏北九州都市圏域連携協約締結式が行われました。 こうした中、上水道の広域化は開始をされていますが、下水道についても近隣自治体とともにこれまで4回、下水道の広域化について勉強会が開催されております。そこで、今後の下水道の広域化計画についてお聞きいたします。 3点目に、本市ではことし下水道事業100周年、また、市制55周年を記念して、20年ぶりに下水道展'18北九州が開催されます。昨年、東京で行われた下水道展に視察に行ってまいりましたが、マンホールカードのブームの中、子供を対象にしたわかりやすいイベントを行い、家族連れや若い方々が多く参加しておりました。本年の開催期間は7月24日から27日までの4日間であり、夏休み期間であるため、下水道の環境保全機能を知るという環境教育の観点から、より多くの子供たちに参加してもらうよう取り組むべきと考えますが、見解をお伺いいたします。 また、国際水協会世界会議、IWAの日本開催が決定しており、新下水道ビジョンや社会資本整備審議会答申においても、国際競争力のある技術の開発と普及展開が提唱されるなど、水ビジネスの国際的な状況も変化しています。そこで、このたびの下水道展におきましても北九州の下水道の世界ブランド化を目指して、企業関係者を初めとする海外からの来場者の誘致を積極的に図ってはどうかと考えますが、見解をお伺いします。 最後に、中小企業支援についてお伺いいたします。 市内事業者の99%、従業員数の約8割を占める中小・小規模企業は地域経済のかなめであり、こうした企業の支援をすることは、本市経済の発展や雇用の創出の観点から最重要課題であると考えます。しかし、本市を取り巻く状況は、少子・高齢化の進展とともに厳しさを増し、昨年12月末の本市の有効求人倍率は1.7倍で、人手不足感が強まっているとのことであります。 国立社会保障・人口問題研究所が2013年に行った生産年齢人口の推計によると、本市では2015年には55万6,000人であった人口が、2025年には50万2,000人、2035年には44万8,000人になると予想され、20年間で約10万7,000人も減少することとなります。こうした中、本市企業が末永く事業を継続していくためには、人材を確保し、生産性を向上させていくことが必須の課題となっております。 そこで、3点お伺いいたします。 1点目に、平成30年度予算案では、人を呼び込む、人を生かすという考えのもと、人材確保に関するさまざまな新規事業の予算が計上されていますが、具体的な取り組み内容と見込まれている効果についてお伺いします。 2点目に、新規事業である生産性改革推進事業について、市内企業の労働生産性や付加価値の向上を後押しするとのことですが、具体的にどのように企業に働きかけ、支援を行っていくのか、お聞かせください。 3点目に、本市の中小企業の実態調査においては、後継者がいないと回答した事業者が全体の46%を占めているということであります。こうした中、国においては公明党の強い主張もあり、中小企業の事業承継税制を抜本的に拡充するといった支援策が打ち出されました。本市においては、事業承継・M&A促進化事業において、事業承継の課題を抱える経営者の支援を行っているということですが、こうした支援が本当に必要としている事業者に対して行われるよう周知徹底を行うとともに、取り組みを強化していくことが必要であると考えます。 そこで、この事業によるこれまでの支援の実績と見えてきた課題、また、その課題を踏まえた今後の取り組み内容についてお聞かせください。 以上で第1質疑を終了いたします。 ○副議長(木下幸子君) 市長。 ◎市長(北橋健治君) 金子議員の御質問にお答えいたします。 まず、月の石、アポロ14号司令船など新しい科学館で展示してはどうか、こうした御質問をいただきました。 児童文化科学館につきましては、施設、設備が老朽化しております。それを踏まえ、平成27年度に科学館のあり方検討会議を開催して、有識者などからさまざまな御意見をいただきました。今年度は、他の都市の先進事例や適地の調査に加え、市内企業の方々と活発な意見交換を行い、新しい科学館の整備の方向性をまとめたところであります。 具体的には、新しい科学館は科学や技術への興味関心を高め、北九州市の未来を担う人材を育む、にぎわいを創出する科学館を目指すことにして、誰もが科学に興味を持つきっかけづくり、また、技術系人材の育成、北九州の技術の発信、周辺施設と連携したにぎわいづくり、集客力のアップといった4つのコンセプトのもと、教育普及機能、展示機能、プラネタリウム機能の3つの機能を備え、子供を中心とする全世代をターゲットに、修学旅行や国内外からの観光客も呼び込めるにぎわいのある施設にしたいと考えております。 立地につきましては、交通の利便性が高いこと、大型バス等の駐車スペースが確保でき、いのちのたび博物館など他の施設との連携が期待できることなどから、東田地区を適地として位置づけたところであります。 こうした中、スペースワールド跡地の開発事業者としてイオンモール株式会社が正式決定し、仮称八幡東田プロジェクトとして出店計画を発表しました。同社の発表によれば、国内外からの集客が図れ、地域経済の活性化につながるような新たな地域拠点としての施設計画を検討するということであります。新しい科学館のにぎわいにもつながるものと期待をしております。 スペースワールド内に設置しておりました宇宙博物館は、人類がたどってきた宇宙開発の歴史をあらわす資料が多数展示されております。その中には、議員御指摘の月の石やアポロ14号司令船など貴重な価値のあるものも含まれていました。特に、月の石は国内最大のものであります。新しい科学館で展示することができれば、国内はもとより海外からの集客の目玉になるとともに、多くの子供たちが宇宙への興味を持ち、夢を膨らませるきっかけにもなると考えております。現在、所有者であるNASAと協議しているところであります。 新しい科学館につきましては、この地域に27年間にわたって市民に親しまれてきたスペースワールドの遺産を何らかの形で引き継いでいくことも念頭に置きながら、プラネタリウムも含めた施設の規模、展示内容、機能などについて、今後の基本計画づくりの中で検討してまいります。また、その名称についても施設の内容や市内外へのインパクトなどにも留意しながら考えていきたいと考えます。 いずれにしても、モノづくりの町にふさわしい科学館として、地元企業との連携のもとで、本市ならではの特色ある科学館にしていきたいと考えております。 次に、下水道展について御質問をいただきました。 下水道100周年記念事業については、昨年8月から市民参加型のイベントを中心に、約20の事業を実施してきました。このうち若松区で建設中の桜町北湊雨水貯留管では、近隣の小学生を招き、地下20メートルの深さにある貯留管内部の見学や、管の内部に絵を描く体験をしてもらいました。貯留管の中に実際に入った小学生たちからは、一生に一度の貴重な体験ができた、また、下水道は見えないところで頑張っている縁の下の力持ちといった喜びと感謝をつづった手紙を多くいただくなど、下水道の大切さを実感していただくいい機会となりました。 また、小倉北区の勝山公園におきまして下水道感謝祭を開催し、子供たちに楽しんでもらえるよう、下水道の工事現場で活躍する機械の運転や下水道管調査ロボットの操作体験なども行いました。これら記念事業の柱として、ことし7月には下水道に関する国内最大規模のイベント、下水道展が本市で開催されます。市民や企業、自治体の関係者など全国から4万人以上の来場を見込んでおり、さまざまな経済効果を期待しております。 ことしの下水道展は、本市のみならず九州においても20年ぶりの開催となります。このため、九州管内の15の自治体にも参加いただいて、本市が中心となって共同で展示内容などの検討を進めております。 子供たちの来場促進策については、人気の高いマンホールカードの配布に加え、マンホールふたをかたどった塗り絵や顕微鏡を使った微生物の観察など、工作、実験コーナーを設置する予定であります。また、紫川の水質改善に至った歴史など、下水道が果たしてきた役割の紹介に加え、小学生の自由研究をサポートすることを目的とした学習用ノートの配布なども予定しており、子供たちの環境に対する意識も高めていけるよう取り組んでまいります。 更に、下水道100周年を記念したポスターコンテストの受賞作品の展示なども予定しております。多くの親子での来場を期待しております。 海外からの来場者誘致については、SDGs、持続可能な開発目標において安全な水とトイレを世界中に、これが目標の一つとして掲げられております。その目標達成に向け、国土交通省、JICAなどと連携し、ベトナムやカンボジア、インドネシアなどアジア諸国から関係者を招き、国際会議を開催する予定であります。この会議を最大限活用し、海外から下水道展への来場誘致を図るとともに、本市の取り組みを国内外に積極的に発信し、海外事業への市民の理解の促進と、本市のプレゼンス向上につなげていきたいのであります。 次に、中小企業の事業承継・M&A促進化事業について御質問がございました。 中小企業経営者の高齢化に伴い、後継者問題への対応が全国的な課題となっております。本市においても企業のオーナーによる勉強会が設立され、この問題について議論がなされているところであり、円滑な事業承継は大変重要と考えております。そのため、昨年4月から潜在ニーズの掘り起こしから課題の深掘り、事業承継計画の策定までトータルでサポートする事業承継・M&A促進化事業をスタートし、取り組みを強化してまいりました。 この1年の実績としては、さまざまなテーマの啓発セミナーの開催、170名が参加しております。弁護士、税理士のペアによる訪問相談、これは11社になっております。事業承継計画の策定などに要する経費の助成、これは6社、このようになっております。加えて商工会議所、金融機関などと連携し、相談窓口の設置や後継者育成をテーマにしたセミナー、交流会の開催などにも取り組んでおります。 また、広報活動では、市政だよりやホームページへの掲載や中小企業へのメールマガジンの配信、これは1万3,000件になっております。また、チラシの配布、そして、中小企業団体の会合などでの事業説明、このように広く事業周知に努めております。これまでの取り組みを通して、相続税などの対応に苦慮していること、株式が親族等に分散していること、後継者の経営能力に不安を抱えていること、このように中小企業ならではの課題も見えてまいりました。 議員御指摘のとおり、現在国では来年度に向け事業承継税制の抜本的な拡充を図るなど、環境整備に取り組むことにしております。具体的には、納税猶予の対象となる株式数の上限などの撤廃、雇用要件の実質的撤廃、納税猶予が適用される対象者の拡充、こうした軽減措置が図られる予定となっております。 本市としましても、セミナーや訪問相談などで積極的に周知していくほか、中小企業大学校直方校に依頼して、後継者養成をテーマにしたサテライトゼミを北九州市で開校することなども新たに予定しております。今後も引き続いて、中小・小規模企業の声を丁寧に聞いて、課題、ニーズの把握に努め、国の動向、関係機関との連携にも注力しつつ、事業承継支援を実施してまいりたいのであります。 残余の質問は、関係局長からお答えさせていただきます。 ○副議長(木下幸子君) 産業経済局長。 ◎産業経済局長(加茂野秀一君) まず、農事センターに関する御提案についてです。 総合農事センターは昭和48年に開設され、農業の振興、市民と農業の接点、憩いの場の提供の3つを基本方針として市の直営で運営してまいりました。運営につきましては、にぎわいづくりや維持管理に民間のノウハウを生かし、より魅力的な施設とするため、農業の振興にかかわる試験研究区域を除き、平成30年4月から指定管理者制度を導入することとしております。 御質問の1点目の愛称につきましては、指定管理者の提案におきましても、にぎわいの創出や憩いの場として更なる多くの市民に親しみを持って利用を促すため、名称とは別に愛称を市民に公募することとなっております。愛称は、市民への親しみが更に増すことが期待できる一方で、農事センターのように緊急時、災害時にも利用される施設につきましては、愛称をつけることで混乱や誤解が生じるおそれもあるため、周知の方法についてしっかりと指定管理者と協議してまいりたいと考えております。 2点目のうち、直売所の充実と飲食施設の整備につきましては、現在の直売所は農林ショップ結いという名称で、新鮮な地元産野菜や水産物の販売が行われておりまして、多くの市民に利用されております。指定管理者の提案では、この施設を市内産品の紹介、販売及び地産地消の推進による地元農業のファンづくりの場として、市内産の農林水産物や加工品の充実を図り、北九州市食の認定ブランドを積極的に取り扱うこととしております。 飲食施設につきましては、地産地消の推進と利用者の食の関心を高めるため、小倉牛や小倉ふる里どり、市内産野菜を使った野外バーベキューの設備や、キッチンカーやテークアウトコーナーなどを新たに設置することになっております。 ドッグランにつきましては、小型、中型犬について小規模な区域を設ける提案がなされており、現在指定管理者と設置場所について協議を行っているところでございます。 3点目の運営時間の弾力化につきましては、現在の総合農事センターの開園時間は9時から16時30分までで、休日は年末年始の6日間となっております。それに対して、指定管理者の提案では、利用者の利便性を考慮に入れ、3月から10月は10時から18時まで無休、11月から2月は10時から17時までで、毎週水曜日を休業日とし、お盆やクリスマスなどイベント開催に合わせて臨時の時間延長を行うこととなっております。 4点目の議員御提案の展示ホールにおける昭和天皇によるイチョウのお手植えを含めた展示につきましては、現在ホールを利用して山野草や洋ラン、ツバキなどを愛好する16団体が1年間を通して展示会を開催しております。そうした中で何ができるのかということについて研究してまいりたいと考えております。 指定管理者制度の導入により、施設の維持管理やにぎわいづくりに民間の経営ノウハウや技術、自由な発想を生かし、より魅力的な施設の運営が期待されます。今後とも市の農業振興の拠点として、また、市民に愛される施設として、指定管理者とともに尽力してまいりたいと考えております。 次に、中小企業支援に関する残り2点の御質問にお答えします。 まず、人材確保事業です。 本市における昨年12月時点の有効求人倍率は1.7倍と、バブル期を超え過去最高の水準となり、地元企業にとって人手不足は深刻な問題だと認識しております。このため、人手不足の解消を産業政策上の重要課題と位置づけ、若者ワークプラザやU・Iターン、シニア・ハローワークなどを活用し、多様な人材の確保に力を入れてまいりました。 こうした取り組みに加え、平成30年度は20代、30代で初めて転職するいわゆる第二新卒を対象とした市内企業への就職促進、大学1、2年生からのインターンシップの実施、九州一円の大学生と市内企業とのマッチング促進、IT分野での就職に関心を持つニート等、未就労の若者を対象としたモデル事業の実施、日本での就職を希望する外国人学生等と市内企業とのマッチングによる高度外国人材の地元就職支援など、若者の定着に向けた施策を強めていくこととしております。 各事業を実効性のあるものにするため、新年度には九州一円の大学、高専、工業高校や、日本への就職活動が盛んな韓国の大学と顔の見える関係を構築するプロジェクトチームを産業経済局内に設置する予定でございます。本市に関心のある学生を対象に、市内事業所の訪問、北九州の町歩き、企業担当者との交流会の開催など、本市に就職してもらう機会の創出に取り組んでまいります。 このような取り組みにより、若者が市内企業や町のよさを理解し、みずからの能力を発揮し、やりがいを見つけることで地元定着へつながることを期待しております。人を呼び込み、人を生かすために、これまで以上にスピード感を持って全力で取り組んでまいりたいと考えております。 次に、生産性改革推進事業についての御質問にお答えします。 近年、人手不足は地元企業の経済活動に大きな影響を及ぼし始めております。本市ではこの問題に真正面から取り組むため、新たな働き手の確保と労働生産性の向上を産業政策の大きな柱として位置づけ、昨年4月より産業経済局内に生産性改革の窓口を開設いたしました。さまざまな独自の取り組みを始めるとともに、関連部署や支援機関の取り組みに横串を刺し、一体的に推進していくことで、広く効果的な周知を行っております。 現在行っている取り組みとして、具体的には日本政策金融公庫と生産性改革投資への金融支援制度の創設、中小企業のロボット導入支援、佐川急便とシルバー人材センターの連携によるラストワンマイルの配達効率向上、九州ポリテクカレッジの生産性向上人材育成支援センターとの連携、福岡労働局、金融機関との連携による国の働き方改革支援メニューの情報発信強化などがございます。 新年度は、お尋ねの生産性改革推進事業におきまして、業種を問わず幅広く企業に働きかけを行い、その中で生産性向上に関し意欲のある企業と連携し、先進的な2つのテーマに取り組んでまいります。 1つ目は、AIの活用で、物をインターネットでつなぐIoTや、自動でルーチン業務をこなすRPAなどの活用による生産性向上のモデル事例の創出であります。もう一つは、副業、兼業の推進で、地域企業と立ち上げました研究会では、多様な人材が柔軟に働きやすい環境づくりを進めます。この研究会は既に今年度動き出しておりまして、中小企業庁からパラレルキャリア賞を受賞いたしました。これは全国で2都市でございます。 このように生産性改革推進事業を地域産業界と一緒に取り組む働き手の確保、労働生産性向上のフラッグシップ事業として位置づけ、先進的な取り組みや新技術・支援制度を広く周知することで、市内企業の改革に向けた機運醸成を図ってまいりたいと考えております。以上でございます。 ○副議長(木下幸子君) 危機管理監。 ◎危機管理監(原口紳一君) みんなde Bousaiまちづくり推進事業につきまして、実施状況とサポート体制の充実についてお答えいたします。 みんなde Bousaiまちづくり推進事業は、平成26年度から平成28年度にかけまして、7小学校区でモデル事業を実施しました。そこから得られました成果やノウハウを生かし、平成29年度から全市展開を始めたところでございます。平成29年度は、公募により決定いたしました7校区で地区防災計画づくりを進めております。モデル事業の7校区と合わせ、現時点で全132校区のうち14校区で実施済み又は実施中となってございます。 この事業では、会議や訓練などを通じまして、災害の兆しに気づき、逃げることを決め、避難することを伝え、実際に避難するという一連の行動を地域で支え合いながら行うための連絡網や、避難体制などを地区防災計画として取りまとめるものでございます。 この取り組みに対します行政によるサポートといたしましては、まず1点目が、実施校区を公募する際の各区での自治会などへの説明の実施、また、2点目といたしまして、防災やまちづくりの専門家などファシリテーター、進行役でございますけれども、これを派遣することによる会議の進行や地域との調整、資料づくりなどのサポート、3点目が、若い視点や地域外からの視点による議論の活性化を図るため、地域防災に取り組む大学生の会議への参加などを行ってございます。また、加えまして、委託業者による資料の印刷や会場設営など、地域の負担軽減につながる支援も実施しているところでございます。 今後の取り組みでございますけれども、今後地域をサポートいたしまして、この事業を円滑に拡大していくためには、1点目といたしましては、事業に対する地域での理解をまず深めていただくこと、2点目といたしましては、地域を直接支援するファシリテーターの確保と育成が重要な課題になると考えてございます。 そこで、まず地域での理解を深めるためには、実際の取り組みをわかりやすく紹介すること、これが効果的であると考えてございまして、先日開催されました防災フォーラムでも今年度事業を実施した効果から、進め方や成果、課題等を発表していただいたところでございます。 次に、ファシリテーターの育成に関しましては、本市の防災アドバイザーでございます東京大学の片田敏孝特任教授のアドバイスもいただきながら、研修会、意見交換などを実施しているところでございます。今後は、こうした場を通じたノウハウの共有や知識の蓄積を行うとともに、ファシリテーターや地域防災のキーパーソンとなる新たな人材の発掘と育成に取り組み、支援体制の充実を図ることとしてございます。 今年度は、全市展開に着手した初年度でございまして、ファシリテーターや実施した校区の意見を伺いながら、地域の実情や特性に配慮した進め方、ノウハウを積み上げながら、取り組みやすい環境づくりに努めてまいりたいと考えております。以上でございます。 ○副議長(木下幸子君) 保健福祉局長。 ◎保健福祉局長(阿髙和憲君) 地域防災を進める上で、高齢者施設や障害者施設は建設計画時から地域と交流できるように指導などできないかというお尋ねについて御答弁いたします。 高齢者施設や障害者施設を運営する社会福祉法人は、本市の福祉事業に貢献するとともに、地域コミュニティーの一員としての役割も担っていただいており、法令により防災を含めた地域との交流に努めるよう規定が設けられております。 このため、本市におきましては、特別養護老人ホームやグループホームなどの高齢者施設を新規に公募する際、事業者から非常災害対策を含めた地域との連携について提案を受け評価を行っており、選定された施設には提案を確実に実施するよう求めているところであります。また、障害者施設を新たに開設する事業者にも、障害者施設の運営基準を定めた条例などに基づき、非常災害時における自治会などとの協力体制の構築に努めるよう指導しております。 これまでに地域と防災協定を締結した施設数は、高齢者施設111のうち52カ所、障害者施設22のうち10カ所となっておりまして、台風や豪雨災害時に近隣の地域住民の受け入れや、要援護者を特別養護老人ホームに避難させた事例が報告されております。 それ以外の取り組みといたしまして、備蓄食料の試食など、非常時を想定した防災訓練を住民と一緒に実施している例、これは小倉南区の例です。それから、非常時の連絡網の作成、危険箇所の発見や避難方法の検討を地域と協働で行っている事例、これは小倉北区の事例でございます。こういったことなどが挙げられます。 本市といたしましては、今後ともこうした事例の紹介や、関係部局が直接助言を行うことなどを通じて、社会福祉施設が地域の一員として、防災を含めた役割を担っていただけるよう、指導助言を行ってまいりたいと考えております。以上です。 ○副議長(木下幸子君) 子ども家庭局長。 ◎子ども家庭局長(江副春之君) 児童文化科学館に関する御質問のうち、クラブ活動とボランティアに関する残りの質問に関して御答弁申し上げます。 児童文化科学館におけるクラブ活動は、現在少年少女発明クラブや科学クラブなど、議員御指摘のように6つのクラブがあり、年間約120人の小・中学生が参加し、ここでしかできない科学体験の機会を提供しております。クラブ活動に参加している子供たちからは、音や風、磁石のことがよくわかったとか、少し難しかったがグループで協力して楽しく工作できたなどの感想も寄せられておりまして、学年を超えて互いに協力することで、科学に関する興味や関心がより深まっていると考えております。このように、クラブ活動は人材育成の役割も担っており、新しい科学館においても継承していきたいと考えております。 また、クラブ活動等の事業に協力していただくボランティアの方々は、児童文化科学館を運営していく上で大切なパートナーとなっており、平成29年度は企業OBや中学生、高校生など180人の方に登録いただいております。 議員御提案の多摩六都科学館では、小学校5年生から高校生までの児童生徒60名がジュニアボランティアとして登録しており、各種イベントやワークショップの補助を行っていると伺っております。ボランティアの方々の活動は館の運営上欠かせないものとなっており、議員御提案の子供のボランティア制度も参考にしながら、新しい科学館においても、多世代にわたるボランティアの活用を図っていきたいと考えております。 クラブ活動やボランティアなど、半世紀にわたって受け継いできた貴重なソフト資産は、しっかりと新しい科学館へ継承していけるよう取り組んでまいりたいと思っております。以上です。 ○副議長(木下幸子君) 上下水道局長。 ◎上下水道局長(有田仁志君) 下水道事業についての2点のお答えをさせていただきます。 まず1点目が、下水道マンホールのふたや下水道管の更新、維持管理計画についてでございます。 下水道は、安全・安心な市民生活を支える重要な社会インフラであり、本市では4,500キロメートルを超える下水道管と16万9,000個のマンホールのふたを保有してございます。マンホールふたの維持管理、更新計画につきましては、年平均6億円で3,000個程度、累計で6万個の取りかえを進めてきたところでございます。設置状況によりまして、表面の摩耗や下水から出る硫化水素の腐食が発生し、取りかえが必要となる場合がございます。そのため、交通量の多い箇所や硫化水素の発生が懸念される箇所の点検を重点的に行い、管きょの更新に合わせて計画的なマンホールふたの更新を行っているところでございます。 更新の際には、強度基準の25トンの対応や、大雨時に急激に雨量が管内に流入した場合にふたが外れない、浮上防止型という新しい形のふたを採用しており、幹線道路や過去にふたが浮上した箇所の取りかえを完了しているところでございます。 下水道管につきましては、テレビカメラ等による点検調査を計画的に実施しており、平成12年度からは調査結果や更新工事の情報を入力、監視するシステムを導入し、本格的に更新事業に取り組んでいるところでございます。整備年度の古い管きょから毎年約90キロの調査を実施し、これまでに全管きょの46%に当たる2,100キロの調査を完了したところでございます。 この調査に基づき、管の破損、腐食や地下水の浸入などが生じている箇所など年平均20億円、約20キロの更新を実施しているところでございます。中期経営計画の計画にある平成32年度までに320キロの更新を行うこととしておりまして、平成28年度までに約260キロ、81%が完了しているところでございます。今後ともマンホールふた及び下水道管の更新を計画的に推進してまいりたいと思います。 続きまして、下水道の広域化についての御質問にお答えいたします。 全国的に下水道を取り巻く環境は、人口の減少による使用料の収入の減少、施設の老朽化に伴う更新や維持管理費用の増大、技術職員の不足など、今後厳しさが増すことが見込まれてございます。こうした状況を背景に、国は処理施設の維持管理業務の一括発注を促進するなど、複数の自治体による下水道事業の広域化を円滑に進めるため、平成21年に下水道法を改正しております。 一方、北九州都市圏域では連携協約の締結に加え、北九州都市圏連携中枢都市ビジョンを策定したところでございます。このビジョンでは、下水道分野における近隣自治体と、汚水処理などの広域化に向けた検討を進めていくことを掲げてございます。これを契機に、平成28年12月には、近隣自治体や国などとともに下水道の広域化に向けた勉強会を始めたところでございます。 議員御指摘のとおり、勉強会はこれまで4回開催しており、近隣自治体が抱える下水道の課題や施設の統廃合、維持管理の共同化など、広域化した際の効果について検討を行ってきたところでございます。近隣の16の自治体の勉強会では、処理施設を統廃合すれば更新、維持管理費を削減できる、技術に精通した職員が不足しているため、大都市との連携は有効との意見がございました。しかしながら、広域化に伴う新たな施設整備に多額の費用を要することなど、課題も明らかになってきたところでございます。 こうした現状も踏まえて、北九州都市圏域における下水道を将来にわたって安定的に管理運営するために、来年度以降も引き続き近隣自治体のニーズに応えながら、連携のあり方、役割の分担、連携による効果、課題など、より一層具体的な検討を進めてまいりたいと考えてございます。以上でございます。 ○副議長(木下幸子君) 22番 金子議員。
    ◆22番(金子秀一君) 御答弁ありがとうございました。残り時間、第2質問をさせていただきます。 初めに、科学館につきまして、スペースワールドという名称について質問をいたしました。スペースワールドという名称が残るのであれば、現在の駅名であるスペースワールド駅の名称がそのまま使えます。駅名が変わった場合に幾らぐらいの経費がかかるのか、まずお伺いいたします。 ○副議長(木下幸子君) 建築都市局長。 ◎建築都市局長(柴田卓典君) JR駅の駅名変更について、以前JR西日本とかJR九州に確認したことがありますけれども、駅名変更を行いますと、運賃表や駅名表とか、それとシステムそのものを扱う必要があると聞いております。この規模は駅ごとによって違うんですけども、場合によっては全国的に扱う必要が出てくるということで、概算が出せないというふうなところを言われております。私どもそれで事例をちょっと調べた記憶があるんですけども、関東のほう、JR東日本の茨城の佐貫駅という駅名変更の分がネットでひっかかりまして、そのときが6億8,000万円です。料金改定に合わせてやると3億3,000万円ぐらいだったと記憶しております。 ○副議長(木下幸子君) 22番 金子議員。 ◆22番(金子秀一君) スペースワールド駅という名称を残すことができれば、こうした経費を節約することになると思います。ぜひこの質問をさせていただきましたことを検討いただきますように、よろしくお願いいたします。 次は要望なんですけれども、少年少女発明クラブに伺った際に、講師をされていた方々はポリテクカレッジの先生とか、あと市内のモノづくりに携わってこられた方々が教えておりました。こうした北九州のモノづくりが世代を通じて伝わっている姿に、本当に感慨深いものがありました。 また、各種クラブ活動に来ている子供たちは、いわゆる意識の高いメンバーであると思います。このクラブ活動に一層頑張れるように御配慮も重ねてお願いをしたいと思いますので、どうぞよろしくお願いをいたします。 次に、下水道事業につきまして質問させていただきたいと思います。 要望になるかもしれませんが、この100年というのは本当に長い歴史であると思います。これまで下水道事業に携わってこられた方々に対して、心より感謝を申し上げます。市の職員を初めとした下水道の布設の工事や維持管理に携わってこられた一般企業の方々、また、民も官も同じでございますが、この事業の継続性が重要であると思います。環境首都を目指す本市におきまして、下水道を担う官民ともの人材確保が重要になってくると思います。この100周年事業を通じて更に下水道に対するイメージアップを図り、人材確保に御努力をお願いしたいと思いますので、どうぞよろしくお願いをいたします。 総合農事センターについて質問させていただきます。 質疑でも触れましたが、総合農事センターには魅力がたくさんあります。南区の方々は、幼いころに遠足や家族でピクニックに出かけたという深い思い入れのある施設であります。しかし、八幡に住んでいる友人に農事センターについて聞くと、知らない方がたくさんいるのが現状であります。市が指定管理に移行し、運営を行っていく背景にはさまざまな思いがあると思いますが、私自身はこの農事センターを西のグリーンパーク、そして、東の農事センターと言えるような、市民の皆様が緑と触れ合う機会がたくさんある施設にしていただきたいと思います。 今回の質疑で道の駅について触れましたのは、総合農事センターがドライブなどでのついでに気軽に立ち寄ることのできる、にぎわいある道の駅のような施設になってほしいという思いもありました。指定管理に移行する絶好のこのタイミングに、ぜひ多くの人々が行きたくなるような施設運営を行っていただきたいと考えますが、見解をお伺いいたします。 ○副議長(木下幸子君) 産業経済局長。 ◎産業経済局長(加茂野秀一君) 御指摘のとおりだと思っております。総合農事センターというのは、もともとは農業振興から始まったわけではございますけれども、市民の憩いの場としようということで展開いたしまして、今回更に憩いの場とするということで、指定管理の公募をいたしましたところ、観光農場としての、観光公園としての農場の運営に実績を持っている企業も構成団体に入ったということで、非常にその辺でも期待が持てると思っております。もっと市民の人にどんどん人気が出て、更には市外からも多くの人が訪れていただけるような、グリーンパークに負けないような認知度が持たれるような施設になるように、当事者としても頑張っていきたいと思っております。 ○副議長(木下幸子君) 22番 金子議員。 ◆22番(金子秀一君) 質問で、昭和天皇のお手植えのイチョウの木に触れさせていただきました。このイチョウの木は総合農事センターの存在を知るまで、不勉強ながら、私自身も知らないことでありました。しかし、横代校区の立岩会長、大塚連合会長を中心とした皆様が本当に気をかけていただいて、残っているイチョウの木であると思います。ぜひこの地域、天皇陛下への思い、また、市への思い、また、地域の皆様が融合したような象徴的な出来事であると思います。ぜひこのことを末永く残していただければ大変ありがたいと思いますので、どうぞよろしくお願いをいたします。 最後に、要望を述べさせていただきます。 地域防災の取り組みにつきまして、既に各校区におきましては避難訓練など、大規模な避難訓練も実施をいたしております。みんなde Bousaiまちづくり推進事業は、大変防災対策について有効的な施策であると感じておりますが、この最終目標である地域ごとの地区防災計画を作成するためには、校区の皆様の更に多くの労力を伴うことが否めません。そこに対して市によるイニシアチブをとっていただきまして、片田教授がフォーラムで言われていましたとおり、防災対策は地域づくりである、また、防災づくりは人づくりであるという言葉が離れません。どうかこの地域にとって人材育成の場、地域の更なる復興のもととなるような防災計画を進めていただきたいということをお願い申し上げまして、私の質問にかえさせていただきます。どうもありがとうございました。 ○副議長(木下幸子君) ここで15分間休憩いたします。                  午後2時58分休憩                  午後3時16分再開 ○副議長(木下幸子君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 一般質疑を続行いたします。34番 木畑議員。 ◆34番(木畑広宣君) 皆様こんにちは。公明党の木畑広宣でございます。本日傍聴にお越しの皆様、御多忙な中、まことにありがとうございます。 それでは、会派を代表いたしまして一般質疑を行わせていただきます。市長初め関係局長の皆様、前向きな御答弁をお願いして質問に入ります。 初めに、新たな住宅セーフティーネット制度についてお伺いいたします。 高齢者や子育て世帯、低所得者、障害者、被災者など、住宅の確保に特に配慮を要する住宅確保要配慮者の増加に対応するため、民間の空き家や空き部屋を賃貸住宅として活用する新制度が昨年10月にスタートしました。この制度は、昨年4月に成立した改正住宅セーフティネット法に基づくもので、一定の条件を満たす場合は、国と自治体が改修費や家賃などの一部補助を行います。 本市では、高齢者や障害者が民間賃貸住宅への入居を申し込む際、入居中に支援が必要となったときや単身者が亡くなったときの対応に不安があるという理由で、家主が入居をためらうケースが見受けられることから、一昨年に北九州市高齢者・障害者住まい探しの協力店紹介制度を立ち上げ、市と宅地建物取引業者、各相談窓口が連携の上、民間賃貸住宅へ入居を希望される高齢者などが安心して住宅を探すことができるよう支援を行っているところであります。 そこで、2点お伺いいたします。 1点目に、本市においても、住宅確保要配慮者の入居を拒まない住宅の登録受け付けがスタートしていますが、福岡県においては現在登録件数がゼロとなっております。制度がスタートして間もないため、これから登録が進んでいくと思いますが、他県では既に数十件単位で登録されているところもあることから、本市としても登録を促進していくべきと考えます。 そこで、この制度を空き家などのオーナーに幅広く周知していただきたいと考えますが、現在の周知、広報の状況、また、問い合わせの状況についてお聞かせください。 2点目に、空き家などのオーナーの不安を軽減するという意味でも、入居後の安否確認や見守り、生活相談などのサポートを行う居住支援法人は必要不可欠です。新たなセーフティーネット制度では、この法人に対し、国から最大年1,000万円の補助金を支給する仕組みが導入されました。要配慮者の住宅確保を推進するためには、この居住支援法人によるサポートが非常に重要と考えます。 そこで、より多くの法人が県の指定を受けられるよう、市としても積極的に取り組んでいくべきだと考えますが、見解をお聞かせください。 次に、本市の観光振興策についてお伺いいたします。 観光庁が2016年6月に発表した旅行・観光消費動向調査によると、2015年の日本人国内旅行の1人1回当たりの旅行単価は3万3,750円となっております。旅行形態別では、宿泊旅行が5万520円であり、日帰り旅行が1万5,758円という調査結果であり、滞在時間の長い宿泊旅行のほうが日帰り旅行に比べて、滞在地域で使うお金がはるかに多くなることが示されております。 本市における1人当たりの観光消費単価を見ても、宿泊観光が2万3,104円、日帰り観光が5,336円であり、当たり前ではありますが、宿泊観光のほうが消費額が大きくなっております。したがって、日帰り観光客の増加に取り組むことはもちろんのこと、今後は、いかに本市を訪れた観光客に市内で宿泊してもらうかという観点で、取り組みを強化していく必要があると考えます。観光振興を進める上で重要なことは、観光振興をすれば地域経済が活性化するという考え方ではなく、地域経済が活性化するように観光振興を進めるという観点が必要ではないでしょうか。 そこで、こうした観点から2点お尋ねいたします。 1点目に、観光客の消費を促すためには、観光客にとって魅力的なサービスを提供することが重要です。以前は、中国人旅行者を中心としたショッピングが消費の拡大をけん引してきましたが、最近では、外国人観光客の消費行動が体験型観光を主な目的としたものに変化しているとのことです。いわゆるモノ消費からコト消費へのシフトであり、中でも日本の自然や日常生活を体験することに満足する観光客がふえているとのことです。 こうした動きを踏まえると、これまでの観光客向けのサービスを提供していなかった事業者でも、新たに参入できる可能性があると言えます。例えば、すしを握ったり、着物を着て古い町並みを散策するといった体験は典型的な例ではありますが、我々の日常生活にもっと身近にある事柄が、外国人観光客の興味を引くものであるかもしれません。こうした観点に立ち、市内で新たに外国人観光客向けのサービスを行う事業者の掘り起こしを行うことで、消費の促進につながるのではないかと考えますが、見解をお聞かせください。 2点目に、中国や韓国など海外で電子決済が急速に普及しており、システムを導入する動きが相次いでいる中、佐賀県は、スマートフォンやクレジットカードを使った決済サービスの環境整備に力を入れております。具体的には、佐賀市や嬉野市の土産店などを対象に電子決済端末の導入費の一部を補助する制度を本年度に創設しており、先月から電子決済で買い物をした観光客に景品を贈るキャンペーンを始めました。小銭のやりとりが不要になることで、観光客が買い物をしやすくなるため、消費を促す効果があるのではないかと考えます。聞いたところでは、現金払いより消費額が多いという統計もあるそうです。 本市においても、中国や韓国からの観光客が増加している中、電子決済の普及に向けた取り組みを進めるべきと考えますが、見解をお聞かせください。 最後に、小倉北区のまちづくりについてお伺いいたします。 1点目に、原町緑道についてお伺いいたします。 原町緑道は、旧陸軍造兵廠引き込み線跡地を活用し整備された、原町から木町を通り大手町に通じる小倉都心の閑静な住宅街の遊歩道であります。通勤、通学の通り道として、あるいは憩いの場として多くの市民の皆様に愛され、また、地元公園愛護会3団体の皆様には緑道の除草や清掃、花苗の植えつけなど、緑道の美化活動に御尽力いただいております。 一方で、昭和49年から昭和62年にかけて整備されたこの緑道は、当初の整備から42年、昭和62年の整備より31年近くが経過し、補修が必要な箇所も多く出てきており、まちづくり整備課の皆様には都度対応していただいております。また、当初は小さかった木々も大きくなり、鬱そうとしている場所もあることから、夜だけでなく昼でも暗い箇所があり、変質者などが出没するなどの防犯上の問題があります。更には、現在の基準では、バリアフリーの面で不十分な箇所が見られ、石畳は劣化や老朽化がひどく、でこぼこであり、木々の根っこが石畳を押し上げることもあり補修が難しい状態です。そのため歩行者が転倒する事故も発生しております。 小倉都心にふさわしい緑道であるためにも、デザインや機能性を保持しつつ、防犯に資する監視カメラの設置、樹木の間伐、照明のLED化、手すり、ベンチや舗装の更新などを行うことが重要と考えます。緑道を利用される方や地域の方の意識も時代とともに多様化し、緑道に求められる要素も変化しております。地域の皆様と協働して地域のニーズに合った原町緑道再整備に向けた検討を始めるべきと考えますが、見解をお聞かせください。 2点目に、清水交差点の安全対策についてお伺いいたします。 平成11年度から開始した清水交差点の交通安全施設等整備事業が昨年度ようやく完成をいたしました。しかし、現在もこの交差点では事故が多発しており、小倉北区内ではワーストワンの交差点となっております。事故内容をお聞きすると、特に国道3号、木町方面から清水交差点へ向かって高架橋を下る際の脇見事故が多く見受けられるとのことです。 そこで、この高架橋に補助信号や、タイヤと路面の摩擦で音を発生させ、注意を促すような舗装を整備することが必要であると考えます。見解をお聞かせください。 また、市道清水下到津1号線の下到津方面から清水交差点を右折する際、矢印信号がないために非常に危険であり、事故を誘発する要因となっております。既に要望させていただいていることではありますが、事故防止のために、矢印信号の設置に向けた働きかけを県警に行うとともに、交差点内のカラー舗装を整備すべきと考えますが、見解をお聞かせください。 3点目に、山田緑地の活用についてお伺いいたします。 本市は先月9日、小学館との間で包括連携協定を締結し、山田緑地において子供の遊び場を整備すると発表しました。具体的には、アウトドア誌BE-PALを発行する小学館のノウハウを活用し、アウトドア体験ができるたき火ゾーンなどを整備するとのことであり、健全育成に資する遊び場となることを期待しております。この遊び場の整備に関する今後の展開や市の役割についてお聞かせください。 4点目に、現在ほとんどの公園で球技ができない状況にある中、山田緑地横の遊休地を有効活用した野球、サッカー、テニス、ラグビーなどの球技ができる緑地スポーツ公園の整備を求める声が多く寄せられております。公共施設の整備、運営については、マネジメントの考え方に基づいて、単に施設を減らすだけではなく、選択と集中の観点から本市のにぎわいづくりや活性化にも留意しながら、現在及び将来のニーズなどを見据えて公共施設を再構築するという視点が重要であります。 そこで、将来的には山田緑地一帯をスポーツや食事を楽しんだり、保養することのできるウエルネスパークとして整備することを検討すべきと考えます。見解をお聞かせください。 以上で私の第1質疑を終わります。御清聴ありがとうございました。 ○副議長(木下幸子君) 市長。 ◎市長(北橋健治君) 木畑議員の御質問にお答えいたします。 まず住宅セーフティーネット、居住支援法人の案件についてお答えいたします。 昨年4月に成立した改正住宅セーフティネット法に基づいて、民間の空き家を活用した住宅の登録制度とあわせ、住宅確保要配慮者の円滑な入居を促進するため、都道府県が居住支援法人を指定するという制度も創設されました。居住支援法人の指定を受けることができる団体は、登録住宅入居者への家賃債務保証、賃貸住宅への入居に係る情報提供や相談、見守りなどの生活支援などを行うもので、NPO法人や社会福祉法人、居住支援を目的とする会社などが対象となります。 福岡県では指定に係る審査基準として、まず、支援業務の実施に関する計画などが法令等に定める基準を満たしていることに加え、必要な組織、人員体制が備えられていること、支援業務の運営実績が3年以上であること、自己資金として保有する現金などが当該法人の年間事業費の12分の1以上であることなどを設けております。 平成30年2月末現在、福岡県内では8つの法人が指定されております。そのうち北九州市を業務地域とする団体は2つの法人であります。このうち1つは全国展開しているホームネット株式会社、もう一つは本市を拠点とするNPO法人の抱樸であります。抱樸は民間企業と連携した見守り活動や入居支援などに先進的に取り組み、積極的な居住支援活動を展開しております。抱樸の活動は国が開催する会議や講演会などでたびたび紹介され、国からも高い評価を得ております。 議員御指摘のとおり、居住支援法人の活動は、高齢者や障害者などの民間賃貸住宅への円滑な入居の促進に際し、家主などの不安を解消することにもつながり、大きな支えとなります。そこで、指定された居住支援法人については、本市の居住支援協議会のホームページでも市民などへの情報提供などを行っております。今後とも関係団体、関係部局と連携をして、居住支援法人の指定を希望する団体に対して積極的に相談に応じるなどの支援を行ってまいります。 次に、本市の観光振興策の一環として、電子決済の普及について御提案がございました。 スマートフォンなどのモバイル端末が急速に普及し、日常生活でのキャッシュレス化が世界的に進んでおります。その中、現金を持ち歩かないことになれ親しんだ外国人の観光客は、旅先での消費においても、アリペイに代表されるモバイル決済等のニーズが高くなっております。モバイル決済サービスのユーザーは中国国内で5億人を超えるとも言われております。 中国都心部では、消費者の98%がスマートフォンなどモバイル端末で支払いをしていると、これは日本銀行の調査結果であります。同じく日銀調査では、ケニアでは携帯を持っている方の8割がそういう決済をしているということであります。韓国におきましても、OKキャッシュバックという共通ポイントサービスと連動したカード決済が主流となっております。日本での買い物でクレジットカードが使えない店舗の多さに戸惑っているシーンも見受けられます。 国内でもICカードなどの電子マネーやモバイル決済の利用など、キャッシュレス化の波が徐々に進んでおります。ボストンコンサルティングリサーチの調査によりますと、先進国の中で現金決済が断トツに高いのは日本ということで、65%だそうであります。それに対してイギリス、ドイツ、フランスなどは2割前後と、こういうことでありますので、その中で徐々に進んでいるということであります。 こうした中、電子決済の環境を整えることで、国内外からの観光客や地元購買客のキャッシュレスでの消費ニーズの取り込みにつながることが期待されます。そこで、昨年8月には商業者を対象に、外国人観光客とキャッシュレス決済をテーマにセミナーを開催しております。受講をきっかけに決済端末の機器を導入する商業者もあらわれ、機運も徐々に高まっていると考えております。また、別途金融機関から国際的に利用可能な電子決済サービスについて提案を受けております。今後、商業者、商工会議所との勉強会を実施する予定であります。 端末の導入に当たりましては、商店街などにおける外国人観光客を誘客するための国の補助制度もあります。今後の動向を見ながら、こうした制度の積極的な活用を促し、導入店舗について情報発信を進めていきたいと考えております。 外国人観光客の消費を促進し、リピーターを獲得するには、ストレスなく買い物できる環境が必須であります。今後ともセミナーの開催などを通じて電子決済システムの普及を初め、買い物環境の整備に努め、インバウンド消費を促すことで地域経済活性化を図ってまいりたいと考えております。 残余の質問は、関係局長からお答えさせていただきます。 ○副議長(木下幸子君) 建築都市局長。 ◎建築都市局長(柴田卓典君) 新たな住宅セーフティーネット制度の残りの質問についてお答えします。 新たな住宅セーフティーネット制度については、以前より国が全国で説明会を開催するなどして、家主等に対して周知、広報を図ってきました。一方、本市では市、不動産関係団体、居住支援団体で構成する北九州市居住支援協議会を通して、適宜市内の不動産関係団体に情報提供するとともに、市のホームページなどでも広報を行ってきたところです。更に、本年2月には登録促進を図るため、家主への周知についても文書による協力をお願いしているところです。 これまで、家主から登録に関する問い合わせが10数件ございました。耐震性能、居住面積や設備等の登録要件、改修費補助を受けた場合の入居者や管理に関する制約などがあることから、当面は様子を見ていようという方が多く、登録には至っていない状況です。今後も不動産関係団体と連携しつつ、市政だよりで個々の家主向けに広く周知することなどにより、引き続き登録の促進に努めてまいりたいと考えております。以上でございます。 ○副議長(木下幸子君) 産業経済局長。 ◎産業経済局長(加茂野秀一君) 観光振興策の残りの御質問についてお答えいたします。 インバウンドの消費促進につきましては、御指摘のとおり事業者の掘り起こしが必要と考えております。現在、コト消費を進める事業者といたしまして、呉服店によるレンタル着物や小倉織の機織り、老舗お茶屋による呈茶、小倉城周辺や門司港レトロにおける人力車、旦過市場内をめぐりオリジナルの丼をつくる大學丼などがありまして、積極的に外国へ向けプロモーションを行っているところであります。 また、最近SNSには外国人観光客が関門人道トンネルを歩く様子でありますとか、自分自身でお好み焼きを焼く様子など、日本人にとって日常的なものを非日常的なものとして楽しんでいる様子が多く投稿されております。既存の事業者でも情報発信を工夫することで、外国人観光客にとって大いに楽しめるコト消費を提供できるということの認識を深めているところでございます。今後とも事業者と連携し、本市の魅力を積極的に発信することで消費の促進につなげてまいりたいと考えております。以上でございます。 ○副議長(木下幸子君) 建設局長。 ◎建設局長(横矢順二君) 小倉北区のまちづくりについての4点の質問に順次お答えいたします。 まず、原町緑道再整備についてでございます。 原町緑道は小倉北区原町の住宅地に位置し、緑の中を快適に安全で歩行できる東西約0.8キロメートルにわたる車道と分離された歩行者専用の道路でございます。通学や周辺住民の散歩に利用され、地域の憩いの場として親しまれております。これまで地域の自治会からの要望を受け、その都度植栽のせん定や照明のLED化、舗装やベンチなどの更新など、安全で快適に通行できるように対策を進めております。 しかし、開設から40年以上が経過し、園路舗装が全体的に老朽化し、部分的な補修では対応し切れない箇所があることや、樹木が大きく成長し見通しが悪く、防犯上の課題がある箇所も見受けられます。そのため、今後は施設の老朽化の状況など現況調査を行い、既存の防犯カメラ設置補助制度の活用も含め、改めて地域の自治会の方々と協議し、どのような対策が可能か検討していきたいと思っております。 次に、清水交差点におきます交通安全対策についてでございます。 清水交差点は、国が管理する国道3号に4つの市道が取りついた変則6差路の交差点であり、事故も多発していたことから、平成11年から国土交通省や警察と連携し、交通安全対策に取り組んでまいりました。具体的には、6差路から5差路へ改良したほか、路面標示や信号の改良、右折レーンの設置、歩道橋かけかえ、歩道の連続性の確保などを行い、平成29年3月に整備を完了したところでございます。 その結果、整備が完了してから現在まで右折車両と歩行者との事故は発生していないなど、一定の効果は見られますけれども、依然として追突事故は発生しております。これは整備が完了して間もないこともあり、ふなれな車による事故もあると考えております。御提案いただきました補助信号や音で注意を促す舗装の整備、右折矢印信号につきましては、騒音や振動の苦情、新たな渋滞発生の懸念もあるため、まずは管理者であります国土交通省や警察と協議を行ってまいります。また、交差点内のカラー舗装につきましては効果があると考えておりまして、実施に向けて検討を進めていきたいと思っております。 いずれにしましても、国土交通省や警察と連携し、事故原因や交通状況、対策の効果などを確認しながら、引き続き清水交差点の安全対策に取り組んでまいりたいと考えております。 次に、山田緑地におきますアウトドア誌との連携による遊び場の整備、今後の展開や市の役割についてお答えいたします。 山田緑地は、30世紀の森づくりを基本理念とし、平成7年に開設された面積約47ヘクタールの広域公園でございます。この公園は貴重な自然を守り育てていく場所、自然の大切さを学び、感じてもらう公園として、自然観察や遠足など多様な利用者に活用されております。 御質問の包括連携協定につきましては、株式会社小学館発行のアウトドアの専門誌でありますBE-PAL誌と本市との間で、自然を生かした公園の更なる活性化につなげることを目的として、平成30年2月9日に締結したものでございます。この協定では小学館が遊び場の企画や運営、紙面による情報発信を行い、本市が施設を整備し、市民参加によってさまざまなイベントを行う役割としております。具体的な整備内容につきましては、パルパークプロジェクトのノウハウを生かしまして、通常の公園で禁止されている火を使った遊び場や、泥んこ遊びなどが可能な空間づくりを考えております。 その最初の取り組みとしまして、平成30年の秋ごろまで山田緑地の野草広場におきまして、火の遊び場などの一部エリアをオープンさせたいと考えております。この遊び場の整備によって、自然体験の促進による環境保全意識の醸成、子供たちのたくましく生きていく力の育成、健康増進などが期待されます。今後は、今まで実施してまいりましたバードウオッチング、ミステリーハイキング、みつばちプロジェクトなどのさまざまなイベントとともに、山田緑地の更なる魅力向上につなげてまいりたいと考えております。 最後に、山田緑地一帯をウエルネスパークとして整備することについてでございます。 ウエルネスパークは、民間の健康運動施設を含めまして、プールやテニスコート、球技場、レストハウスなどが整備された拠点公園でございます。福岡県内におきましては、飯塚市にある筑豊緑地がウエルネスパークとして整備されております。また、本市の公共施設マネジメントのうちスポーツ施設につきましては、施設分野別実行計画を定めておりまして、この計画に位置づけのない新たな拠点施設の整備は行わないこととなっております。 御提案の山田緑地一帯の用地は、弾薬庫跡地としてアメリカ軍から返還された後、国の審議会の答申に基づき3分割され、その一部を本市が国から払い下げを受け、山田緑地として整備したものでございます。3分割された残りの部分のうち、北側の用地につきましては現在防衛省が管理しております。また、西側の用地につきましては財務省が管理している状況でございます。 この山田緑地をウエルネスパークとして開発により整備することは、多額の費用や民間事業者の参画が必要なだけでなく、貴重な自然を守り育てていく基本理念から少し離れるものとなると考えております。山田緑地につきましては、今後も自然の大切さを学び感じてもらう公園として、利用促進を図ってまいりたいと考えております。以上でございます。 ○副議長(木下幸子君) 34番 木畑議員。 ◆34番(木畑広宣君) 御答弁まことにありがとうございます。それでは、時間の範囲内で再質疑をさせていただきます。 まず、住宅セーフティーネット制度についてですが、これは住宅確保要配慮者の円滑入居賃貸住宅の面積要件というのがあると思うんですけども、この面積要件については自治体の裁量で緩和できるとのことでありまして、住宅セーフティネット法の基準は原則1戸当たり25平米以上となっておりますが、これは他都市の状況では、堺市や大阪市は大阪府に準じて25平米から18平米に緩和をしておりまして、その他の自治体でも今緩和を検討中ということであります。本市におきましてもこの25平米から18平米の要件緩和の要望も出ておりまして、これはぜひ住まいの貧困の解消促進にもつながると思いますので、これは前向きに検討していただきたいと考えますが、見解をお聞かせください。 ○副議長(木下幸子君) 建築都市局長。 ◎建築都市局長(柴田卓典君) 最低水準の面積25平米というのは国で定めた基準でございます。この緩和につきましては、他都市はいろいろな考え方に基づいて緩和を決めていっている、また、検討しているというのがあります。私どもも他都市の事例を研究しながら、どのような考え方ができるかというのを今検討している段階でございます。 ○副議長(木下幸子君) 34番 木畑議員。 ◆34番(木畑広宣君) ありがとうございます。これはぜひ前向きに検討していただきたいと思います。 また、観光振興についてですけども、これ観光客に宿泊していただこうという観点で、このような取り組みもできるのではないかと思います。これは本市におきましてイベントを開催する際ですが、多くが午後に開催する傾向があります。しかしながら、午後にイベントを開催しますと観光客は午前の時間を使って移動し、本市、現地に入ってまいります。午後のイベントに参加した後は帰路につくという行動をとる傾向がこれは強くあると考えます。 そこで、本市がイベントを開催する際は、午前の早目の時間帯に開催することで、イベントに参加する観光客は前日に本市に移動して宿泊をするとともに、イベントに参加した後には本市のこの観光資源を訪れて帰路につくと予測もされます。その結果、本市での観光消費額の増加につながるのではないかと考えます。 また、特に小さな子供さん連れの家族旅行をターゲットにする場合は、午前の早い時間帯にイベントを開催することを検討してみてはどうかと思いますが、これはぜひ検討していただきたいと思っております。 また、観光振興におきまして、観光客数の増加は重要であります。本市の行政評価を確認しますと増加傾向であり、一定の評価に値すると思います。この行政評価の設定している指標に観光客数とあわせて消費額を設定することで、1人当たりの消費額の拡大を目指していただきたいと考えております。 聞くところによりますと、観光客の消費額を算出する基準となる観光消費単価は、本市においては5年に1回しか見直さないと伺いました。現在、増加をしております外国人観光客を初め多くの人を呼び込むための取り組みを進めている本市にとって、この観光客の消費動向をしっかりと把握していくことは非常に重要と考えますが、これについてもしっかりと検討していただきたいと思います。よろしくお願いします。以上で終わります。 ○副議長(木下幸子君) 進行いたします。32番 村上直樹議員。 ◆32番(村上直樹君) 皆さんこんにちは。公明党の村上直樹でございます。お忙しい中、傍聴に来てくださった皆様、大変ありがとうございます。私は、会派を代表して一般質疑を行います。 初めに、若年性認知症支援についてお伺いします。 2017年4月に京都市において、認知症に関する国際会議が4日間にわたって開催されました。この会議には、アジアやアフリカからの参加者がふえており、65カ国地域から約4,000名もの参加者が集い、活発に議論や交流が行われました。これは認知症対策が世界的な課題となっていることを示しているとともに、世界一高齢化の進んでいる日本での開催が注目された結果とも言えるのではないかと考えます。 この国際会議では、さまざまなテーマについて研究成果の発表や意見交換が行われました。新たな論点として若年性認知症が取り上げられたことは着目すべき点であります。我が国において、65歳未満で発症する若年性認知症の患者は、約4万人いると推計されています。発症年齢は平均51歳、働き盛りの人が物忘れの症状で業務に支障が出て失職するケースも少なくありません。家計の担い手が発症すれば収入を得る手だてを失い、一家は経済的な苦境に立たされてしまいます。若年性認知症の患者や家族の悩みに寄り添い、どのように支えていくのか、とりわけ就労の問題にどのように対応するのか、新たな問題として向き合っていくときが来ているのではないでしょうか。 厚生労働省は、若年性認知症対策を認知症施策推進総合戦略、新オレンジプランの柱の一つに据え、就労の問題については、通常の事業所に引き続き可能な限り雇用継続できるよう支援を行うとともに、雇用が困難な場合には、心身の状態に応じて障害福祉サービスである就労継続支援事業による支援、居場所づくりや社会参画支援等を行うよう施策の強化を図っております。 先日、私は40代、50代の若年性認知症の方に対応しているデイサービスを訪問し、話を伺ってまいりました。若くして仕事がなくなったその喪失感というのははかり知れないものがあり、やはり一番の問題は、本人の状態に合った就労支援を行うことが、本人にとっても、また、御家族にとっても安心につながる重要なことであることを教えていただきました。若年性認知症の支援については、まだまだ介護サービス事業者側の努力によるところが多いように思われます。本人、また、御家族の方が希望を持って生きていくことができるよう、本市の若年性認知症に対する支援の強化を求め、3点お尋ねします。 1点目に、就労継続や障害福祉サービスなどにつなげる大きな役割を果たすのが、若年性認知症支援コーディネーターであります。厚生労働省は、その体制の充実を図るため、都道府県ごとの設置に加えて、政令指定都市への設置も求めていますが、本市の若年性認知症支援コーディネーターの現状の体制とその役割、また、就労支援の実態についてお聞かせください。 2点目に、若年性認知症は初期症状の段階での診断が難しく、疲れ又は鬱病などの他の病気と間違われ、誤った診断のまま時間が過ぎ、適切な治療がおくれてしまいがちであります。早期発見、早期治療は進行をおくらせることができ、日常の生活もしやすくなります。そこで、早期に適切な治療につなぐための本市の取り組みについてお聞かせください。 3点目に、私が今回訪問した若年性認知症の方を受け入れるデイサービスのような施設があるということを、本市認知症支援・介護予防センター及び医療機関である認知症疾患医療センターが情報として共有し、本人や御家族の悩みに一歩寄り添った相談に応じることができるよう、取り組みの更なる充実を図るべきと考えますが、見解をお伺いします。 次に、聴覚障害者支援についてお伺いします。 本市では、一昨年4月に施行された障害者差別解消法の趣旨を踏まえ、その実効性を高めるため、昨年12月に障害者差別解消条例を制定しました。障害のある人の社会参加に際して障壁となっている事柄を可能な限り取り除くための配慮を望むものです。 そこで、数点お伺いします。 1点目に、本市では現在、聴覚に障害のある方が本市の各窓口に申請、相談のために来庁した際には、状況に応じて筆談で対応するほか、社会生活上必要な外出の際の支援として、障害者団体に委託して手話通訳者の派遣事業を行っております。ただし、手話通訳者の派遣事業は事前申請が必要となることから、ろう者の方が健常者と同様に、いつでも役所での手続等を行えるようにすることが必要と思います。 そこで、各区役所に、耳マークを表示したろう者の専用窓口、仮称デフステーションの設置や、遠隔手話通訳の導入を検討すべきと考えます。特に、遠隔手話通訳の導入については、平成27年3月議会において提案させていただき、他の自治体の導入状況を調査するとともに、導入の可能性について検討するとの答弁をいただきました。この検討状況も含め、見解をお伺いします。 2点目に、手話通訳者は日本語と外国語を通訳するのと同様に、健常者が話す日本語を手話に訳し、また、障害者が使った手話を日本語に訳します。その際には、障害を持つ方の生きる世界や考え方を理解し、常に相手の気持ちに立って手話を行う姿勢が求められます。通常、手話通訳を行うときに必要となる資格はありませんが、裁判所等の公的な場で通訳を行うには、手話通訳士の資格が必要となります。この手話通訳士は、合格率15%という高い難関をクリアし、厚生労働省に認定された人だけが名乗ることのできる資格です。 今後、障害者の社会参画が進み、高い専門知識と経験、スキルを持つ手話通訳士の需要がますます高まるものと考えられる中、看護や介護並みの体力と精神力を要し、頸肩腕症候群など職業病になる人が多くいるにもかかわらず、現時点ではボランティアに近い形で奉仕されているケースが多いとのことですが、こうした現状をどう思われますか。見解をお伺いします。 3点目に、一般的に聴覚に障害がある方は手話で会話ができるとの認識が多いようですが、実際には、中途障害者などのように、手話で完全なコミュニケーションをとることのできない人も多いようです。 そこで、話の内容を要約して文字として伝える要約筆記が利用されています。要約筆記には速く正確に、読みやすく、私感を含めず、秘密を守るという原則があり、その作業に従事する通訳者は、難易度の高い認定試験をクリアしている要約筆記者若しくは要約筆記奉仕員となります。この要約筆記は、今後手話通訳同様に聴覚障害者の社会参画の推進とともに需要が高まっていくと考えられますが、本市における要約筆記者と奉仕員の現在の派遣状況と報酬についてお聞かせください。 最後に、VR活用による観光体験についてお尋ねします。 観光庁は、訪日客が日本での体験を楽しむコト消費を広めるため、仮想現実、VRや拡張現実、ARを活用した観光推進に乗り出すとのことで、滞在期間が長い欧米客の観光ニーズを調べ、日本文化などをより身近に感じてもらえるように環境を整えていく方針を打ち出しました。今後、訪日客の地方への誘致を促し、2020年には訪日客消費を8兆円にふやす狙いのようです。 VR、バーチャルリアリティーとは日本語では仮想現実、人工現実感と訳され、さまざまな形で取り上げられて話題を呼んでいます。現実ではない三次元空間で、まるで実際に体感しているかのように錯覚し、楽しむことができる技術で、こうした仮想現実を活用した技術は遠くない将来、私たちの暮らしの中で広く普及するのではないかと期待されているようです。 その一つが観光の分野です。美術の世界や遺跡などの疑似的な体験や、存在しない城郭や産業遺跡をVRで見られるなど、既に観光用アプリの開発も進んでいるとのことです。隣の福岡市ではこの技術を活用し、博多祇園山笠のVR映像を市の観光サイトなどで公開されており、その映像は山笠の出発からゴールまでを前半と後半それぞれ3~4分にまとめたものや、ダイジェストなど5種類、町を駆け抜ける山笠からの目線を体験でき、臨場感と迫力のある映像になっているそうです。更には、山笠の歴史を紹介する映像も用意し、日本語、英語、中国語、韓国語の4カ国語に対応しているそうです。 また、群馬県の富岡製糸場が民間企業とのコラボにより、ウエアラブル端末を活用し、高精細なVR映像による新たな観光案内システムの実証実験を実施し、期間限定ですが、当時の情景や歴史を感じながら場内を回遊できる、富岡製糸場CG映像ガイドツアーの取り組みをスタートさせたそうです。 こうした中、本市においても、世界文化遺産官営八幡製鐵所旧本事務所眺望スペースで、VRを導入した案内サービスを間もなく開始することになりました。実は、今議会で私が提案しようと考えていましたが、既に準備が進んでいるということでうれしく思います。その他にも、本市にはユネスコ無形文化遺産に登録された戸畑祇園大山笠行事、美しい工場夜景や平尾台の大自然など、VR向けのコンテンツは多く存在しているものと思います。 こうしたVRによるコンテンツを、観光案内所を初め観光客が訪れる場所で見ることができれば、観光客の増加につながるのではないかと考えますが、見解をお伺いします。 以上で私の第1質疑を終わります。 ○副議長(木下幸子君) 市長。 ◎市長(北橋健治君) 村上直樹議員の御質問にお答えいたします。 若年性認知症の対策についてであります。 まず、支援コーディネーターの対応についてであります。 議員お尋ねの若年性認知症支援コーディネーターは平成27年、国において制度化され、コーディネーターを都道府県ごとに配置するための補助金が用意されており、福岡県には1名が配置されております。本市では国に対し、この制度を更に政令市にまで広げていただくよう要望し、認知症支援・介護予防センターの保健師が所定の研修を受けまして、今年度からコーディネーター業務を始めたところであります。 具体的な業務としましては、若年性認知症の人や家族からの相談対応、また、地域や関係機関に対する若年性認知症に係る正しい知識の普及、介護家族交流会の開催などを行っております。県のコーディネーターと連携を図り、取り組みの輪を広げているところであります。 センターでこれまで受けた相談では、認知症専門の医療機関につなぎ、障害年金などの手続に進んだ例や、発症を理由に退職し自宅に引きこもっていた方が、障害者制度の就労につながった例、また、一般的な就労は難しいため、デイサービスの利用につながった例など、その人の生活状況、状態によって必要な支援はさまざまであることもわかってまいりました。 このような若年性認知症の人の相談を通じて、効果的な支援方法を蓄積しながら、関係者への情報発信や就労支援のためのハローワークとの連携などに積極的に取り組んでいきたいと考えております。 次に、適切な治療につなぐための取り組み、あるいは寄り添った相談の充実について御質問がございました。 若年性認知症は、多くの場合が現役世代で発症いたします。そのため、症状の進行による健康面や将来的な不安に加え、就労や生活など経済的な問題も抱えていますから、早い段階でさまざまな分野にわたる支援を総合的に講じる必要があります。 議員御指摘のように、若年性認知症の支援については、大きく分けて早期発見・早期診断の医療や介護サービスの提供体制の整備、また、理解を広げていくための普及啓発や相談支援体制の強化、この2つの取り組みが重要と考えております。早い時期に適切な医療や介護サービスなどにつなげるためには、若年性認知症について正しい知識を持つことが必要であり、これまで実施してきた支援者向けの研修や企業向けの啓発活動に加え、今年度からは市民向け啓発活動にも力を入れて取り組んでおります。 また、身近な場所で診断、治療が受けられるよう、医師会と連携し、本市独自の物忘れ外来医療機関45カ所と、専門的な医療を提供する認知症疾患医療センター4カ所との連携や、認知症サポート医52名のフォローアップ研修など、医療体制の充実強化も進めているところです。 一方、デイサービスなどのサービス利用が必要になった場合、若年性の人を受け入れた経験がない事業者も多いと聞いておりますが、若年性認知症の人が利用しやすいように、草刈りなど日常生活に近い活動を行っている事業者もあり、より多くの事業者に広がるよう情報提供を行っております。 本年2月3日から4日に開催した若年性認知症Fesでは、全国で著名な若年認知症の当事者をお招きし、約600人の市民や関係者が参加して情報共有が図られたところであります。 本市ではこうした取り組みの更なる充実を図るため、今年度改定する北九州市オレンジプランには、若年性認知症政策の強化を盛り込み、本人、家族の居場所づくり、また、更なる医療体制の充実、相談支援体制の強化などを図ることにしています。 その中で、若年性認知症に特化した取り組みとしましては、まず、他の都市に先駆けて平成28年4月に設置した認知症支援・介護予防センターにおいて、同じ立場の人同士が集い、精神的なケアにつなげるための認知症の人とパートナーの集いを開催すること、また、物忘れ外来などの医療機関で、各種制度の紹介や必要な情報を記載したハンドブックを配布することなど、御本人や家族の気持ちに沿い、適切なタイミングで必要な情報が届くよう支援していきたいと考えております。 今後とも若年性認知症の人が早い時期から医療や介護、障害福祉サービスのほか、就労支援など状況に応じた適切な支援が受けられるように御本人、家族の悩みに寄り添いつつ、取り組みの更なる充実に努力をしてまいります。 残余の質問は、関係局長からお答えさせていただきます。 ○副議長(木下幸子君) 保健福祉局長。 ◎保健福祉局長(阿髙和憲君) 障害者支援について3点お尋ねいただきましたので、それについて御答弁いたします。 まず、各区役所に主に手話を使って日常生活を送る人のための窓口となりますデフステーション、この設置や遠隔手話通訳の導入を検討すべきだという御指摘でございました。 聴覚に障害のある方が医療や行政、教育などの機関の窓口で手続を行う際にコミュニケーション支援を行うということは、これは大変重要なことで、筆談による対応や手話通訳者の派遣などの支援を今行っております。 手話通訳者の派遣につきましては、市の聴覚障害者情報センターの専任通訳者、これ5名おりますけども、これにより実施しておりまして、平成28年度の実績といたしましては、年間で2,952件といったところでございます。内訳としましては、区役所派遣を含むいわゆる行政窓口への派遣が全体の約4%、115件、ほかの大部分は医療機関などへの派遣で、これが79%で2,339件に上っております。 御提案のございました各区役所でのタブレットやテレビ電話などを利用した遠隔手話通訳サービス、これにつきましては、ことし2月現在で政令市では7都市導入されている状況です。平成28年度に全区役所へのタブレット端末設置と、一部の区役所への手話通訳者の配置を同時にスタートした横浜市では、聴覚障害のある方から、いつでも安心して窓口へ行くことができると好評を得ていると伺っております。 一方、聴覚障害者団体に意見をお聞きしましたところ、小さな画面越しでは手話の細かな表現が伝わりにくい、それから、通常の手話で行う、肩をたたいて呼びかけるといったことができないなどの問題がありまして、行政手続などの細かな内容を伝えるには限界もあるのではないかということでございました。このようなことを踏まえ、聴覚障害者のコミュニケーション支援については、まずは今後、例えば現状の手話通訳者の派遣と遠隔手話通訳の併用について試行するなど、障害者団体の意見も聞きながら、そのあり方について具体的な検討を進めてまいりたいと考えております。 次に、同じ聴覚障害者に関する御質問で、手話通訳士、それから、ボランティアに近い形で手話通訳士の方が奉仕しているケースが多い、この現状についての見解を伺うということ、それからもう一点が、本市における要約筆記者と奉仕員の派遣状況と報酬について伺うと、この2つのお尋ねについてあわせて御答弁いたします。 本市の手話通訳士は、先ほど述べましたが、市の聴覚障害者情報センターの5名のほかに23名の方がおられ、それぞれ市内で活動いただいており、大変感謝申し上げたいと思います。しかし、手話に関する高いスキルをお持ちでありながら、手話通訳士としての活動の機会や、その役割に対する理解が十分に広がっていない現状もあると考えております。 本市といたしましては、今後ともイベントにおける手話通訳者派遣や手話通訳者養成講座などを通じ、高いスキルを持つ手話通訳士の存在や、その重要性を市民に広く知っていただけるよう取り組んでまいりたいと考えております。 次に、主に難聴者、中途失聴者へのコミュニケーション支援となります要約筆記者派遣に関しましては、国において平成25年度に、それまでの奉仕員制度から、より専門性の高い要約筆記者制度へと見直されているところでございます。このため、本市におきましても平成25年度から、要約筆記者派遣事業は全て要約筆記者により対応しておりまして、平成28年度の派遣実績は、手話通訳者派遣同様、医療や行政、教育などの機関の窓口派遣を中心に213件となっております。 また、要約筆記者に対する報酬としては、障害者団体からの要望もございまして、ほかの政令市の水準の調査を改めて行いました。その結果、平成28年度から1時間当たり1,500円の手当と1回当たり960円の交通費へと、報酬の引き上げを行ったところでございます。以上です。 ○副議長(木下幸子君) 産業経済局長。 ◎産業経済局長(加茂野秀一君) バーチャルリアリティー活用による観光体験の御質問にお答えします。 VRは、現存しない歴史上の建造物を見たり、その日に行われていないイベントを体験したりできる手法であり、今後観光振興への活用が期待される技術でございます。本市におきましても、世界遺産である官営八幡製鐵所関連施設をわかりやすく紹介するため、施設の様子をVRで体感できるサービスを今月から開始する予定でございます。 ほかの観光資源におきまして、例えば御提案の戸畑祇園大山笠行事では、祭りの期間以外に訪れる方にもその魅力に触れていただくため、ウェルとばたやいのちのたび博物館において山笠展示やモニター放映などを行っております。また、工場夜景につきましては、来訪者が多く集まるイベントのブースなどさまざまな機会を通じて、PR映像やパネル展示による魅力紹介を行っております。 御指摘のVRの活用により、こうした観光客の満足度を向上させることが期待できる一方で、導入には設置場所、視聴機材、運営主体及びその費用などの課題が考えられます。今後、平尾台などほかの魅力的な素材も含め、本市の観光資源の中でどのようなコンテンツがVRに有効かについて、関係機関等の意見も聞きながら、個別に導入の可能性を検討させていただきたいと考えております。以上でございます。 ○副議長(木下幸子君) 32番 村上直樹議員。 ◆32番(村上直樹君) 御答弁ありがとうございました。 それでは、まず若年性認知症対策について、市長答弁ありがとうございました。 私も市長に倣って養成講座を受けてまいりました。今、市長からも答弁の中にもありましたけれども、先月ムーブで行われました認知症Fes、私も実は参加させていただきまして、若年性認知症の当事者である、多分名前出しても大丈夫と思うんですけど、丹野さんの講演を聞かせていただきました。丹野さんは30代で若年性認知症と診断され、不安を抱えながらも、同じ認知症の人々との交流を通して前向きになれたという体験を話されていました。更には、家族や周囲から温かく支えられ、仕事も続けられたことに触れられて、私は認知症になっても周りの環境さえよければ、笑顔で楽しく過ごせることを知りましたと話されていたんですけども、すごくその言葉は私も印象に残りました。 更に、丹野さん、北九州でも私がわざわざここに出向くんじゃなくて、北九州の方がこういう講演をできるようになるんじゃないでしょうかという話もされていたんですけども、北九州、若年性認知症の方がこういうやっぱり講演をできたりとかするような環境といいますか、そういう人が出るように、市としての支援であるとか、取り組みを更にお願いしたいということをまず要望させていただきたいと思います。 それから、聴覚障害者の質問をさせていただきたいんですけども、実は遠隔手話通訳は私も平成27年に質問させていただいて以降も、かなりの自治体が今導入されているということで、しっかりと検討していただければと思いますので、よろしくお願いします。 それと、ちょっと話かわるんですが、実は東京の狛江市というところが接遇強化月間というときに、接遇向上宣言というのを何かされたらしいんです。お約束しますということで、気持ちよく挨拶します、積極的に案内します、わかりやすい言葉で説明しますという窓口を掲げているらしいんですけれども、実はこれ手話通訳もやられているらしいんですけど、職員全員が市民に手話の基本挨拶ができるように、毎朝朝礼の場で、おはようございます、お待ちくださいといった6つの言葉を、接遇の用語ですね、練習を行っているそうなんですけども、こういうことを本市でできないでしょうか。 ○副議長(木下幸子君) 保健福祉局長。 ◎保健福祉局長(阿髙和憲君) 市民と接する市役所の窓口ですから、どういう市民の方が来られても気持ちよく応対して帰っていただくということが重要になると思います。今御提案のことも含めて、どのようなことができるか、関係部局ともちょっと相談させていただきたいと思います。 ○副議長(木下幸子君) 32番 村上直樹議員。 ◆32番(村上直樹君) ありがとうございます。障害者差別解消条例が制定されて、今後多分手話言語条例制定への機運もますます高まってくるんじゃないかなと思います。今からできることはしっかりと取り組むべきだと思いますので、朝礼のときに手話の練習、ほんの1分ぐらいで終わるんじゃないかなと思っているんですけども、予算も要らないと思います。あしたからでもできるんじゃないかなと思うんですけど、いかがでしょうか。 ○副議長(木下幸子君) 保健福祉局長。 ◎保健福祉局長(阿髙和憲君) そうですね。予算は要らないと思います。積極的に考えてみたいと思います。 ○副議長(木下幸子君) 32番 村上直樹議員。 ◆32番(村上直樹君) ありがとうございました。 それともう一点、聴覚障害の方々からの要望を話させていただきたいんですけども、先月、多くの私たちに感動をいただいた平昌オリンピックが閉幕しました。いよいよこれからパラリンピックがまた始まるんですけれども、スポーツ基本法には障害者の自主的かつ積極的なスポーツを推進するというような理念も掲げられているんですけども、パラリンピックというのは身体障害者のスポーツイベントなんですけども、聴覚障害者の方のスポーツイベントで、デフリンピックってあるんですね。これも4年に1回行われているんですけども、まだ日本での開催はありません。 実は、パラリンピックよりもデフリンピックのほうが歴史は古いようです。4年に1度の世界大会ですけども、実は国内では全国のろうあ者の方々がろうあ者体育大会というのを行っているんですね。これもまだ本市では開催ないんですけども、今本市は大規模国際大会誘致事業として、ラグビーのワールドカップであるとか、2020年オリンピック・パラリンピック競技大会のキャンプ地誘致とか、今すごく力を入れているんですけども、このろうあ者体育大会、夏、冬あるんですけども、冬はちょっと本市開催無理だと思うんですけども、夏の大会は実現可能なんじゃないかなと思うんですけれども、ぜひこの開催に取り組んでいただきたいと思います。これは要望されたものですから、要望でございますので、よろしくお願いいたします。 それから、最後にVRですけども、午前中に定住・移住促進の質問も今回、きょう出ておりましたけれども、今本市は東田の多分スマートコミュニティ創造事業を行った跡地だと思うんですけども、お試し居住というのを行っていますよね。私聞いたところ、30数組の方が一応体験されて、2割程度の方が定住してくれていると、その2割が高いか低いかというのは別として、そういうふうに聞いているんですけども、例えばVRを使って移住体験というのができないかなと提案させていただきたいんですけども、いかがでしょうか。時間がないので、済みません。 ○副議長(木下幸子君) 企画調整局長。 ◎企画調整局長(西田幸生君) 情報発信の仕方も含めて検討させていただきたいと思います。 ○副議長(木下幸子君) 市長。 ◎市長(北橋健治君) 北九州出身で東京で活躍されている企業で、ぜひこれを体験してくれとVRを体験しまして、これはすごい可能性を持っているなと思います。いろんなことを勉強してみましょう。 ○副議長(木下幸子君) 本日の日程は以上で終了し、次回は3月5日午前10時から会議を開きます。 本日はこれで散会いたします。                  午後4時17分散会...